仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「は~? おい両さん説明しろよ!」
ツムリのアナウンスを聞いた晴家ウィンが両津勘吉に食ってかかる。
「ワシだって軽く驚いたわ。先にワシらの話を書いてたら筆者の執筆がヤバい事になっていって止まらなくなっていったらしいぞ」
「それって愛されてるって事かい? なんか妬けちゃうねぇ」
「3日分12000字を越えた辺りでマズいと気付いて大幅カット。構成も今一度整え直したらしい。下手すると4~5日分くらいまだ書けたかもとボヤいてた」
「えーと、この小説の更新ペースが平均だけど1日分で4000字程度だろ? って事は16000字から20000字?!」
「ああ、流石にヤバいだろそれは」
「筆者、どれだけこち亀愛しているんだよ?」
興が乗り過ぎて今日から3日更新分の本文ではギーツキャラが出ません。それでも良ければお楽しみください。
認者K~I:衝動が駆け巡る
「ばっかも――ん!! こんな時間まで何処に行っていた?!」
デザグラ第2回戦を終えて、その日の夕方。
両津はサロンから急ぎ派出所に戻るも、かなりの時間が過ぎていたため大原部長の怒声で出迎えられた。
大原部長。本名:大原大次郎(おおはら だいじろう)
トレードマークは今時珍しい鼻の下のチョビ髭。他の有名キャラでチョビ髭と言えば磯野家の家長くらいだろうか。
千葉県の時空ヶ原という場所に一軒家を構えていて妻と二人暮らし。少し前に一人娘を嫁に出して以後は益々両津を一人前の真人間にしようと口うるさくなった。性格はマジメ一徹で所謂仕事人間。融通の利かない所もあるが正義を愛するいち警察官として日々勤勉に働いている。だがこの人も変人揃いの派出所のメンバーの一人なのか、タガが外れた時は両津もドン引くくらいに滅茶苦茶になる時がある。両津が起こしたトラブルのせいでとばっちりを喰らい、怒りのあまり「両津のバカはどこだ?!」と叫びながら様々な武装をして派出所に現れるのは読者にも有名。※所謂「部長オチ」
こと両津に関しては何かと苦労が絶えない人である。
「纏くんを放って単独行動、揚げ句の果てに全く連絡も無しだったとはな! 何をしていたかちゃんと説明しろ、両津!!」
「ちゃんとパトロールしていましたよー。ほら、昼に通達があった路線バス失踪の事もあったからかなり走りまわっていたんですよ?」
「ほう? 定期連絡も行えないくらいに熱心にか?」
公園前派出所のパトロールルールで厳守しているのは定時連絡。昨今警察官だって事件の被害者に合う例も少なくないし、何かあれば緊急連絡を行うのは当然だ。まぁ両津は時折この定時連絡をサボって大原部長の胃痛を増やしているのだが。
「アハハハハ……部長、少し内密な話があるのですが宜しいですか?」
「……またロクでも無い話なんだろうが、わかった言うだけ言ってみろ」
「ヘヘヘヘヘ。ありがとうございます! 実はアッシ、本庁から極秘の特殊任務を受けてましてね。コードネームはデザグラって言いまして……痛ってててててて!!」
咄嗟に思いついた適当な出まかせを口にする両津。眉間に深いシワを作っている大原部長は即座に両津の耳を全力で引っ張る。その激痛に両津は苦しんだ。
「ふざけるな!! そんな重要任務があればとっくにワシに指示が来ているに決まっているだろうが! 嘘ならもっとちゃんとした嘘をつくんだな! なーにがデザグラだ。デタラメの間違いじゃないのか?」
「くぅ――――……耳が千切れたらどうするんですかぁ!」
「そうなったら余計な雑念が入らなくて仕事に身が入るだろうな。つべこべ言わず、とっとと反省文と報告書を書け! 署にこんな話が届いたらまたワシも頭を下げなきゃならんと言うのに……」
「嫌なら下げなきゃいいじゃないですか……」
「何――?! 全部お前のせいだってわかっているのか?!」
「はいはい、もう反省文でも報告書でも始末書でもさっさと書きますよーだ」
両津は仕方なく書類の作成に着手した。纏は無言でその様子を眺めている。特に気になったのは両津のアゴ先の傷だ。日中別れた時にはそんな傷はついていなかった。その傷は両津のライダースーツが原因だ。アゴ先部分がむき出しのため、そこだけ無防備になるからだ。だが今の纏にはそんな事は想像もつかなかった。
