仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「桜井景和様がタイクーンとして復活したのも束の間。それぞれのペアは分断されてしまいました。一人暴走する両津様とそれを追いかけるマリア様。果たして皆さま無事にこの迷宮を脱出できるのでしょうか?」
「両さんってアレかな? ズルしても勝ち上がりたいタイプ?」
「ご迷惑かけております。どうしても両さまのあの部分だけは昔から変わらずで……」
「マリアちゃんも大変だねぇ」
「でもそんな所が好きなんですけどね♪」
「あーはいはい……御馳走様です」
「祢音様の身近にはそういう方はいらっしゃいますか?」
「え? 何? 恋バナ? アタシはまだそーゆーのは居ないなぁ……」
「いえ、その、暴走キャラの意味合いでお伺いしたのですが」
「あ、何、そっち? えーとね、英寿でしょ? 景和でしょ? 道長でしょ? メインの男キャラどいつもこいつも欲望すっご!」

 考えてみたらギーツってエゴ強いキャラで構成されていますよね。


変攻XII:愛僧渦巻く迷宮の脱出ゲーム

 西の館・メインホールに来た。ここは先ほどウィンが絵画の下に据えられた文字タイルの位置を変えていた部屋だ。

 英寿はアケビの絵の文字タイルをみつめ、ウィンが変えた並びを変えて正しい並びにする。それを見たウィンは驚き、英寿に尋ねた。

 

「……え? ちょちょちょちょ! なんでわかった?!」

「狐を化かそうったって、そうはいかない」

 

 その頃、両津とマリアは庭園を突っ走り大扉に向かっていた。

 

「両さま! 本当にこのまま出口に向かって良いのですか?」

「フハハハハ!! 扉を開く合言葉はわかったんだ! 皆を出し抜いてこのまま脱出だ~!」

「い、いいのかしら……?」

 

 思わず苦笑いをするマリア。出会った頃から両津にベタ惚れしているが、流石に時折見せる両津の凶行には引く時もある。

 

「それにさっきいいものも拾ったからなぁ~コイツがあればいざって時も何とかなるぜ」

「あれは拾ったと言うのでしょうか……?」

 

 ここまでの途中、アイテムボックスを持っているジャマトを見かけたので後ろから両津がぶん殴って奪ったのである。拾ったと言うより絵面的には強奪だ。

 

「いいんだよ。どのみちジャマトは敵なんだから」

「両さま! 隠れてください!!」

 

 あと少しで大扉に辿り着こうとしたその時、異変を感じたマリアが両津を引っ張り茂みの中に隠れた。

 

「おいおいマリア、一体何だってんだよー? もう扉はすぐそこだぜ?」

「あれを、見てください……」

「あん? げげー?! 何だってあんなに?!!」

 

 大扉の前にはジャマトが居た。それも複数。明確に表すなら数十体。いや、もしかしたら100体は越えているかもしれない。

 

「両さま、もしかして……」

「ああ、あの噺家ジャマトの野郎が皆に伝えたんだ。くっそ、こんな事なら命乞いなんて無視してサクっとやっておくべきだったか……」

「それはちょっとイヤですわ。例え怪物でも元・寺井様の声で断末魔を聞くのは……」

「……だよな。さて、流石にあれだけの数のジャマトと戦うとなると、いよいよコイツを使うべきか」

 

 両津は先ほどジャマトから奪ったフィーバーバックルを構える。彼らは物凄い数のジャマトたちを蹴散らして、無事に扉を開け脱出できるのか?

 

 再び西の館・メインホール。

 英寿は良樹が撮影した絵画と文字タイルの写真を確認し、良くできたと頭を撫でた。そしてウィンとツムリに勇む。

 

「なんで運営が俺を落とそうとしているのかは知らないが、俺はゲームマスターの思い通りになるつもりはない」

 

 力強く喋り続ける英寿。その瞳には確固たる信念が感じられた。

 

「俺たち参加者は……ゲームマスターの駒じゃない!」

 

 その頃、通路を移動していた道長と尾形のペアは景和・一徹と祢音・梢の一行と合流した。だが彼らの前後にジャマトたちが立ちふさがる。道長はドライバーとバックルを構える。

 

『 SET 』

 

  ――俺たちの意思で此処に居る――

 

