仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「かましてねーし! あくまでテキスト通りにやっただけだし!」
「でも筆者様と念入りに打合せしたとの情報が。そのため予定と変更になった箇所もあったとか」
「! それはアイツの最初の段階だと面白くなかったから変えさせただけだし!」
動揺する道長。実際ギリギリまで粘ったらしい。
「さて、本編視聴勢の皆さまは御存じの、この後過酷な運命が待ち構えている道長様ですが」
「! ツムリ、流石にそれは言わないで!!」
この辺りはデリケートゾーンらしく道長も弱気になる。
「それはさておき。子供、お好きなんですか?」
「いや……別に好きだよ。やっぱり見守ってくれている存在って大切だから」
若干「夏映画スペシャルイベント~テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER STATION ~」の杢代和人くんの気持ちが混ざる道長。ファンサが素敵なひと時である。
「出演者の皆さまに見事にいじられていますね」
「それはあくまで演じてる杢代くんだからな! 俺じゃねぇし!」
「仮面ライダーをー!」
「ぶっつぶーす! って、やらせんなよ!!」
「さて、それでも本編視聴勢の皆さまは御存じの、この後過酷な運命が待ち構えている道長様ですが」
「天丼?!」
この後過酷な運命が待っている道長へ筆者からのせめてものプレゼントであったらしい。
ギーツがコマンドツインバックルでジャマトを倒すも道長にドライバーを取られて少し経った頃。サロンにはツムリ・ギロリ・ウィンが集っていた。モニターを見て笑顔になるギロリ。
「よくやった、パンクジャック」
「これでギーツの脱落は決定的だな」
ウィンがニヤリと笑うと怪訝そうな顔のツムリが呟いた。
「これで本当に良いのでしょうか……」
「当然だ。勝ちすぎたギーツは、最早目障りな存在でしかない。さぁ、これでゲームが面白くなるぞ」
翌日。サロンにて集うライダーたち。モニターに映る枠に変動があった。枠のうち2つがジャマトのクレストになっていたのである。現状について祢音が問いただす。
「どういうこと?!」
「見ての通り、現在残っていた2つのドライバーはジャマトによって奪われました」
「じゃあ残っているのは……」
「俺たちだけ?」
景和が青い顔で呟く。
「このままでは、浮世英寿様・晴家ウィン様・そして両津勘吉様は脱落となります」
その言葉に苦い顔になるウィン。だが英寿と両津は余裕の笑みを絶やさない。
「要するに、ジャマトからドライバーを奪ってしまえば良いんだろ」
「ま、そういう事だな」
「オタクら余裕だねぇ」
ウィンは二人のやり取りをみて呆れ顔となっていた。
景和は自分のドライバーを英寿に渡そうとしていた。
「もう一度、俺のドライバーを使う? ジャマトからドライバを取り返せば英寿くんも……」
「またギーツに負けても良いのか?」
景和の態度を見かねた道長が割って入ってきた。更にウィンが加わる。
「そーそーデザ神になりたかったら、コイツの事は忘れな」
そして景和の肩を馴れ馴れしく触りながら笑いかけた。
「い~いバックル手に入れたんだし。デザ神候補……くーっ憎いねぇ! ハハハハ……」
祢音が英寿と両津に近づいて尋ねた。
「ホントは何か作戦があったりして?」
「別に」
「ま――ったく考えてねぇなぁ」
「マジ? ……呆れた」
ため息を吐く祢音。
街に大量のジャマトが現れた。急ぎ駆け付ける道長・景和・祢音の3人。
道長と祢音は既に変身しジャマトたちと戦い始めた。景和は英寿から譲ってもらったコマンドツインバックルを手にして躊躇していた。
「俺に英寿や両さんみたいに戦えるのか……でも、やるしかない!」
意を決した景和はドライバーの左スロットにバックルを勢い良く差し込む。
『 SET 』
「……変身!」
『 GREAT READY……FIGHT! 』
「はぁああ……てやぁあああああああああ!!」
変身と共に手にしたレイジングソードでジャマトの群れを斬り伏せるタイクーン。その目前にジャマトライダー2体が現れる。
「ジャマトライダーは……俺がやる!」
突進するタイクーン。ジャマトライダーたちは触手を伸ばして応戦する。初めて扱うレイジングソードの威力を制御し切れないのか戸惑いながらも戦う景和。
その頃、英寿は少し離れた場所で状況を眺めていた。そこにウィンが現れる。
「ジャマトライダー相手に生身で勝てるわけねぇだろ。これで俺たちは脱落。……悪あがきはやめろ」
「お前はそれで良いのか?」
