仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「ちくしょう、ワシもあの手でドライバーかすめ取っておくべきだった……」
「いや、警官がかすめ取るとか考えちゃダメだろ両さん」
前回の道長とウィンの暴挙に後悔する両津。そしてそれにツッコミを入れるウィン。
「お前が言うなよ。しかしお前ら良く冷静で居られたな。ギーツのあの新フォーム見てたらテンション上がるだろ、フツー」
「それなぁ! わかるよ! アレはカッコいいもん!!」
「……実は俺もギーツの新フォーム羨ましかったんだよね。ギーツばっかりズルいなぁと思ってたらコイツが急に声かけてきてさ」
本音が漏れた道長。やはりコマンドツインバックルは男なら誰だって欲しがるものらしい。
「さて、実はしっかり男の子らしい所を持っている道長様ですが」
「別に持ってねーし!」
「なんと今回と次回はお当番回です」
「は? ……何それ、聞いてねぇし」
「でもほら、台本はこれこのように」
今回と次回のテキストをタブレットで見せるツムリ。道長はすっかり驚いている。
「俺ちょっと筆者に文句言ってくる。こーゆーのは打合せしろっていつも言ってんだろうがさぁ!!」
内心嬉しそうに駆け出した道長であった。
※今回と次回は完全オリジナルです。ご容赦ください。
道長はウィンと別れた後、1人でとある場所に足を運んでいた。
あの後でネットの情報を検索していたが、ネオンTVのアーカイブ動画に辿り着く。多数のコメントをチェックしていくも……
――赤い帽子の女の子? そいつならオレの隣で寝ているよ――
――レイヤーの〇〇ちゃんがそういうキャラのコスをしていたよ。新作写真集マジで神!――
――と言う釣り動画でした――
あまり有益な情報は書かれていない。
「昼間からヒマな奴が多いな……」
ため息交じりに呟いたその時見つけたコメントが気になった。
――神田明神の境内。何かの撮影? 赤い帽子の女の子と妙な着ぐるみ数名が居た――
「これか?」
そうして神田明神に向かったのである。
ここまで急ぐ理由は2つ。1つは残ったドライバーである。そしてもう1つはゲーム開始時にツムリが言っていた事が起因していた。
――エリア内に潜伏する隠れんぼジャマトを撃破するまでの間にドライバーを手に入れた方が勝ち抜けとなります――
ここで道長が考えていたのは、残ったドライバーを破壊する。結果として協力者であるウィンも脱落する事になるかもしれないが何分ウィンは運営のライダー。何かしら抜け道は用意してあるだろう。そのまま脱落させる事が出来るなら御の字である。そしてサロンのモニターで見た妙な姿のジャマト。たぶんそれが隠れんぼジャマトだ。もし先に隠れんぼジャマトを撃破すれば現時点でドライバーを持っている道長・景和・祢音だけ勝ち抜けとなる。一気に残り3人のライダーを脱落に追い込めるのだ。
「急がなきゃな……」
JRお茶の水駅の改札を出た道長はマップアプリで神田明神への道のりを調べながら向かった。
その頃、道長よりもいち早く神田明神に辿り着いていた2人が居た。檸檬と電極プラスである。
「すまんのプラス。わざわざ付き合ってもらって」
「いいんですよ。檸檬さんのお役に立てるなら嬉しいです」
「纏も店の手伝いじゃし、カンキチは何処かに出かけたからの。頼りにしておるぞ」
「はい! よろしくお願いします!!」
電極+(プラス)。妙な名前をしているが純日本人の男の子だ。両津と妙な知り合いになった電器会社の社長、電極スパークと言う男の子供の1人である。ちなみに彼は長男で、下に―(マイナス)・P(パルス)というこれまた妙な名前の弟たちが居る。発明家の父の影響でハイテクメカが凝縮されたランドセルを背負っており、スタンガン内蔵の携帯で身を守るという少々物騒な面もある。偶然知り合った檸檬に一目ぼれをして、以後は夏春都にも気に入られ、度々超神田寿司に訪れる間柄になった。ボーイフレンド以上に中々進展しないのが目下の悩みの種だが。
「祢音ちゃんが配信で言っていた赤い帽子の女の子がこの神田明神に居るらしくての。近所なのは幸いじゃった」
「祢音ちゃん……ああ、最近話題の配信者ですね。檸檬さんがお気に入りの」
「うむ! これは少し内緒じゃがの、この間ウチの店に食べにきたのじゃ」
「お会い出来たんですか? それは嬉しかったでしょう!」
「うむうむ! 凄く楽しかったぞ~。景和と言う忍者とも知り合いになったのじゃ。どうやらカンキチが仲良くしているらしいのぉ。なんでもデザグラとか言うたか」
「! ……デザグラ? 檸檬さん、デザグラと聞いたんですか?」
