仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「デザイアグランプリ第三回戦開幕直前! と思っていたら両津様と景和様はデザイアドライバーを奪われてしまいました。果たしてどうなるのか?」
「警官がスリに合うなんて減俸モンだぜ……部長にバレたらマズいな」
「たしかこち亀本編であったよなー。よりによって拳銃奪われるとかそーゆー話」

 晴家ウィンが楽しそうに話題を振った。実際現実でも何件も起きている事件でもあるので結構シャレになっていない。

「ワシの場合、実際何度もあってるから実に笑えん」
「……マジかよ。俺が覚えているのは両さんが居眠りしている間にヒーローに憧れたコスプレおじさんが拳銃奪う話だったなぁ」
「そっちか! ワシが思い出したのはやはり居眠りしている間に近所のガキがモデルガンのパーツとミキシングをしやがってな。あわや純正拳銃とは言えない無残な姿になってしまう話だ」
「なぁ両さん?」
「なんだよ?」
「アンタ、本当に警官?」
「うっさい! それ以上言うとお前のアタマに鉛玉ぶち込むぞ?!」

 大昔のこち亀エピは物騒なものも多く、今現在現実になったケースも多々ある。時代を先取りしていたのだろうか?


罰散II:激しい後悔を抱いて

 集合の連絡が入り、急ぎサロンへと向かう両津と景和。第二回戦突破のためデザグラのシステムにアップデートが入り、IDコアを持つ者は自由にサロンへと来れるようになった。かなり便利になっている。

 サロンに集う一同はツムリ以外浮かない顔をしている。

 

「もしかして皆……?」

「ワシらと同じでドライバーを取られたってワケか?」

 

 英寿とウィンはどうやらジャマトたちと一戦交えてきたらしく、衣服は乱れ怪我もしている。そこにツムリが説明を始めた。

 

「これで参加条件が揃いました。それでは今からデザイアグランプリ第三回戦”チキチキ 椅子取りゲーームっ!”を始めます」

 

 妙にタイトルだけ気合いの入った呼び方をしたツムリに皆少し引き気味になった。引きつつも景和が訊ねる。

 

「椅子取り……ゲーーム?」

 

 某バラエティ番組のタイトルよろしく律儀に伸ばし棒だけ少し長めに発している。その呼び方に思い入れでもあるのか、ツムリは親指をサムズアップして説明を続ける。

 

「椅子は椅子でもライダーの座をかけたゲームです」

 

 空中投影されたモニターには見慣れない形状のジャマトが映し出された。

 

「此処に居る皆さまのドライバーが謎の少女に奪われ一つはジャマトに使われライダーになってしまいました」

「俺とパンクジャックがそいつに襲われた」

「アイツ、前の洋館の時より強くなっていたぜ」

 

 英寿とウィンが苦々しく語る。更にツムリが続ける。

 

「つまり、残るドライバーは5つ。エリア内に潜伏する隠れんぼジャマトを撃破するまでの間にドライバーを手に入れた方が勝ち抜けとなります」

「取り返せなかったら……ライダーの座から脱落?」

 

 祢音が核心を突いた質問をする。ツムリは答えるように続ける。

 

「ジャマトが手に入れるより先にドライバーを取り返さないと勝ち残れる枠はどんどん減っていきます」

「じゃあ、ドライバーは何処を探せば?」

「手がかりはただ一つ。赤い帽子の女の子だ」

 

 景和の問いに英寿が答えた。

 

 超神田寿司。サロンに行っている間に檸檬と纏を待たせていた両津は急ぎ合流して帰宅する。

 

「もー、すっかり待ちくたびれたぞカンキチ!」

「そーだよ。勝手に何処か行っちゃってさ」

「わりぃわりぃ。ちょっと景和とデザグラの話がな」

「……デザグラ?」

「何じゃカンキチ、その”でざぐら”とやらは?」

「あ、やべ!」

 

 既に大原部長から頼まれていた纏はそれ以上聞かずにいこうと思ったが何も知らない檸檬はそうはいかない。苦し紛れに両津は言い訳じみた事を口にする。

 

「えーとだな……デザグラ? そうデザートグランプリの事だよ! 英寿が今度テレビの企画に出るからそれの協力を頼まれちゃってさぁ」

「おお、デザートグランプリとな! なんだか甘くて美味しそうな名前じゃの」

「そーそーそー。甘くて美味しいの。今度檸檬にも試食をしてもらおーかなー。なんてな」

「おおー! 英寿様のお役に立てるなら檸檬、頑張る!!」

「そーかそーか。英寿も喜ぶぞー!」

 

 檸檬を抱きかかえてグルグル回る両津。纏だけはその両津の誤魔化しに乗り切る事が出来ず暗い表情をしていた。

 