「まぁ元々お前を落とすためにエントリーしただけだからな。デザイアカードには何の願いも書いてねぇし」
晴家ウィンのデザイアカードには「希望なし」としか書かれておらず、運営もそれを受理している。
「脱落しても、記憶を戻してもらうようゲームマスターと話がついてる」
「何から何まで計算通りってわけか」
英寿とウィンが話し込んでいる間、景和はジャマトライダーと戦い続けていた。だがジャマトライダーが発した言葉が景和を激しく動揺させる。
「ワタシハ……カタナキャナラナインダ……」
「え? それって……ぐはぁ!!」
景和は前回のデザイアグランプリでジャマトに倒され退場した仮面ライダーギンペン、平 孝人(たいら たかひと)の事を思い出した。景和は彼が散り際に呟いた言葉をずっと覚えている。何分目前で見た最初の退場者で、しかも景和が面接をした会社の面接担当官だったからだ。だが気を取られた隙を見てジャマトライダーの触手に突き飛ばされる。何とか態勢を整え直すも聞こえてきた呟きのせいで冷静さを欠いてしまっている。
「……気のせい、だよな?」
「てやぁ!」
その直ぐ先でバッファはジャマトの群れと戦っていた。そこへ赤い帽子の女の子が現れる。
「! アイツは!」
気付いた途端、少女の周りに赤い胞子らしきものが集まり、人型に形成される。そして少女を取り込み形作られたそれはサロンのモニターで見た見慣れない形のジャマト。隠れんぼジャマトだった。
「現れたなジャマト、こいつを倒せば……!」
隠れんぼジャマトことビショップジャマトに突進するバッファ。だが赤い胞子を圧をかけて一気に放出し一種のバリアにされるために近づけない。目くらましにもされたためにバッファの視界は著しく悪くなる。ようやく視界が広がり出した時に目前のジャマトは2体になっていた。
「速攻で終わらせる……」
『 REVOLVE ON ZOMBIE……STRIKE! 』
ドライバーを半回転させて、ゾンビバックルの武装を下半身に装着しなおしたバッファ。回し蹴りを行いバーサークローから生じる衝撃波をジャマトたちに向けて飛ばす。衝撃波が当たると同時に爆炎が巻き上がり2体のジャマトは吹き飛ばされた。だが……
「誰に攻撃してんだよ!」
「何をしてるの?!」
二人が倒れているのを見て動揺するバッファ。攻撃を受けたのはタイクーンとナーゴだった。
「! ……幻覚を見せられていたのか? ……?!」
いつの間にか別方向に居たビショップジャマトは圧のかかった胞子を飛ばしてきた。バッファ・タイクーン・ナーゴは直撃を喰らう。強制変身解除させられた3人。倒れている間にビショップジャマトはどこかに消えていた。
その頃ジャマーガーデンにて。作業服の男がまた新たなジャマトの育成に成功し喜んでいた。
「ハハハハハ! これからは私の右腕になってもらうぞ」
「キミト……イッショニシナイデモライタイ」
「! ハーハッハッハッハ!! 口が達者になってきたなぁ~今日からお前は……ふむ、ルークだ!」
「ルーク……?」
英寿とウィンの話は続いていた。
「なぁ、最後に教えてくれないか? なぜナーゴが途中からエントリーされたのか。なぜ俺の所に突然スーパーアイテムが与えられたのか。どうせ脱落したら俺の記憶は消される。だから……」
「わーかったよぉ。実はな……って教えると思ったかぁ? キツネには化かされねぇよ……チュッ♪」
手で狐の形にして小馬鹿にした態度でその場を後にするウィン。そしてそれを遠巻きに見て撮影している者が居た。両津勘吉である。
「ヒヒヒ……英寿を追っていたら面白いものが見られたぜ。儲け儲け♪」
念のため撮影した動画チェックをしておく両津。画質と音質に問題は無いみたいだ。
「とは言え、運営と交渉する材料にしてはまだ足りないか? となると……」
そしてサロンではジャマト戦で傷ついた3人が身体を休めていた。自らで応急処置を終えた道長は再戦のためにサロンを出ようとするも、その態度を心配した景和に止められる。
「無理しないで、もう少しサロンで休んだら?!」
「ギーツに勝てるチャンスだ! 休んでなんていられるか!!」
「! 道長さん!!」
止められた事にさえ苛立ちをもった道長は反論し静止の声も聞かずにサロンを後にする。
ソファに座っていた祢音はバックルを手に取り弱気な声で呟いた。
「あのさぁ……私たちだけで世界、守れるのかな? 英寿が居なくても、ラスボスに太刀打ちできるのかな?」
「どうかな……」
その言葉に返事をする景和も弱気になっている。祢音は続けた。
「前回のラスボスに私、手も足も出なかったし……こんな所で苦戦しているようじゃ……!」
「それは仕方ないよ! 俺たちはたまたま選ばれた一般人なわけだし」
「たまたまじゃない! ……少なくとも私は」