「う、うむ! 確かにカンキチからはそう聞いたが」
プラスは妙な胸騒ぎがした。少し前に父のスパークが電話をしていた時にその言葉を言っていたのを覚えていたからだ。
「檸檬さん、帰りましょう。何かおかしな事に巻き込まれるかもしれません」
「どうしたのじゃプラス? 何か怖い顔をしておるぞ」
プラスが普段しない表情をしているため怖がる檸檬。それも仕方ない。檸檬と出会うまで無表情な顔つきをしていたプラスだが、檸檬と知り合ってからは彼女の前では険が取れた温和な表情をしているからだ。そんな彼が眉間に深いシワを寄せ、額には冷や汗をかいている。神田明神に着いてからプラスは違和感を覚えていた。と言うのも神田明神は有名なスポットだ。日中は常に大勢の人が来ている。それなのに今この場所には自分たち以外の人影が見当たらない。
「仕方ないのう……おや? おお、赤い帽子の女の子が居るではないか」
「ええ。本当に赤い帽子を被っていますね。でも帰りましょう。って、檸檬さん?!」
「少し話をしてくる。プラスは待っておれ」
「だ、ダメですよ、檸檬さ――ん!!」
プラスの静止の言葉も聞かず女の子に向かって走り出した檸檬。プラスも後を追いかけるが運動神経の良い檸檬には追い付かない。
「のう? お主に聞きたい事があるのじゃが!」
赤い帽子の女の子に声をかける檸檬。だが反応が無い。
「聞こえておるか?」
「はぁ……! はぁ……! 檸檬さん、どうかしましたか?」
ようやく追いついたプラスだが、檸檬と少女のやり取りに違和感を覚えた。
「プラス、この子が何も返事してくれぬのじゃ? 外国の人かの?」
「おや? すいません。少しお話よろしいですか? ……エクスキューズミー」
念のため英語でも尋ねるプラス。だが少女は反応が無い。
「ウェイ! これも違うか。チョギヨ。これも違う……」
更に中国語と韓国語も使ってみるが全く反応が無い。だがその時急に少女は振り向いてニタリと笑う。右手を伸ばしたその時、檸檬とプラスの周りに急に無数のジャマトたちが現れた。
「ジャ!」
「ジャジャジャ!」
「テヴォモピピゼララサキョビ。ヴォツピロア?」
1体のジャマトが少女に話しかけていた。
「テンル」
「ロピピビファ……テテリララサ」
少女が初めて声を発した。だがその直後、問いかけていたジャマトが檸檬たちに向き直り襲い掛かってきた。
「なんじゃこいつら?!」
「檸檬さん、危ない!!」
「ジャジャジャジャ?!」
「クキョ、オズキョチャーチャヅ。コキョスオズキョチャーチャ!」
プラスが庇おうとしたその時である。ジャマトの群れが急に騒ぎ出した。
「てぇいや!!」
「ジャジャジャ!」
ジャマト数体が弾き飛ばされる。道長が飛び込んできたのだ。
「てぃ! たあ! はっ!」
「ジャ! ジャ!!」
「クキョ、チャテウビビポススデガ■スジラチャファ。オスオオジュラピラピンファ」
怯んだジャマトたちに睨みつける道長。苦々しげに呟く。
「こんなガキでも容赦無しかよ、ジャマトめ」
「あ、ありがとうございます」
「助かったのじゃ!」
「お前ら、とっとと逃げろ。ここは危ないぞ」
道長は檸檬とプラスに逃げるよう促した。だが……
「す、すいません。足が……」
「すまんのう……怖くて動けぬわ」
「ちっ……仕方ねえか。少し下がれ」
『 SET 』
先ほど手に入れたドライバーを構えた道長。檸檬とプラスになるべく変身の余波が届かないように距離を取る。
瞳を閉じて左手で右腕を払い喉元を掻くように小指と親指を突き出しながら胸をなぞり動かす。左手を掲げて手前に突き出す。一気に目を見開き呟いた。
「……変身」
右手で既に差し込んであるゾンビバックルの鍵状グリップを回しゾンビアームが展開された。
『 ZOMBIE~READY…… FIGHT! 』
「うぉりゃああああああああああ!!」
筆者です。「罰散IV」をお送りしました。
驚いた事に今回執筆分が6000文字に至りましたので前後編の体を取りまして、分割回としました。4000字くらいで収めるつもりだったのが楽しくてズンドコ書き進めてしまいましたw
道長って本編で子供とあまり関わっていないんですよね。なのでオリジナルでも良いからそんな道長を見てみたいなと言う欲求の元で書き上げた今回と次回です。
色々と書きたい事も多いのですが、それはまた明日の更新分で。
ご感想で好きなライダーを問われたのですが、これ考えるだけで数時間経ってしまいそうなので明日への宿題にします。筆頭は間違いなく電王ですが。
では明日も17:30更新です。よろしくお願いします。
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