仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「やれやれ……ギロリにはすっかり嫌われたもんだ」
「英寿が嫌われなきゃワシもこんなとばっちり喰らわなかったもんだがな」
「いえ、お二人ともしっかり嫌われていますのでご安心を」
これまたツムリが残酷な現実を告げる。
「だいたいなんでワシが嫌われなきゃならないんだよ?」
「それに関しては今回のテキストにありますね」
「ふーん。ちょっと見せてくれ姉さん」
「姉さんじゃありませんけどね。はいどうぞ」
ツムリから受け取った今回分のテキストを読んだ英寿の顔から表情が消えた。
「両さん、これって……」
「おーおー、ギロリにはバレちゃってたかぁ」
「まぁギロリが怒るのも無理は無いと思います。私もアレは無いと思いました」
詳細は今後の展開をお待ち頂きたい。
思縁N~I:だからこそ彼が居る
「デザイアグランプリ最終戦、戦艦ゲーム。ラスボスの襲撃によって世界に危機が訪れる中、脱落した筈のギーツとタートルズがまさかの参戦。ラスボスを討伐し、世界は救われました。しかし、デザイアグランプリはまだ終わっていなかったのです……」
サロンにて、ツムリがタブレットに向かってこれまでの顛末を喋っていた。その直ぐ近くでは景和がゲームマスターのギロリに質問をしている。
「あの、デザ神決定戦って何をする気ですか……?」
「狐と亀を狩ってもらう」
「「狐と亀を狩る?」」
傍に居た祢音もギロリの返事に景和と同じ反応をする。
「猟犬たちが追い詰めた狐と亀を狩る。優雅で華麗な紳士のゲームだ」
その頃ギーツとタートルズたちは運営が手配した2体のライダーたちから攻撃を受けていた。運営ライダーたちは通常のデザグラライダーたちと異なり、動物等の生き物を模したヘルメットは装着していなく、赤い複眼で眉間に2本の触覚を生やした黒いヘルメットをしていた。一見往年の仮面ライダー1号のマスクにも似ている。それぞれの手にはアームドアローとアームドドリルが握られている。
再びサロン。ギロリの言葉を聞いて青ざめた祢音は今聞いた言葉を信じられずにいた。
「狐と、亀って……」
ツムリがギロリに問いただす。
「ゲームマスター! それはルール違反では」
「デザ神決定戦は、ギーツとタートルズたちの討伐だ」
非情な決定を言いつけるギロリ。祢音と景和は息をゴクリと飲んだ。
「狩りのルールは簡単だ。猟犬たちに炙り出される狐と亀、ギーツとタートルズを倒す。奴らを倒したものが勝利者……デザ神となる」
既にギロリの指示した場所でギーツとタートルズが現れるのをそれぞれ待つ祢音と景和。ギロリの言葉が腑に落ちない景和は弱気に呟いた。
「ギーツとタートルズを倒すなんて……そんなの出来るわけない」
「出来るさ、君なら」
景和の後ろにはギロリが居る。
「出来ないよ! そもそもデザグラって、世界を救うゲームでしょ? なんでライダー同士で戦わなきゃならないんだよ……」
「理想の世界を叶えるためだ!」
景和の問いにギロリが答えた。
「退場した全ての人たちが蘇った世界……君の願いは実に素晴らしい」
そしてギロリの手にはジェットバックルが握られている。
「これを使ってギーツとタートルズを倒すんだ。世界平和の為に、君の願いを叶えて欲しい」
運営ライダーの攻撃を受けていたギーツとタートルズ。ギーツはタートルズに提案する。
「なぁ。さっきの両さんの知り合いを呼び出すバックルでもう何人か呼び出せないか?」
「バカ言え! あんな危ねぇバックル、しょっちゅうしょっちゅう使えるか!!」
「だよな……」
「なぁ英寿……あの黒いライダーたちも中身は人間なんだよな」
「……だろうな」
英寿の返事で本気になりきれない両津。相手はジャマトと違って同じ人間なのだ。ただ闇雲に倒せば良いと言う訳ではない。だがそう考えていたその時、急に攻撃が止まった事に気が付いた。運営ライダーたちが引くと入れ替わりで祢音がやってきた。
「英寿……両さん……」
「狩人のお出ましか」
「バカ、祢音ちゃんがそんな事するわけ……お、おい!」
両津が全てを言い切らないうちにより祢音に近づき変身解除する英寿。
「俺を、俺たちを倒した奴がデザ神になる。これはそういうゲームなんだろう? と、言う事は……両さん含めてお前ら全員倒せば俺がデザ神って事だ」
「テメェ……ワシも混ぜやがったな」
同じく変身解除をした両津は呆れつつも英寿を睨む。
涙目になっている祢音は英寿に問いかける。
「私たち、戦わなければならないの?」
「お前はどうしたいんだ?」
「私は……?!」
「!」
「ウィンか?!」
そこへ唐突にパンクジャックが現れた。問答も無く唸り声を上げて英寿と両津に殴り掛かる。
「うぁ! うぇあ!」
「止せ! ウィン!!」
「パンクジャック!!」
パンクジャックは虚ろ気な声で反応する。
「ギーツ……タートルズ……」
「あの時のままか……」
