仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「あー、ところでツムリちゃん」
「何でしょう両津様?」
そう言うと両津は上空に浮かぶ円筒形の表示物を指差す。
「あれって何? すっごい目立つし、アレだと一般人にも見えると思うんだけど」
「ご安心ください! アレは我がデザグラ運営が誇る”バカには見えない”もとい”一般人には見えない表示パネル”です」
「今、サラっと結構危な気な事言いかけたね。そうか……”一般人=バカ”か」
「どうぞ忘れてください。そのため、アレは一般人には見えないのでご安心ください。仮に見えていたとしても何の事かまでは気付かれないハズですから」
「そんな事言っていると何の事か追及しようとする奴らが現れるぜ。とある私立探偵コンビとか、車好きの刑事とか」
「そんなレジェンドライダーなんて敵ではありません」
そんな両津の呟きにも介せず、むしろ挑戦的に微笑むツムリであった。
一方その頃、
「ん? 何処かで楽しそうな気配が。ゾクゾクするねぇ」
「風が泣いてやがる……いや、これ寧ろ笑ってねぇか?」
「! 脳細胞が単細胞だと笑われてる気がしてトップギアだ!」
某探偵コンビと某刑事が何かに気付いたらしい。
ジャマトから逃げていた英寿と道長が偶然にも出会う。余裕の笑みを見せた英寿が声をかけた。
「苦戦しているみたいだな」
「お前こそ」
ここにウィンも現れた。
「残った椅子は3つ。果たしてこの3人全員無事で居られるか、それとも……」
そこにジャマトの群れが一斉に襲いかかる。
「「「「ジャジャジャジャー!!」」」」
「うっしゃあ! よいしょお!」
やはり変身出来ず生身のままではポーンジャマト相手とは言え苦戦は避けられない。力では叶わない為、ウィンは直ぐに引き寄せられ首を絞められる。だが相手の隙をついて全力の蹴り上げで何とか撥ね退けた。英寿と道長も元々の戦闘力が高いため変身するよりも負担は大きいが善戦をしていた。ここに景和・祢音・両津が合流した。
「皆、助ける!」
「! 情けなんて要るか!」
景和がドライバーを構え変身しようとするも道長がそれを邪魔した。その態度に景和は眉間にシワを寄せて怒りの声を上げる。
「何でだよ……困った時こそ助け合いだろ?!」
「お人好しが……俺たちがライバルだってわかってんのか?!」
景和の首元をグイと掴み、道長は反論する。ここで祢音が割って入った。
「助け合ったって良くない? 例え脱落しても、生きてさえいればチャンスはあるけど……ジャマトにやられたらお終いなんだよ!」
その言葉に苦々しい顔になった道長は無言で景和を突き飛ばす。それでも景和は引かずに道長に言葉をかけた。
「時には周りを頼ってもいいんじゃないの? 1人で生きていける人間なんて居ないわけだし」
「お前と一緒にするな……」
「もう止せ、景和。祢音ちゃん。今のコイツには何も届かねぇよ」
両津は道長をキッと睨みつけた。道長は両津と一瞬だけ目を合わせるも直ぐに逸らす。
「お前の言う通りかもな」
ここで英寿が笑顔で景和の言葉に乗ってきた。その英寿の態度に景和は驚く。
「え?」
「1人でやれるって信じても、どうにもならない時もある。自分を信じすぎる事が裏目に出る。誰かの支えが無ければ、人は生き残れない」
道長はそれでも苦々しく、景和と祢音は胸に刻む様に英寿の言葉を反芻していく。そこへジャマトライダーが現れた。景和と祢音は急ぎ変身した。
『 SET 』
『 SET 』
「変身!」
「へーんしん!」
『 NINJA 』
『 BEAT 』
タイクーンニンジャフォームとなった景和は変身直後に上空へ高くジャンプをし、緑色の閃光となって縦横無尽に斬りつける。ナーゴビートフォームとなった祢音はビートアックスを振り回し、ジャマトたちを翻弄しかく乱させていく。英寿たちも生身で戦っていく。英寿はジャマトライダーに飛び蹴りを食らわせバックルを奪おうとタックルをするも、いよいよライダーとなったジャマトとは単純な腕力に差があるのかてんで叶わない。
「英寿?! ちくしょうあのバカ、無茶しやがって!!」
英寿が苦戦している所へ辿り着こうと両津は何体かのジャマトを撥ね退けるが、次から次へと現れるジャマトたちが邪魔で足止めを喰らわされた。
この様子をとある洋室でチェックしている人物たちが居た。
1人は日中、英寿が撮影中に現れた髪の長い身なりが整った女。英寿を支援したいと挨拶に来ていた。
1人は椅子に腰かけた蝶ネクタイの男。髪の色は黒で、七三に分けられ緩くセットされている。