「全く……どこほっつき歩いていたんだよ勘吉?」
「うるせぇ。お前には関係無い!」
「何だと――?! 人を放ったらかしにしておいてその態度は何だ!」
強情を張る両津の態度にカチンと来た纏は両津の首元を一気に掴む。目元に僅かに涙が滲んでいたのを悟られないように堪えたが、両津はそれを見逃さなかった。
「……言えねぇ事だってあるんだ。悪ぃが書類を作らなきゃならん。その手を離せ」
「わかったよ! もう知らない!」
「ケ! あーもーどいつもこいつも……」
険悪な空気になる夕暮れ時の派出所。大原部長は両津の余計な書類作成で今日も本来の業務とは違う余計な事まで増えるのかと考えたらため息が漏れた。そんな沈黙を破ったのは1本の電話だった。麗子が直ぐ電話に出る。
「はい、こちら公園前派出所ですが……あ、署長でしたか? 失礼しました。はい、大原部長ですね? 部長、署長からです」
「! 署長から? わかった、ありがとう。……はい、大原です。如何しましたか?」
署長からの直接の電話と聞いて、こんなに早く両津の件でお咎めを受けるとは思っていなかった大原部長は、背筋に大量の冷や汗をかいた。だが署長からの指示は大原部長も予想していなかったものであった。
「済まない大原くん。至急伝えなければいけない事が起きた。ワシの声が周りに聞こえてしまうだけで問題となる。なるべく皆にこの会話が聞こえないようにしてくれないか?」
「は……はあ。わかりました。すまない麗子くん、署長と大事な話があるので奥に行っているよ。それと、皆は暫く近づかないように。いいな?」
「は、はい。わかりました」
「……何だってんだ?」
「ほら、さっさと書く」
「うるせーなー、やってるよー」
麗子の返事の後でボヤく両津とそれを咎める纏。
そんなやり取りがされているのも知らずに奥の休憩所にて改めて署長との電話を続ける大原部長であった。
「お待たせしました。続きをお願いします」
「気を使わせて済まない。今日本庁から連絡があった。両津の件だ。何故か奴にだけ先行で特殊任務の指示を出したらしい」
「ははは、まさか? 両津にですか?」
「声が大きい! 大原くん、君も両津同様で地声が大きいのだからくれぐれも気を付けたまえ!!」
「は、はい! 失礼しました!!」
「頼むよ……事と次第によっては我々の懲戒免職だってあり得るんだ。出来るだけこの会話も慎重にね。ワシが何を言っても驚かない。固有名詞を言って聞き直しはしない。それが理解できたらこちらから促すからはいと返事。そうでなければ繰り返すからね」
「は……はい、わかりました」
いつもと違う署長の様子に大原部長は息を飲む。
”屯田五目須”。葛飾署の署長で元々の名前は「亀森鶴吉」だったが、姓名判断により苗字まで改名した。今まで何度も両津のしでかす大惨事にも自ら上にかけあって大原部長共々懲戒免職を防いできたかなりのやり手である。普段は家族思いの優しい父だが仕事では両津の件を除けば警察官らしい毅然とした態度で区の住民からの評判も良い。その彼がここまで厳しい態度を取ったのはもしかしたら初めてで無いだろうかと大原部長は考えた。
「これもまだ極秘情報だが、本庁の特殊刑事課の何名かが行方不明らしい」
特殊刑事課とは。数々の難事件を次々解決してきた凄腕刑事たちによって構成された部隊だ。本庁上層部からの信頼も厚い。だが世の中何でも落としどころがあって……この面々、どいつもこいつも個性が強い。簡単に言ってしまうと「変態」の一言に尽きる。
具体例を挙げると先ずはリーダー格の汚野(きたの)たけし刑事。通称:海パン刑事。鍛えられた裸体に競泳用ビキニ水着で股間を隠し、シャツは着ないでそのままネクタイを巻く。そこに拳銃のホルスターベルトを身に付ける。過酷な任務で水着が破れてもネクタイの乱れだけは許さない。たとえ隠すものが無くむき出しとなった股間の男性自身をどれだけ見られようと全く動じないが、乱れたネクタイを見られたら乙女の様な恥ずかしさで死ぬ。
他に、「水上警察隊」と書かれたふんどし一丁にセーラー服の襟とスカーフ、小さなヤシの木のようなヘアスタイルという珍妙な出で立ち(両津曰く「100%の変態おやじ」)で、小型潜水艦に搭乗し数匹のイルカを従えて登場する海野土佐ェ門(うみの どざえもん)、通称:ドルフィン刑事。
