仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

19 / 161
「全員無事にジャマト迷宮を脱出した事でデザイアグランプリ第二回戦も脱落者無しで終了しました。皆さまおめでとうございます! さて、次は第三回戦ですが皆さま意気込みはどうでしょうか?」
「フ……勝つのは俺だ」
「相変わらず余裕の浮世英寿様でした(棒)」
「棒……姉さん、この作品だと俺への塩分が濃いな……」
「では次の方お願いします」
「えーと……色々ありましたが復帰しました。願いを叶える為に俺は頑張ります!」
「爽やかさが増して前回デザグラよりも頼もしさが増した桜井景和様でした。今はまだそのままで居てくださいね」
「! ちょっとツムリさん、それってどういう事?!」
「では次に吾妻道長様、お願いします」
「おい……タイクーンはもういいのか? ……絶対勝って全てのライダーをぶっつぶす!」
「テンプレありがとうございました」
「テンプレじゃねーし!!」
「では鞍馬祢音様、お願いします」
「ツムリちゃん、結構強引だね……オホン! 絶対勝って夢を叶えるぞ!」
「おー! 相変わらず可愛らしいですね。素敵です。今度原宿辺りでお茶をしましょう」
「いいの? 行こう行こう!」
「何かツムちゃん、祢音ちゃんには糖分増してるんじゃね?」
「何の事でしょうか? では晴家ウィン様、適当にお願いします」
「適当?! ……まーいいや。俺が勝つ! 勝ってツムちゃんと結ばれるぜウェーイ!」
「相変わらず気持ち悪いですね」
「?! 英寿よりも塩分濃くされた……」
「では最後は両津勘吉様。時間が無いので5文字でお願いします」
「何でワシだけ字数制限が?! 仕方ない……”ワシが勝つ”どうだ?5文字だぞ」
「”負けるかも”はい、ありがとうございました」
「勝手に改ざんするな――!!」
「第三回戦も是非お楽しみください」
「「「「「人の話を聞け――――!!」」」」」

 ※今回は番外編です。ご余裕のある方だけどうぞ。


変攻XV~F:愛僧渦巻く迷宮の脱出ゲーム

 以下は余談として3つの話を記載しておく。特に本筋との関係は薄いが、時間のある者は目を通して頂ければありがたい。

 時系列としてはマリアたち一般参加者たちが英寿や両津たちデザグラ参加ライダーたちと別れた後である。

 

  ☆

 

 迷宮の跡地である群馬の某テーマパークから亀有駅前まで移動する一行。関越自動車道を使いなるべく早めに皆を送り届けようと考えたのが問題だった。道のりとして167キロメートルほど。時間にして約2時間半。途中のトイレ休憩も行ったので3時間はかかったろうか? その間にデザグラ運営の施す”何かいい感じの力”とやらが働いていたらしく、一行は何故群馬から亀有に向かうのかその詳細をすっかり忘れてしまっていた。

 マリアは葉山姉弟・尾形とすっかり打ち解け、身の上とか今好きな事とかを話し合える友人になっていた。だが、何をきっかけに皆が知り合ったのかは良く覚えていないのだ。また、一緒に乗っていた筈の冴えない青年が同乗せずに別れた事も違和感を覚えた。そもそもあのテーマパークに何故行ったのかも。だが不思議な事にそれはとても大切な事なのに無理して思い出さなくてよいものだと心の中で納得してしまった。

 

「マリアちゃん、ばいばーい!」

「マリアおねえちゃん、またねー!」

「さようなら。今度は派出所にも遊びに来てくださいね」

「行きます! 必ず伺います!!」

 

 尾形だけ妙に熱の篭った挨拶をしていた。駅前で皆がそれぞれの帰路につく。もう夕方だ。

 尾形はバスを走らせ自身が所属する営業所へ回送運転で戻る。戻った直後は特に上司も何も言ってこなかったが、問題が起きた。数日後、いつものように路線バスの運転を終えて営業所に戻ると刑事が2人来ていた。

 

「――と言う訳で、この日の貴方が運転するバスが何故か路線運転を行わず群馬に移動をしていました。その時同乗をされていた数名と一緒にね。そして関越自動車道を使って群馬から亀有に戻る。明らかにバスの運行を無視していて、聞いたら上からのお咎めも無しだったと」

「はぁ……そうですね。ですが、正直あの日の事は何も覚えていなくて。気が付いたらあのテーマパークに居て、お客さんたちが楽しんだ後、ご存じの通りに私は関越道を使って亀有駅前まで送り届けていたんです」

「何とも……まぁ被害届は出ていないようですし、特に問題は無いかと思いますが、これから署へ来て頂きます」

「え? 何でですか?!」

 

 尾形は嫌悪感を剥き出しにして壮年の刑事に食ってかかる。刑事も面倒そうな顔をして説明をする。

 

「まぁ重要参考人として事情聴取ってやつですよ。お互いイヤな思いはしたくないでしょう。特に前科とか付くわけじゃないので安心してください」

「うう……僕は何も悪くないのに……」

 