「どういう意味?」
「実は今、調べてもらっているんだけど」
祢音は先日、自身のSPをしているベンとジョンに相談した時の事を思い返した。
☆
「ベンとジョンはさ……私とお父様、どっちの味方?」
「どうしたんですか急に?」
黒人種特有の肌をした青年ベンは真剣な顔をした祢音を心配しながら返事をした。
「答えて!」
「……お嬢様です!」
隣に居た白人種特有の肌をした青年ジョンがベンの気持ちも一緒に込めて返事をする。
「だったら……私の一生のお願い、聞いてくれる?」
☆
「私が途中でエントリーしたのは、何か裏がありそうなの」
「そう……なんだ」
その言葉にただ頷くしかできない景和。ここで景和は自身ももしかしてと疑問を僅かながら抱く事になる。
サロンの廊下。ウィンはスパイダーフォンでギロリと連絡をしていた。
「俺の役目はもう終わりだ。脱落したらウチにIDコアを届けてくれよな」
「何の事だ?」
「? そういう約束だろ?」
「それはお前がデザ神になったら、の話だ」
「……は? おい話が違ぇぞ?」
「ベラベラと場所も構わず喋るからだ。両津勘吉にバレたぞ」
「なんだと?」
ギロリは端末を操作してウィンが英寿と喋っている時の動画を見せた。
「アイツめ、私を脅してきたよ。”ゲームマスターがライダーを操作してゲームバランス変えるってのはルール違反なんじゃないか?”だとさ。自身の危険も顧みず良く言うものだ」
「あんのやろう……! 盗撮してやがってたのか?!」
顔面蒼白になったウィンは自身の甘さと両津の抜け目の無さ両方を呪った。
「それでアンタは何て答えたんだ?」
「あの男を私は好かないからな。勿論シラを切ったさ。だが更にしつこく交渉してきてな。”自身のドライバーを用意してくれるならチャラにする”だと。ふざけた男だ!」
苛立ちを隠せないギロリは吐き捨てるように言い放つ。だが弱みを握られた以上、ウィンをこのまま囲っているわけにもいかない。トカゲのしっぽ切り。派遣契約解消。体の良い弱点潰しである。
「私が繋がっている事がバレたらペナルティだ」
ギロリは覆面を取って不敵に笑った。
「記憶を消されたくなかったら世界平和に貢献してみせろ」
「は? おい! ちょ……」
急ぎサロンのロビーに戻るウィン。そこに居たツムリに怒声交じりの声掛けをする。
「直ぐに俺を移送しろ!」
「どうかされたんですか?」
「ゲームマスターに裏切られた!」
「え?」
「このまま脱落するわけにはいかなくなった……ドライバーを手に入れねぇと!」
ツムリによって転送されたウィンは街を襲撃しているジャマトライダー2体の目前に居た。
「そのドライバーを寄こせぇ!!」
突進するウィン。だがどれだけの実力があってもジャマト相手では生身の人間では苦戦する。ましてや相手は変身することでパワーアップされたジャマトライダーが2体。どれだけ攻撃しても少しもダメージを与えられないし。軽く掴まれただけで何メートルも先に投げ飛ばされる。
「ぐはぁ! ……こんな筈じゃ」
「ぬぁあああ!」
「でぇいいやぁああ!!」
倒れているウィンを守るべく英寿と両津それぞれがジャマトライダーたちの動きを抑え込んだ。だがやはりパワーでは敵わないためにウィンと同じく放り投げられる。
「英寿……両さん……なんで?」
「二人とも、来い!」
「ああ、逃げるっきゃないなぁ!!」
英寿に促される形で3人は逃走する事になった。
筆者です。「罰散VI」をお送りしました。
前書き部分、本来は別の事を書こうとしてましたが、記述ある通りに「夏映画スペシャルイベント~テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER STATION ~」の動画を見ていたら楽しくなってしまいました。杢代くん、まだ若いんですよね。笑顔がとても素敵ですのでまだ見ていない方が居ましたら是非ご視聴ください。
さて本編14話:謀略V怒りのグレアを土台としてお送りしている罰散ですが、変攻の時と同様に両さんを交えたらという構成を主としています。これも有難い事にギーツ本編のシナリオと両さんの親和性が高いという奇跡のような組み合わせですね。両さん何処にでもしゃしゃり出てきそうだしw
本編視聴勢ならそろそろお気付きですがいよいよ次かその次ではあのメインキャラが〇〇します。そこへ果たして両さんがどう関わっていくのかご期待してお待ちください。今だから言える、そこを主軸として先に考えたからこその罰散でした。
では明日も無事に書き終えましたら17:30更新です。お楽しみに!
この作品をお読みになっている貴方は
-
男性
-
女性
-
どちらとも言えない