そしてもう1人はやはり身なりの整った黒いスーツを着た男。緩いパーマ毛質の金髪を少しだけ伸ばし、ブーメラン型のサングラスをしている。蝶ネクタイの男より幾分か背が高めで体格も良い。日頃からかなり鍛えられているのが衣服の上からでもわかる。
蝶ネクタイの男は右手の人差し指を上に伸ばし、傍らに居る女性に合図をした。女性の手にしたタブレットの画面には「RAISE BUCKLE MENU」と表示され「JET」と言う表示の文字を画面上部にスワイプさせた。ここで蝶ネクタイの男はサングラスの男に質問をした。
「君の用意しているバックルは良いのかい?」
「アレは少々危険なので。それにアレを使うのは今では無さそうです」
「ほほう、かなり余裕だねぇ。それだけ君が選んだあの男を信頼しているという事かい?」
「ええ。まぁ……」
「良いねぇ……それでこそリアル!」
蝶ネクタイの男は嬉しそうに笑うがサングラスの男は無表情のままでモニターを眺めている。
ジャマトライダーに突き飛ばされた英寿は痛みで身動きが取れない。ようやくタイクーンが辿り着きジャマトライダーに攻撃するも以前と違って中途半端な攻撃はダメージを与えられない。動きを抑え込むだけで精一杯だ。
「逃げて!」
景和が叫ぶ。英寿はようやく立ち上がろうとしたが、足にまだダメージが残っているのかフラついている。
だがそこに高速で何かが飛んで来た。ジャマトライダーにぶつかったそれはかなりダメージを与えたらしく、ジャマトライダーを弾き飛ばした。そしてそれは吸い込まれるように英寿の手に握られる。
『 COMMAND TWIN BUCKLE 』
英寿の手に握られたそれから音声が鳴った。
サロンで状況を監視していたツムリが驚愕した。
「何故だ……? あんなアイテムは実装していない!」
英寿を守るべく近づいたタイクーンに英寿が声をかけた。
「タイクーン、お前に頼みがある」
「?」
「10分。いや、5分でいい……お前のドライバーを貸してくれ」
「え?」
突然の英寿からの頼みに困惑するタイクーン。英寿は続けた。
「そうしたら俺の持っているバックル全部くれてやる」
そこへジャマトと対峙していた祢音と両津が叫んだ。
「どうする気?!」
「お前、何考えているんだよ?!」
決意を目に灯した英寿が呟く。
「ジャマトに使われたドライバーを取り返す」
「! ああ……はい!」
その決心を受け取った景和は急ぎ変身を解除し、自身が使っていたドライバーを英寿に手渡した。無言で受け取る英寿は自身のIDコアを差し込む。
『 ENTRY 』
そしてドライバーを腰に宛がうと先ほど入手したコマンドツインバックルを左側のスロットに差し込む。
『 SET 』
右手でフィンガースナップ、所謂指パッチンを鳴らして変身をした。
「変身!」
左手でバックルの側面にあるスイッチを押し込む。
『 GREAT 』
英寿の目前にトーラスリアクターから放出されたエネルギーが文字表示されていく。「RAISING」と書かれたそれはエントリーフォームとなったギーツの周囲を回転し粒子となって再構成されて武装となるのだが……
「! ……顔だけ?!」
これには周りに居た誰もが驚いた。エントリーフォームと様変わりしないバックルは誰も知らないからだ。唯一の変化と言えばささやかながら腹部に武装されたプロテクターと、通常見たことが無い横長のバイザーがヘルメットに装着されたくらいだろうか? だがそう思っていたのも束の間。どこからか剣が現れてギーツの手に握られていた。
『 RAISING SWORD 』
「? このバックルは……ふん! あれ? ふん! 抜けない……」
ギーツはその剣に差し込まれたバックルに気付き取り外そうとするも、ガッチリと差し込まれていて取り外せない。
「こんな武器は初めてだな……先ずは、試し切りだ!」
新しい武器を手にしたギーツは子供のような喜び方で、突進してくるジャマトの群れにその剣を振るった。タートルズが振るう大ハリセンとはまた似て非なる衝撃が剣から発せられた。こちらは言うなれば爆炎と電撃だ。通常の剣の構えから逆手持ちに切り替え縦横無尽に斬りつけるギーツ。この時点でギーツはまだ気付かなかったが、レイジングソードは攻撃していく度に刀身にエネルギーを宿していった。
ギーツが無双している様を見ていた道長は「もうギーツだけでいいんじゃね?」と言わんばかりの態度でその場から遠ざかろうとした。だがそんな道長を止めるものが現れた。晴家ウィンである。
「ドライバーを手に入れる方法ならあるぜ」
「あ?」
2人がそんな会話をしているなんて露も知らず、新しいオモチャを手に入れた子供よろしく無数のジャマトたちを斬っていくギーツ。レイジングソードにエネルギーが充填されきったこのタイミングで、ギーツはレイジングソードに刺さっていたバックルのレバーに気付き軽く引いてみた。