「……もしかして景和くんも。いや英寿様も祢音ちゃんも? いったい何なのさデザグラって」

「おう、どした纏? 熱でもあるのか?」

「ひゃい?!」

 

 目前に近付いて来た両津の顔にひたすら驚く纏。驚き過ぎて顔が赤くなってしまった。

 

「どうした纏? 顔が真っ赤だぞ?! やっぱり熱でもあるんじゃねぇのか?」

「な、なんでもないったら! と言うか顔が近い!」

「んだよ、せっかく人が心配してやってんのによ」

 

 心臓が張り裂けそうに高鳴る纏。決して今の気持ちを気付かれないようにと平静を装うもどうにも心が落ち着かない。

 

「あー! ネオンTVから通知じゃ! 生配信をやっておるぞ!!」

「お、マジか? おー、確かに生配信してるなこりゃ」

 

 突然の檸檬の声に両津が反応した。お陰で纏の心中は見透かされずに済んだようだ。

 

 ほんの少し前、サロンの選手用個室にて。ジャマトの襲撃で怪我を負った英寿は応急手当用救急ボックスを使用して顔の傷の消毒を行っていた。そこにウィンが現れる。

 

「ノンビリしてんなぁ……浮世英寿と言えども、ドライバーが無ければジャマトに勝てない」

 

 ため息交じりにウィンが続ける。

 

「お前が勝ち続けられたのは運営のサポートありきだ。あ? 俺たち運営を敵に回したら生き残れないんだよ」

「それはどうかな?」

 

 英寿が応じる。だがウィンは呆れを通り越し笑いながら嘲り出した。

 

「おーおーおー……強がんなよ。何で命掛けてまで運営を探っている?」

「そっちこそ、俺を落とそうとまでして何を隠している?」

 

 立ち上がった英寿にウィンが近付いた。

 

「さあな……」

 

 その言葉に英寿が更にウィンの目前に顔を寄せて宣言した。

 

「攻略してやるよ。俺一人の手で」

「うん。でも何でこんなに近いの?」

 

 ウィンが少しだけ後ずさりした。それもそのはず、英寿の顔はウィンの目の前1センチメートルも無いくらいに近づいたからだ。

 

「あのさぁ? 距離感って大事だろ?」

「そうか?」

「もうこれだからスター様はよ」

「違うな。スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズだ」

「知らねぇよ!」

 

 ウィンが言い放つのもロクに聞かず、英寿は個室を出た。

 

「危ねぇ危ねぇ。一瞬めっちゃドキっとしたわ。あれがデザ神になる時に得た力の一つか。女も男も惚れさせる人ったらしめ……」

 

 あと数秒二人だけの時間を過ごしたら色々危険な方向に進んでいたかもしれないと、ウィンは己の浅はかさをちょっぴり反省した。

 

 超神田寿司の檸檬の部屋。先ほどの通知からいち早くスマホの配信アプリを開き、放送開始を待ちわびている檸檬。纏と両津もそれぞれのスマホで同じく配信を待っていた。程なく配信が開始された。

 

『皆さんこんにちは! 祢音です! ピカリ!』

「おー、祢音ちゃんじゃ♪」

「ホント可愛いよね、祢音ちゃん」

「……お前ら黙って見ていられんのか?」

 

 祢音がモニター越しにいつもの手を動かした挨拶をする。だが表情はいつもの配信に比べて少し強張った顔つきをしていた。

 

『突然だけど皆に聞きたいの!』

「おや? なんじゃろ?」

「何だろうね?」

「まさかアイツ……」

 

 外配信をしていた祢音は手元のノートを開いて、自身が描いた赤い帽子の少女のスケッチ画を映す。

 

『赤い帽子を被った女の子の目撃情報を探しています! 知っている人居たら、コメントくださーい!』

「って……赤い帽子被っている女の子がこの世にどれだけ居ると思ってるんだよ」

 

 両津はすっかり呆れていた。個人の配信番組でもネオンTVはかなりの人気チャンネルだ。ガセネタ込みでどれだけ書きこまれるかわかったもんじゃない。だが檸檬と纏が両津が驚く反応をした。

 

「赤い帽子……? 見たぞ!」

「うん。見た見た。早速書き込むか」

「おい、お前らどういう事だ? 赤い帽子のガキを見たってのか?!」

 

 檸檬と纏に食ってかかる両津のその態度に二人は引き気味だ。

 

「なんじゃカンキチ、藪から棒に……」

「何だよ、アンタも探しているのかい?」

 

 両津は急ぎ檸檬と纏が少女を見かけたという古い神社に向かった。そこにはいち早く訪れていた景和と祢音も居る。

 