 仕方なく尾形は了解した。後日この件は新聞の三面の片隅に記事として扱われ、尾形はしばらく同僚や親せきから白い目で見られる事となった。

 

   ☆

 

 第二回戦が終了して数日経ったある日の話。纏とマリアがミニパトでパトロール勤務を終えて葛飾署の交通課でお茶をしていた時の事だ。

 

「そういえばこないだはお土産ありがとうね、マリアちゃん。檸檬も喜んでいたよ」

「いえいえ、大したものではありませんが。檸檬さまも喜んで頂けたのなら何よりです」

「天然石のアクセなんて珍しいからはしゃいでいたよ。檸檬は魔法少女モノとか好きだからね~。ケーキも美味しかったなぁ。アレ、”マリアさまのケーキ”って言うんだっけ。もしかして狙って買った?」

「うふふ、ええ。名前に釣られちゃって」

「だよねぇ。でも何でロ〇クハート城? あれ群馬でしょ? 何かの用事?」

「それが……実は良く覚えてなくて」

 

 マリアは当日、父親の麻里晩の名代で都内の格闘技道場に視察に出向く予定だったが、何故か群馬のテーマパークに居た。同じバスに乗っていた姉弟やバスの運転手と仲良くなり、一緒に園内で遊んで帰ったが、何故そうなったのか今一つ覚えていないのだ。

 

「どういう事? でもマリアちゃんでもそんな事あるんだねぇ」

「でも一つだけ覚えている事がありましたわ!」

「へー、何?」

「両さまです!」

「は?! 勘吉と一緒だったの?」

 

 目を丸くして驚く纏。それもその筈。マリアが出かけたその日は両津が単独行動をして纏から消えた日だからだ。

 

「ええと……何か両さまに関わる事でとても大切な事があったような……」

「何……それ?」

 

 瞳を潤ませながら語るマリアを見て内心落ち着かない纏。事の顛末次第では両津に問いたださなければならないからだ。

 

「……ごめんなさい。やはりあまり細かく覚えていなくて。ただ……」

「……ただ?」

「両さまとアタシの愛の結晶が生まれましたわ!」

 

 盛大に飲んでいた茶を噴き出す纏。

 

「だ、大丈夫ですか纏さま?!」

「ゲホ! ぐえー……思いきり鼻に入った……ご、ごめんね。それで、アイツとの……何?」

「え、ええ……それが何なのかは憶えてないのですが、とにかく両さまからマリアスペシャルと言うものを見せて頂き……」

「マリアスペシャルって何?!」

 

 マリアにグイグイ喰いつく纏。マリアは思い出せる限りの事を頭から引っ張り、言葉として紡いだ。

 

「何か大切なものを両さまに見せて頂いて……両さまが”この気持ちだけは覚えておいてくれ”と仰って……とても胸が熱くなったのは憶えているのですが……あれ、纏さま?」

「ごめん、マリアちゃん。ちょっとアタシ電話してくるわ」

「は……はい!」

 

 鬼の形相でその場を去った纏。携帯を握って廊下に出た。だが廊下から電話に向かって怒鳴る纏の声が丸聞こえになった。

 

「てめぇ勘吉!! 仕事サボってマリアちゃんと何処でナニしてたんだ?! 今日帰ったら覚えていろよ!! ちゃんと説明しないと婆ちゃんに頼んで今夜のメシ抜くからな!!」

 

 その声を聞いて心配するどころか羨ましく思うマリア。

 

「ああ……ご家族と一緒とは言え、両さまと一つ屋根の下で暮らすなんて羨ましすぎますわ纏さま……クスン」

 

 想い人との嬉しい思い出を抱きながらも、同じ家で暮らす事が出来ない寂しさで涙を零す乙女なマリアであった。男だが。

 

  ★

 

 謎の温室で作業をしていた男がルーティーンの作業後のお茶を啜っていたその時、異空間の迷宮からジャマトたちが帰ってきた。その中にあのジャマトも居た。1人だけ着流し姿の噺家ジャマトである。

 

「帰ってきたかぁ! 良かった……本当に良かった。多くのジャマトが散っていったようだが、お前たちが無事で本当に良かった……」

 

 作業服の男は眼鏡を外し、溢れて来る涙がポタポタ零れている。リーダー格である噺家ジャマトが裾から懐紙を取り出して男の流す涙を拭いた。

 

「ラサビラサキョ△デチャポキョ。ピピファツエファツ。ロトコトオズピキョ△△デデオズビビコエインロアビオズヴァテウツームヴァラサカカロピファツ」

「おお、そうだな……次こそやつらを倒そう! その為にはまた新しい試みが必要だな。お前、何かやりたい事はあるか?」

 

 男の問いに噺家ジャマトは少し考えた。手をパンと叩いて男に尋ねてみる。

 

「ヴァツ△アアーブ、ヴァテウラサオズコトオズピキョオズデテテグクロスカカトキョ△ア」

「おお! そうかそうか、いいぞいいぞ! うんうん……お前は勤勉だなぁ。よし! 後で私の部屋においで。何か良いものを見繕っておこう。おっとその前に」

 