『 FULL CHARGE 』
「お? 抜けた! ……って事は」
音声が鳴ると意外に軽くバックルが取り外せた。取り外せたバックルを空いているドライバーの右スロットに差し込む。
『 TWIN SET 』
音声が鳴ると上下に仰々しい銀色の武装が施された。プロテクターの形状は言うなればメカ。もっと言うならロボ。両肩にはその見た目だけで威力が凄そうな大砲が付いている。腕を軽く動かすだけでモーターの駆動音まで聞こえてくる。
『 TAKE OFF COMPLETE JET & CANNON READY……FIGHT!』
「すげーなこれ!」
これは傍で見ていた景和と両津も更に驚く。
「! カッコいい……!」
「! まんまモビル〇ーツだな!!」
2人の様子を見た祢音が若干引く。
「男の子ってこーゆーの好きだよねー……」
そこへジャマトライダーがゆっくり歩いて近付いて来た。
『 JYA JYA JYA STRIKE!』
ギーツは両肩のトロンキャノンで砲撃をしながら突進した。その砲弾がジャマトに当たると同時にレイジングソードで脇腹を斬りつける。そして振り返り更にトロンキャノンで砲撃する。ジャマトライダーも触手を伸ばし応戦するも出力が格段に飛躍した今のギーツには歯が立たない。
倒れた隙を逃さないギーツは照準を合わせる。
『 LOCK ON! 』
両肩のトロンキャノンに先ほどまでとは比べ物にならないエネルギーが充填されていく。腰部後方のパーツが伸びて地面に突き刺さった。トロンキャノン発射時の衝撃で後方に吹き飛ばされないためのストッパーである。
レバーを引いて一気に発射した。
『 COMMAND TWIN VICTORY 』
「たあ――――――――っ!!」
収束された荷電粒子が大放出されジャマトライダーに叩きこまれた。見事ジャマトライダーは爆散。デザイアドライバーだけが残される。
「破壊力がありすぎだな……」
英寿は呑気に呟いた。
変身解除した英寿は約束通り景和にドライバーと手持ちのバックル全てを手渡した。
「ありがとう。……あれ、これも?」
そのバックルの中には先ほどの戦闘で使われたコマンドツインバックルも含まれている。
「ああ。感謝するのはこっちの方だ」
そう呟くと英寿は先ほどの戦闘でジャマトライダーが残したデザイアドライバーを拾おうと近づこうとした。だが、
「このドライバーは俺のもんだ」
急に現れた道長がそのドライバーを拾う。上空の円形表示にもバッファのクレストが表示された。更にウィンがVサインをして現れる。
「椅子取りゲームってのは早い者勝ちだろ?」
「おめぇら、ズルぃぞ!!」
両津の声を無視しながらウィンと道長は不敵に笑い、対局に英寿の顔は不満で歪んだ。
その頃サロンではギロリが蝶ネクタイの男とビデオ通話をしていた。
「あのアイテムを転送したのはお前か?」
「ゲームマスターがゲームの勝敗に直接介入するのは、ヤラセ以外の何物でもない」
「そんな事実は無い! プレイヤー同士が勝手にやっているだけだ」
苦々しい表情をしているギロリをニヤリと笑った蝶ネクタイの男は両手の人差し指をクルリと向けた。
「本当に?」
「いいから余計な手出しはするな!」
とうとう怒りの色を隠さないギロリは大声で恫喝した。
筆者です。「罰散III」をお送りしました。
書き溜め無しの状態が続いていよいよ誤字も増えてきました。誤字報告ありがとうございます。凹みますがかなり助かっています。そのうちガッツリと書き溜める時間を取るので状況改善出来たら良いな。とは言え下手に時間を取ると今度はブラッシュアップに時間をかけるから一長一短ですがw
さて、今回は両さんの活躍は少なめ。ほぼ本編準拠です。でもその代わりに謎の人物が登場しました。外見の特徴で気付かれた方も多いと思いますが、まだナイショです。ご感想にもあまり書かないで頂けると助かります。書かれても申し訳ありませんがスルーしますw
コマンドツインバックルの詳細確認でピクシブ大百科を見ていたら、やっぱりあったかガンキャノンのパロディイラストがw でも以外と本編では活躍の機会が少なめでしたね。目立つけど特性が向いてなかったようです。
FGOのPU3は辛くも勝利しました。犠牲もありましたが何とか3体コンプ。タイプの違う水着鯖を愛でていこうと思います。バゲ子の最終再臨の破壊力がヤバいです。
では明日も無事書き終えたら17:30更新なのでよろしくお願いします。
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