 景和と祢音もドライバーとバックルを構えた。

 

『『 SET 』』

 

  ――俺たちの意思で戦っている!――

 

 そして西の館・メインホールにもジャマトたちが現れた。

 

「俺たちの運命は誰にも決めさせない……俺たちの手で決める」

 

 英寿は決意を強く声にしてバックルを差し込んだ。

 

『 SET 』

 

 その頃の通路での道長は既にバッファへの変身を行いジャマトたちと戦闘を繰り広げていた。一体のジャマトが持っていたアイテムボックスからフィーバーバックルを見つける。

 

「ヘッ……!」

 

迷わず掴んだ道長は仮面の下で不敵に笑みを浮かべた。

 

 景和も既にタイクーンに変身していた。迷いなく視界のジャマトたちを斬り続ける。倒した1体のジャマトが持っていたアイテムボックスからバックルを見つけた。

 祢音も倒したジャマトからアイテムボックスからバックルを見つける。2人もフォーバーバックルを手に入れた。

 こうして偶然にも、迷宮内のライダーたちは全員フィーバーバックルを入手する事となった。

 

 庭園に移動して戦うギーツとパンクジャック。ジャマトたちにマグナムの銃撃を撃ち込んでいたギーツはフィーバーバックルをドライバーに差し込む。

 

『 REVOLVE ON SET!FEVER! 』

 

 モンスターバックルの驚異的な破壊力で幾度も拳を叩きこんでいたパンクジャックもフィーバーバックルを差し込んだ。

 

『 REVOLVE ON SET!FEVER! 』

 

 それぞれリボルブオンの効果で身体が回転し、それまで上半身にあった防具は下半身に展開される。上半身はフィーバーバックルがランダムに選んだバックルの物に換装されるのだが……

 

『 GOLDEN FEVER 』

 

 だがギーツには小バックルのドリルバックルの効果が付与される。防具も右肩右胸のプロテクターと頼りない。だが扱いには慣れているらしく、右手に装着された大型ドリルでジャマトを次々抉る。

 

『 NINJA 』

 

 パンクジャックにはニンジャバックルが選ばれた。どうやらギーツと違い、ニンジャバックルには慣れてないらしく、手に持ったニンジャデュアラーを不器用に大きく振り回す。

 

 その頃の場内。バッファ・タイクーン・ナーゴもそれぞれ不慣れなバックルばかり引き当てていた。

 

「次だ!」

 

 ビートバックルで戦っていたバッファが再びフィーバースロットを回す。

 

  ――必ず勝ち抜く!――

 

 庭園で戦うギーツはフィーバーバックルのスロットを迷いなく回す。

 

  ――そう信じたやつが――

 

『 ZOMBIE~! 』

 

 マスクの下で満足そうな笑みを浮かべる道長。それと同じくタイクーンもスロットを回していた。

 

『 NINJA! 』

「? 来た!」

 

 見事ニンジャバックルが来た。これにはマスクの下の景和も満面の笑みを浮かべている。

 

『 BEAT !』

「! はぁっ!」

 

 祢音もようやくビートバックルを引き当てる。慣れない小バックルでの戦いはすっかり消耗していた彼女のやる気を再び奮い立たせた。

 

『 MONSTER!』

「いぇ~!!」

 

 ウィンもモンスターバックルを引き当てた。

 

『 HIT! FEVER MONSTER!』

 

 音声が鳴ると上半身の武装がモンスターバックルのものに切り替わる。

 

『 HIT! FEVER ZOMBIE~! 』

『 HIT! FEVER BEAT!』

『 HIT! FEVER NINJA!』

 

 バッファ・タイクーン・ナーゴもようやく使い慣れたバックルを引き当てた。そして当然ギーツも……

 

  ――運を引き寄せる――

 

『 MAGNUM!』

 

 見事マグナムバックルを当てた。仮面の下で余裕の笑みを浮かべる英寿。

 

『 HIT! FEVER MAGNUM!』

「さあ、ハイライトだ」

 

 2丁となったマグナムシューター40Xを容赦無く撃ちだした。

 

 皆がフィーバーバックルの恩恵に肖っていた頃、大扉の前の両津ことタートルズは……

 

『 ASHTRAY 』

 

 思いっきりドツボにハマっていた。

 