更に、月に一度、満月の夜にのみ出動し、旧日本軍の夜間戦闘機「月光」に乗って登場する(雨天の場合は翌月まで待機)聖羅 無々(せいら むん)通称:月光刑事。海パン刑事に負けない程屈強な肉体をしているのだが、よりによってミニスカのセーラー服型レオタードをコスチュームとして着込んでいる。同じくお揃いのコスチュームを着込んだパートナーの聖羅 美茄子(せいら びーなす)こと美茄子刑事とコンビで登場する。
こう言った変態連中なので両津ですら引く。だがそんな両津も特殊刑事課のメンバーからはいたく気に入られており、時折サポートを求められている。引き抜きも何度かあった。全部両津が断ったが。両津曰く「あんな変態どもと一緒にするな!」との事。
説明が長くなり申し訳ない。改めて署長と大原部長の会話に戻ろう。
「え? 彼らが? 本当ですか?!」
「うむ。その件もあって両津に指示を出したそうだ」
「でもなんでそんな事に……」
「詳しくはまだ何も。ただ両津が人並み外れた身体能力と欲深さを兼ね備えてるのが決定打だと言われているらしい」
「それは……否定できないですね」
「そうだろうね。さて本題だが、今後両津には特別措置を取る事となった。奴が”デザグラ”或いは”デザイアグランプリ”と言ったら奴の自由にさせろ。たとえどんな状況であってもだ。いいね」
「?! 申し訳ありません。署長、もう一度お願いします」
「”デザグラ”か”デザイアグランプリ”だ」
「”デザグラ”……まさか?」
「大原くん!」
「し、失礼しました!」
「本当にくれぐれも頼むよ。それと君にもこの件で辞令が出ている」
「わ、私にもですか?」
両津だけではなく、自身にも本庁直々の指示が出ると知り、彼の胸中は大きく動揺していた。
「両津の支援に関わるとしか聞いていないが近々本庁に出向いてもらう事になる。引き受けてくれるね」
「は、はい! 承ります!!」
「しつこくなって申し訳無いが、くれぐれもこの件は内密に頼むよ……私も内心かなり動揺している。何分極秘任務だ」
「ええ……心中お察しいたします」
「長くなり済まない。ではこれで」
署長から電話を切られツーツー音が鳴り続ける。電話機が自動的に回線遮断を行う数十秒の間、様々な感情が胸中を駆け巡りその場から動けなくなった。ようやくマトモに思考できるようになったのは約5分後。重い身体を何とか立ち上がらせ、フラフラになりながら休憩所を後にした。
筆者です。新展開「認者K~I」をお送りしました。
さて、時間は少しだけ進み、第2回デザイアグランプリが終わった直後からです。ギーツ本編には無い筆者独自の展開とさせて頂きます。本編だと12話と13話の間ですね。筆者が勝手に盛り上がってる感は否めませんが少しだけお付き合いして頂ければと思います。しかしまさかの3日分ギーツキャラ無し。これは筆者も誤算でした。気が付けばズンドコ書ける書ける。流石にそれだとクロスオーバー足りえるのかと悩みましたが、その分は前書きに書いておこうかなと。
では今回の小ネタ…いや、こち亀キャラについてですね。
・大原部長・・・前回までの「変攻」の触りだけ出てきましたが、今回はかなり出てきます。ご感想の中に「大原部長、デザグラって言っても理解しなさそう」と言うのがありまして。だとしたらあの堅物の大原部長に理解させる状況ってどうなるのかと考えたらこうなりました。流石に署長からの連絡だったらねw
・屯田署長・・・字面でのキャラ掘り下げは足りない感がありますが、まぁこれくらいで調整しました。ファンの方がもし居ましたら申し訳ありません。
・秋本麗子・・・今日明日の更新分で少し多く書けました。お気に召せば幸いです。
・纏ちゃん・・・最初に言っておく! 擬宝珠纏の出番が多い!(CV芳忠さん)
今日明日分結構書くことができました。今後纏ちゃんは出番が減る事もあるので書けるうちに書いておきたいです。
・特殊刑事課・・・こーゆー形になりましたが何とか書けました。さて、失踪した特殊刑事は果たして誰なのか? そして今後はどうなるのか?
ここで書ききれない分はまた明日分で。では明日も17:30更新ですのでどうかお楽しみください。
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