仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「デザイアグランプリ最終戦! いよいよ英寿様と両津様が本格復帰! 果たして2人は無事にジャマトから街を救えるのでしょうか? それはさておき」
「さておき?」
「明日は何の日でしょう、両津様?」
「決まってる! 仮面ライダーギーツテレビ放送の最終回じゃねぇか!」

 ツムリの問いに即答した両津。

「流石両津様! 正解です!!」
「あたぼうよ! ワシの居ない世界線の英寿たちだが、その最後はしっかり見届けなきゃな!」
「檸檬もしっかり見るぞ!」
「おう! じゃあ明日は一緒にリアタイするか!!」
「うむ! 景和と道長も良くあそこまで成長したもんじゃ! せっかくだから応援用のウチワも用意したぞ!!」

 檸檬が用意したのはアイドルのイベントとかで振っている応援用のうちわだ。金銀色とりどりのカラーテープなどでデコレーションされていて景和と道長の名前が書かれている。

「ほえー、こりゃ丁寧に作ったもんだなぁ。檸檬が作ったのか?」
「うむ! 本田に教えてもらったのじゃ」
「アイツ……幼児に要らん事吹き込むなよ」
「そんな事は無いぞ。ほれ、カンキチのも作った」

 両津応援用のうちわも手にした檸檬。先ほどの景和用・道長用に比べて更に手が込んだ細かい作りをしている。

「おお、ありがとうな! これも檸檬が?」
「ううん。これは纏が作った」
「あ? ワシ、テレビ本編には出ないぞ? なんでわざわざ」

 両津勘吉。とことん女心にニブい男である。


罰散XIII:激しい後悔を抱いて

 サロンを出てブーストライカーに乗ってジャマーエリアを散策する英寿と両津。どうやらジャマーエリアは英寿が撮影していたスタジオがある南麻布辺りから神田明神辺りまで展開されているらしい。円形状に広がるジャマーエリアの特徴を考えていくと、西は渋谷駅近くまで、東は浜松町駅程度までに渡っていると予測出来た。

 

「どうだ?」

「高いビルは軒並み潰されているな。こりゃ酷ぇや……」

 

 後部シートから降りた両津は双眼鏡で周囲を見渡す。視界がかなり広く見えると言う事はもはや高層ビルが洋館ジャマトによって壊されているという証であるからだ。

 

「あのデカブツ、高層建築に恨みでも持ってるんじゃねぇか?」

「もしかしたらそうかもな……」

 

 ジャマトに人間の意思、それもライダー変身者のものが関わっていると言う事は両津だけでなく英寿はとうに知っている。

 

「でも東京タワーだけは無事なんだよなー。よっぽど大好きなんだろうな、アイツ」

「どれどれ? お、本当だ。久しぶりだな……あんなに綺麗に東京タワーを拝めるのは」

「久しぶりって……どんだけ長生きなんだよお前?」

「ざっと2千歳かな?」

「妖怪か?!」

「まぁ狐だからな」

「へいへい、冗談は榊原良子さんっと……」

 

 英寿の軽口を流しながら周囲の観察を続ける両津。ジャマトの姿もチラホラ見かけるが頻度はそこまででは無い。動いている人間は見えない。どこか建物に隠れて避難しているか、あるいは先ほど見かけたように既に襲われもう二度と動けない状態になったかだろう。

 

「まるでパニック映画だな」

「映画の方がマシさ。だがこっちは現実だ……」

「そうだな……」

 

 2人が先ほど見かけた”もう動かない人間”はまだ小さな子供だった。その小さな子の姿が檸檬と重なった両津は胸が締め付けられる痛みを感じた。

 

「さて、どうする? 一応防衛戦なんだろ、これ?」

「に、しては……様子がおかしい。ミッションの表示は見たか?」

「いや、良くは見てないな」

「制限時間の表示がおかしい。防衛戦なら時間に限りがあるだろ?」

「いや、普通はそうだろ。あ! なんだこりゃ?!」

 

 両津は表示を見て驚いた。制限時間の項目が「∞」無限・限界無しのマークで表示されてカウントダウンもされていない。

 

「ルールが勝手に変えられている?」

「恐らくギロリだな。どれだけ俺たちを追い詰めたいんだか」

「懲りないねぇ、アイツも」

「だがな、こいつはアイツからの挑戦でもある」

 