ギロリに操られたままの様子で、ただ攻撃を繰り返すパンクジャック。ためらいつつも英寿はマグナムバックルを自らのドライバーに差し込んだ。
『 SET MAGNUM 』
「悪いがここで負けるわけにはいかないんだ!」
『 READY……FIGHT! 』
「畜生! どいつもこいつもふざけやがって!!」
『 SET BIG WIND FAN READY……FIGHT! 』
景和とギロリはまだ問答を続けている。
「君が戦えなくても、ギーツとタートルズは君たちを倒すつもりだ……迷う気持ちは良くわかる。でもこれを見てくれ」
「これは……」
「浮世英寿と両津勘吉の願いだ」
ギロリが見せたのは2人のデザイアカードだった。
「こんな下らない願いに、君の素晴らしい理想が邪魔されるなんて事はあってはならない……そう思わないか? ……私には我慢ならない!」
「…………」
「浮世英寿もそうだが、両津勘吉! こいつの願いはどこまでもふざけている!!」
ギロリのコメカミに青筋が浮かび上がる。
「我々運営まで欺いて、なんて願いをするんだ!」
怒りが頂点に達したらしくギロリは2人のデザイアカードを思いきり踏みつける。少しだけ冷静さを取り戻したギロリは景和に振り返り、改めてジェットバックルを見せる。
「必要になったら言ってくれ。私は君の味方だ」
立ち去るギロリの背中を見つめながら景和は弱気に呟いた。
「俺は……」
そして祢音は戦い続けるギーツたちを見つめて、やはり弱気に呟く。
「私たち……本当に戦うしかないの?」
まるで2人の言葉に応えるように英寿は叫ぶ。英寿はマグナムシューター40Xの銃筒を展開しライフルモードへ切り替えた。
「戦うしか!」
『 RIFLE 』
「俺の理想の世界を叶えるまでは……終われない!!」
『 MAGNUM 』
マグナムバックルをドライバーから抜いてライフルに差し込む。銃身に膨大なエネルギーが蓄積されて渾身の一撃を放とうとするもウィンとの事がフラッシュバックしていく。
――お前にだって叶えたい理想の世界が無いわけじゃ無いだろ?――
――言ってくれるじゃねぇか――
パンクジャックに引き金を引く事を躊躇うギーツ。そして微かにパンクジャックからかすれ声が聞こえた。
「英……寿……両……さん……逃……逃げ……ろ……」
「!」
だがパンクジャックは突進してきた。英寿は震える指先でライフルの引き金を引こうとした。タートルズはギーツに叫んだ。
「止せ――! 英寿ぅ――!!」
「うぁああああああああああああ!!」
「英寿?! きゃぁあああああああああああ!!」
唸り声を上げたギーツに反応するかのように叫んだ祢音。だがその直後、目前で大爆発が起きた。
少し離れていた場所に居た景和のスパイダーフォンに通知が入る。
『 PUNKJACK LOSE 』
スパイダーフォンの画面にはパンクジャックが落ちた事が表示されている。スパイダーフォンを持つ景和のその手に大きな雫が一滴落ちた。そして雨が降り出してきた。
筆者です。「思縁N~I」をお送りしました。
新章になりました。新規一転、新たな気持ちで頑張ります。
本編16話「謀略IR:キツネ狩り」を土台として展開していますが、亀狩りまで加わりました。両さんも追われる立場です。
アンケートのご協力ありがとうございます。4000文字が多いですねぇ。でも5000文字や6000文字もいらっしゃって意外でした。でも今回は3000文字未満……申し訳ございません。今週は色々厳しかったなぁ。やはりプラモデル買いに行くとアカンですね。時間を取られます。スパ銭に行くのもアカンですね。身体と心の疲れは取れましたが時間を取られます。
さて今回の最終回の感想はこれまた妙なタイミングで晴家ウィンです。
パンク畑とは言えバンドマン出身と言う事で妙な親近感があった晴家ウィン。筆者もそれで人生失敗した人間ですが、本当に音楽で身を成り立てるのは難しいんですよね。そして祖父からの命令で運営ライダーに。見事に使い捨てられるもまさかの復活。TTFCオリジナルはかなり驚きました。さて最終回。英寿が成した世界の改変に涙する姿、これまた泣きました。最後にギターを持っているのも良かったです。夢を捨てずにいる姿は素敵に見えるんですよ。持ち続けるのは辛いけど。でも本編のテーマ「願い続ければきっと叶う」を守ってくれたのは嬉しかったですねぇ。今後のVシネでもどんな活躍をしてくれるのか期待しています。
さてここでお知らせです。
今回の「思縁」にて本作オリジナルライダーを2人出します。何処で出て来るかはこれからを是非お楽しみにお待ちください。1人は本気で、1人はかなりのネタでお届けします。いや本気度合は2人ともにですけどね。
では今回はここまでで。明日以降の更新はもう少し頑張りたいものです。間に合えばいつも通り17:30更新ですのでどうかよろしくお願いします。
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どちらとも言えない