「ちっくしょう! また灰皿かよ~!!」

「……両さま、もうそれ何回目でしたっけ?」

「知るかぁ! 何だってコイツばかり出るんだよー?」

「まぁ相手も大した強さでは無いですし、時間さえかければ何とか……ぐぁあああああ!!」

 

 あまり戦力にならないタートルズの代わりに次々ジャマトを倒していたマリアが突如苦しみだした。そう、ジャマトの群れの中にジャマトライダーが居たのだ。

 

「マリア?! ちっくしょう、あのライダーに変身するやつか!」

 

 周囲を見ると距離が開いた場所に居るジャマトが次々変身していく。このままではマリアの首に巻き付いた首輪が絞まり切って窒息どころか首が千切れかねない。

 

「待ってろマリア! 次こそ、次こそ引かなきゃマリアの命が!! ……出ろよぉ、こんちくしょ――!!」

 

 一縷の望みでスロットを回した両津。そして引いたものは……

 

『 BIG WIND FAN!』

「ぃよっしゃ! 待ってたぜぇ!!」

『 HIT! FEVER BIG WIND FAN!』

 

 ようやくビッグウィンドファンバックルを引き当てたタートルズはフィーバービッグウィンドファンフォームになった。

 

『 HYPER BIG WIND FAN VICTORY 』

 

両手にそれぞれ持った2本の大ハリセンを合わせ、1本の巨大ハリセンにする。

 

「マリア、下がっていろ! どっせぇええええええい!!」

 

 一振り。たった一振りで目前のジャマトたちに強烈なダメージが与えられた。音速を越えた風圧によるソニックブームが吹き飛んだのだ。

 

「そっちもだ! うぉおおおおおおおおお!!」

 

 再びおおきく振りかぶって、別のジャマトの群れにソニックブームを飛ばすタートルズ。だがジャマトライダーたちは耐えきれるのか腕を触手と化して飛ばしてくる。

 

「てぇい!!」

 

 ハリセンを二分割して二刀流に構え直したタートルズ。そのまま地面に向かって仰ぎ、巻き起こした風圧で空に舞い上がる。ハリセンの仰ぎ方を細かく調節し、タートルズは今、大空から角度をつけてジャマトライダーに突進する。

 

「ヘヘヘ……お前らもライダーならこれくらいやれよ。……ライダーキック!!」

「ラサ……ヴァララサポスビラサコ?!」

 

 二双のハリセンから生じる風圧でとてつもない破壊力が生み出されたライダーキックを、ジャマトライダーの腹部に叩きこんだ。腹部から穴を開けてそのままジャマトライダーが吹き飛ぶ。

 

「そっちもだぁ!!」

 

 再び空へ飛ぶタートルズ。次々と強烈なライダーキックでジャマトライダーを粉砕する。

 

「さてと、残りはアイツだけか……マリア! 良っく見てろよ――!!」

「は……はい! でも両さま、一体何を……?」




 筆者です。変攻XIIをお送りしました。
 現時点でこの話はギーツ本編12話「謀略III:スロット★フィーバー」を基としてお送りしてますが、今回敢えてギーツメンバーのフィーバー無双のシーンを大幅カットして両さんにスポットが当たるように調整しております。ギーツメンバーの無双を細かく見たい方は他所か本編をご覧ください(ふるいわけ)。

 さて、両さんは皆に遅れて散々フィーバーバックルで灰皿ばかり引いていましたが、マリアちゃんのピンチでようやくハリセンを当てる事ができました。仲間のピンチには実力以上に運が来る両さんらしい展開に出来たかなと思っています。
 フィーバービッグウィンドファンフォームでのライダーキックは勝手なイメも混じってますが往年のスカイライダーを土台としています。セイリングジャンプね。あれは当時の特撮だからあの映像ですけど、今のCG技術ならもっとエグい演出が出来ますよね。実際ディケイドの劇場版だったかでそういうのが描かれていたと記憶しています。セイリングジャンプの代わり二双のハリセンで制御させました。この辺はドラえもんのひみつ道具「強力うちわ風神」で、のび太くん考案の空中浮遊を取り入れてます。きっと両さんもドラえもんは読んでたに違いない。そーだと思いたい。
 
 では今回はこの辺で。明日も17:30更新ですのでお楽しみください。

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