 そう言うと英寿はスパイダーフォンの画面をスワイプしてミッション達成条件を見せる。

 

 ・制限時間内にジャマトからの攻撃を防ぎきる

 ・ジャマーエリア内の全てのジャマトを倒しきる<New>

 ・洋館ジャマトを倒す<New>

 ※どれか1つでも達成出来ればゲーム終了となる

 

「”やれるものならやってみろ”……だとさ」

「言ってくれるじゃねえか!」

「全てのジャマトを倒すってのは現実的じゃないよな。どうせ倒してもアレから次々沸いてくるだろうし」

「まぁそうなると、アレを叩くしかないよな。見てみろ英寿、よりによってあんな所にいやがるぜ」

「へぇ……これはもうハイライトだな」

 

 フィンガースナップをする英寿が指差した先は六本木ヒルズの一角、テレビ朝日の社屋の上だ。

 

「無事だと良いな、テレ朝屋上の稲荷神社」

「人間の心配より稲荷神社の心配かよ」

「そりゃあ狐だからな」

「へいへい。おら、あくしろよ!」

 

 両津に急かされた訳では無いがテレビ朝日まで急ぐ英寿たち。最早信号も動いていないし、そもそも動く自動車も無いためにわりかし早く目的地であるテレビ朝日の近くまで来れた。だが近づけば近づくほどジャマトの数が増えてきた。都営大江戸線麻布十番駅からテレビ朝日の前まではまるでイベントでも行われているかの様にジャマトたちがどんどん密集している。ちなみに左手に見えるヒルズゲートタワーやけやき坂レジデンスは見事に壊されていた。

 

「こりゃあ倒しながら進むのは手間だぞ」

「でもやるしかないさ。アンタはやらないのか?」

「誰に言ってるんだコンチクショウ! やるに決まってんだろ!!」

「だよな。それじゃあ行くか!」

 

『『 SET 』』

 

 2人はブーストライカーに跨りながらそれぞれバックルを差し込む。英寿は右手を突き出してフィンガースナップを、両津は右手を左上に上げて大きく円を描くように回して一気に腰に引き同時に左手を右上に突き上げる。

 

「「変身!!」」

『 BOOST 』

『 BIG WIND FAN』

『『 READY……FIGHT!! 』』

 

 2人が同時変身をし終えるとギーツは一気にブーストライカーを走らせた。気付いたジャマトたちが次々襲ってくるがブーストライカーの体当たりでぶっ飛ばす。

 

「ちくしょう、やっぱり数が多いなぁ!!」

「そうだな。じゃあ両さん、ちょっと行ってきてくれ」

「あん? うぉっとお?!!」

 

 ギーツは急ブレーキをかけてドリフトをする。遠心力でタートルズが吹き飛ばされた。

 

「てんめぇ、英寿ぅうううううう!! だあああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 タートルズがその勢いで一気に飛ばされた。砲弾のようになったタートルズはジャマトたちに次々当たってぶっ飛ばしていく。その勢いも収まり最後のジャマトに当たった辺りでタートルズはその場に倒れ込み完全に気絶していた。

 

「へぇ……思ったより倒せたなぁ」

 

 まるでボーリングを楽しんでいたかのように呑気な声で喜ぶギーツ。だがそれでも全てのジャマトを倒せたわけじゃない。ブーストライカーはギーツが降りると変形してギーツモードと呼ばれる機械の狐に変形した。

 

「コンちゃん、ちょっと両さんを見ていてくれ」

「コーン!!」

 

 英寿の指示で大きくひとっ飛びしたブーストライカーギーツモードは倒れて気絶しているタートルズの傍に駆け寄る。あまり表情を感じない筈のブーストライカーだが、心なしか倒れている両津を心配しているように見えた。

 

「キューン……」

 

 タートルズの安全は暫く問題無いと判断したギーツはジャマトの群れに飛び込む。

 

「てぁ!!」

「ジャ!」

「てぇい!!」

「ジャジャ!!」

 

 ブーストフォームとなっているギーツは拳を振るうだけで爆炎が巻き上がる。炎の鉄拳を次々叩きこみながら多数のジャマトと応戦した。急ぎドライバーを半回転する。

 

『 REVOLVE ON 』

 