 男は棚にしまっておいた鉢植えに刺す栄養剤らしきアンプルを取り出した。

 

「肥料から新しい栄養剤を作ったんだ。無事に帰ってきたお祝いだ。刺しておこう」

「コエインビビオツテテ△キョロア」

 

 手慣れた手つきでアンプルを開け、専用の注射器で噺家ジャマトに打ち込む。

 

「気分はどうだ?」

「キョキョビラピピ△ア……人間の言葉も、前より滑らかに出てきますね」

「おお――! 良いじゃないか良いじゃないか! 身体も元の肥料の姿になれる筈だ。試してごらん」

「そうですね……こんな感じですか?」

 

 そうすると噺家ジャマトは身体がグネグネと動き人間の姿に変わった。なんとそれは丸井ヤング館、元・寺井の姿だった。

 

「いいねぇ~。研究の成果はバッチリだ。よしよし皆を連れて少し休んできなさい」

「はい。ありがとうございます。また後で伺いますね」

 

 丸井ヤング館の姿をした噺家ジャマトは執事ジャマト・メイドジャマトを連れて別の温室に向かった。

 

「クックック……さぁ、世界は我々のものだ。デザイアグランプリを破壊してやるのだ!」




 筆者です。変攻XVをお送りしました。

 これにて「変攻」編は終了。無事に上がっていれば明日の更新分からはまた新たなお話をお送りします。先出しで軽く触れますと、とある方の感想と一致した内容になります。変攻編のプロットを書いていた頃から漠然と決めていましたが、本文執筆中にある程度固まりましたので是非ご覧頂ければと。ギーツ側のとあるキャラとまだ未登場のこち亀キャラをガッツリ絡ませます。ご期待ください。

 では今回の小ネタを。

・尾形さんの不幸:別に尾形さんが全く無事の世界線も考えられたのですが、せっかくなのでちょっぴり不幸にしました。三面記事って事件のとっかかりだけクローズアップするだけして、実際は全然違う事だったとしても謝罪も詳細も書きませんよねー。文春砲とかも。暗にそれを皮肉ってもいます。

・マリアちゃんと纏ちゃん:筆者の友人が好きな二人を軸に書いたこぼれ話です。難無く筆が進みました。纏ちゃんには今後も胸中穏やかじゃない日々が続きますがどうか幸せになりますように(身勝手)

・アルキメデルさんと噺家ジャマト:ご感想でこの辺りに触れている方がいらっしゃいましたが、想像の域の範疇でしたでしょうか? この辺りの救済ルートはそれなりに考えています。こち亀らしく少々強引にとなりそうなのですが。

 ではここで、今回のサブタイ「変攻」の意味を。
 前回の「珍戦」は単に両さんが参加するからと付けたものでしたが、今回は先ず一徹じーさんと景和の選手交代劇がありましたので「変更」からもじりました。
=攻撃する者が変わる

 次にマリアちゃんの存在ですね。
=変わった人が攻撃する

 後は両さんのインチキフィーバーバックルのフォームチェンジです。
=変な攻撃をする

 次回以降もこういった裏の意味を込めた暴走ぎみの二文字熟語を付けていく予定ですので考察されても面白いかもしれません。

 ではそれとは別の話を。
 筆者も書き手の一人なので、やっぱりUAとか感想とか気になるんですね。それでどうやったら多くの人に読んで頂けるかは考えます。それでその辺りを調べたらまさかこのハーメルンでの投書にこんな感じのが書かれていまして。

・本文3000文字以上
・毎日更新。更新頻度は半日ペースから毎日で。
・前書きと後書きは書き過ぎるな。それより本文を充実させること。キャラの掛け合いなんて書いたらスコップが壊れる。
 
 てな具合です。この「スコップが壊れる」って表現はなかなか気に入りました。
 実際の所前書き後書きの部分以外は何とかクリアしています。単に筆者が先の話を書きたいって気持ちと一致しているだけですが。ですけど、前書きと後書きの部分はどうにも出来ないと言うか、書かないと筆者の心が死にます。以下は理由です。

・楽しい。そして掛け合いにしてから益々キャラへの愛着が湧いてきた。
・後書きにて、本文で書けない作品の深堀りや裏側を伝えたい。それも口語体で。

 という訳です。勿論ご感想にも真摯にお返事させて頂きますが、前もって知って頂きたい事をここに書きたい気持ちが強いのでこれだけは譲れないですね。
 その分自分の時間を削りますが、これも筆者の趣味の部分なので。仕事なら調整しますw
 それらを考えたら「よく壊れねぇなぁ、俺の心のスコップ!w」となりますね。無駄に長く生きてきた経験とかも加味されるのでしょうが、書けば書くほどネタが出てきますので。何れ尽きるとは思いますけど。

 では今回はここまでとします。
 明日も無事に上がっていたら17:30更新です。新展開、是非ともお楽しみ下さい!

この作品をお読みになっている貴方は

  • 男性
  • 女性
  • どちらとも言えない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。