「おー! お前らも来ていたか」

「両さん!」

「檸檬ちゃんと纏ちゃんが見かけたって、ここ?」

「ああ。サロンに行っていた間にここで待っていたらしくてな」

「配信のコメントにも続々書きこまれているよ」

 

 祢音がスマホを取り出し、アーカイブ動画となった先ほどの配信のコメントを見せた。景和が読み上げる。

 

「なになに……裏の雑木林で赤い帽子の女の子、か」

「おい! お前ら隠れろ!!」

「ちょっ?」

「何?!」

 

 両津が二人の手を引いて本殿の影に隠れた。両津の目線の先にはジャマトの集団が見える。

 

「ジャマトたち?!」

「ここで間違いないようだね」

「こっそり後をつけようぜ」

 

 ジャマトたちを尾行する三人。先に進むとジャマトの群れの中に赤い帽子の少女の姿が見えた。

 

「ジャ!」

 

 ジャマトの1体が少女の両手に持っていたデザイアドライバーを奪い取る。それを見た景和はいち早く飛び出した。

 

「そのドライバーを返せ!!」

「ジャ?!」

「ジャ!」

「ジャジャ!!」

「あー! 焦るなっての!!」

「こっち! 危ないから逃げて!!」

 

 ジャマトたちを次々突き飛ばす景和。遅れて両津と祢音も飛び出した。祢音は赤い帽子の少女に逃げるよう促す。

 

「だぁあっ!!」

「ジャッ!!」

 

 ドライバーを手にしたジャマトにクリーンヒットを決めて、持っていた2つのドライバーを奪い取る景和。

 

「祢音ちゃん!! 両さん!!」

 

 手にしていたドライバーを少し離れていた祢音と両津に投げ渡す景和。

 

「ナイス景和!」

「よーっし、両さんパス!」

「おっしゃ!!」

「このまま逃げるよ二人とも!」

「「おう!!」」

 

 別の場所に居た道長は何故か頭上に空間投影されている円形の表示を見ていた。枠は5つ。そのうち1つの枠にナーゴのライダーズクレストが灯る。だがもう1つの枠が問題だ。タイクーンとタートルズのクレストが交互に灯る。状況がわからない道長は首を傾げた。

 

「何やってんだアイツら……?」

 

 実際は景和と両津が多数のジャマトたちを混乱させるためにドライバーを投げ渡しながら走っていたのだが、こればかりはその場に居ないとわからないだろう。

 

「俺も早く少女を……」

 

 そう呟いたのも束の間。無数のジャマトが道長の姿を捕捉すると襲い掛かってきた。

 

「クッ!」

「ジャッ!!」

「たぁ!!」

「ジャジャ?!」

 

 振り払いその場を逃げる道長。

 更に別の場所では英寿が同じように多数のジャマトたちに襲われていた。

 

「何処に居るんだい? お嬢ちゃん……」

 

 その頃サロンではギロリがライダーたちの様子をモニタリングしていた。

 

「ドライバーが無ければ只の一般人。ここまでだギーツ」

 




 筆者です。「罰散II」をお送りしました。
 書き溜め分が無くなりましたのでほぼ前日書き溜めという状態ですが述べ2時間も集中すれば4000字前後は書けますのでまだいけそうです(※但し波があります)
 お陰様で前回の更新分を出先でチェックしていたのですが文脈がおかしい所も多々ありまして結構驚いています。やはりブラッシュアップの時間が大切ですね。ちゃんとチェックして何よりでした。

 今回は小ネタと言うより気に入っている所をピックアップしていきましょう。
・ツムリのタイトルコール・・・元ネタはガキ使とアメトーークです。いよいよツムリが壊れだしましたw

・英寿とウィンの距離感・・・天下一の人ったらし英寿様の強調するエピとして書きましたがかなり良いかなと。もう後少しでクチビル接触手前でしたw

・空に浮かんだ円形表示のライダークレスト点滅・・・元ネタがかなり古い作品で申し訳無いのですが、SDガンダムというショートアニメがありまして。恐ろしい事に監督はこち亀や銀魂の高松信司監督です。この作品で陣地の奪い合いをすると次々に色が変わるという表現をしていまして、あまりにハイペースで奪い合いをするためネオン点滅よろしく目まぐるしく変わるという。しかも陣地の形はアバオアクーですw
その時の印象が色濃く残っていたので今回採用しました。これには道長も口を開けてアングリw

 ウマ娘の夏イベガチャは惨敗しましたがFGOは何とかPU1はコンプ決めました。今回の話が上がった直後には予定ではPU3水着妖精騎士たちが出てくるハズです。石の貯蔵は十分なのでこちらもコンプキメたいですね。
 
 では明日分も多分書き上げて居ましたらいつも通り17:30更新ですのでよろしくお願いします!

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