 ブーストフォームのプロテクターが下半身に武装されたギーツは蹴り技主体の戦い方へシフトする。爆炎が巻き起こる蹴りを何度もジャマト達に繰り出した。水平蹴り、払い蹴り、かかと落し。蹴り技のお手本のようなコンボを浴びせるとマグナムバックルを手にしてドライバーの右スロットに差し込む。

 

『 SET DUAL ON GET READY FOR BOOST & MAGNUM 』

 

 上半身が白、下半身が赤いプロテクターで覆われるマグナムブーストフォームとなったギーツは、その手に握られたマグナムシューター40Xを構える。

 

「よっと!」

「ジャ!」

「そこか!」

「…ジャッ!」

「そっちもだな!」

「ジャ……ジ」

 

 反応があるジャマトたちを次々と撃ち抜く。前方・右・左。更に後方も。まるでどの方向にも目があるような正確性だ。

 そして銃筒上部のパーツを展開してライフルモードに変形させた。

 

『 RIFLE READY……FIGHT!! 』

「ふん!」

「ジャッ?!」

「はっ!」

「ジャジャジャ!!」

『 MAGNUM 』

 

 ライフルモードで更に距離のあるジャマトも撃ち抜くギーツ。マグナムバックルを銃体下部に差し込みタクティカルブラストを行う。

 

『 MAGNUM TACTICAL BLAST 』

「てぇあぁ!!」

「「「「「ジャジャジャジャジャ?!」」」」」

 

 数十体のジャマトたちがタクティカルブラストの膨大な火力で木端微塵に吹き飛ぶ。続けざまゾンビバックルを構えるギーツ。

 

『 SET DUAL ON ZOMBIE~ & BOOST READY……FIGHT! 』

「てぇりゃあ!!」

 

 ゾンビフォームとなり右手に構えられた爪で次々と斬りつける。ブーストバックルで機動力が増す為に高速で動き回るギーツはかすり傷でも後に毒が回る爪で無数のジャマトたちの動きを鈍くさせていく。視界に居るジャマトたちの動きがみるみる鈍くなるのを見計らって両側に刺さっていたバックルを引き抜き、左側にコマンドジェットバックルを差し込んだ。

 

『 COMMAND TWIN BUCKLE SET GREAT READY……FIGHT!』

 

 手にしたレイジングソードで次々斬りつけていくギーツ。ソードに差し込まれているコマンドキャノンバックルへのチャージを確実に溜めていた。

 

 その頃サロンでは祢音がギロリにある事を告げていた。

 

「私の父が、デザイアグランプリのスポンサーだと知りました」

「貴方たちはいったい……何を隠しているんですか?!」

 

 景和も疑問をぶつける。

 

「ゲームマスター、これ以上はもう……」

「黙れ」

 

 ツムリが怪訝そうな顔でギロリに声をかけるも、ギロリは冷淡な態度で一蹴しその場を離れた。

 

「どう思う景和……?」

「あんな態度取る人を信用できるほどお人好しじゃないよ、俺は……」

 

 暗い表情となった2人はモニターに映る戦っているギーツを見守る事にした。

 

 同じ頃、やはり戦っているギーツを見守るものたちが居た。

 洋室にてモニターを真剣に見つめるものが2人。

 1人は椅子に腰かけた蝶ネクタイの男。髪の色は黒で、七三に分けられ緩くセットされている。

 そしてもう1人はやはり身なりの整った黒いスーツを着た男。緩いパーマ毛質の金髪を少しだけ伸ばし、ブーメラン型のサングラスをしている。

 以前にも同じ部屋でデザイアグランプリを観戦していた2人である。

 

「流石ギーツ! でも君が推しているあのタートルズもなかなかじゃないか。まさか2人して復帰してくるなんてねぇ」

「ええ。あの人は必ず戻ってこれると思いました。悪運の強さは凄まじいんですよ」




 筆者です。「罰散XIII」をお送りしました。
 ライダーブレイクならずの両さんブレイク。こち亀読者にはおなじみですね。あれで死なないから凄いw ほぼ本編順守の今回ですが、この部分は筆者が楽しませて頂きました。

 あと少しだけブーストライカーことコンちゃんに個性を持たせてみました。一応女の子です。たぶん。

 いよいよ明日はギーツ最終回ですね。筆者も楽しみです。

 明日に備えて今日は短めですがこの辺で。明日も17:30更新ですのでよろしくお願いします。

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