仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「デザイアグランプリ敗者復活戦! 英寿様と両津様が無様な逃亡をしていたその頃、景和様と祢音様はどうしていたのか。今回はそんなお話です!」
「ワシらへの言い方はイラっと来たが、今回は珍しくちゃんとこの前書きで本文の内容に触れているな」
「ナビゲーターですから」
「いや普段からそうしろよ」
「そうしたいのもやまやまなんですが……何分書いている人があの筆者でしょう?」
「ああ、うん、ワシが悪かった。あの筆者だからなぁ……」

 いつもいつも筆者のその時感じた事をライブ感覚で書かれていくこの前書きと後書き。後書きこそまだ説明文の体を取っているが、前書きはカオスだった。小芝居や時事ネタ。メタ発言なんでもありである。

「今日もガッチャードの放送1回目の件に触れようとしていますし」
「冗談じゃなくてワシら、あっちとの二次創作にも駆り出されるんじゃないだろうな?」

 少なくともそれは今しばらく無いので安心頂きたい。但し、ガッチャードのキャラがこちらに来る可能性は無きにしも非ず。

「また余計な事考えていやがるのか……」
「つくづく救いようの無い方ですよね……」

 今後とも御期待ください。


思縁IV:だからこそ彼が居る

 英寿と両津が雨の中逃亡していた頃の事。

 サロンから自宅へ戻った景和は、スキンケアしている姉の沙羅に質問をしていた。

 

「もし父さんと母さんに逢えたら嬉しい?」

「なーに急に?」

 

 沙羅はいつものようにノホホンと返す。景和はいつもと違い神妙な顔つきである。景和は姉と2人暮らし。彼らの両親は景和が幼い頃に事故で亡くなった。以後は親切な親戚の援助と沙羅の献身で今日までやってこれた。一般的にこういった場合、様々なトラブルが付きまとう。引き取ってくれた親戚とのいさかい、引き取り先も無い場合は施設で暮らす事もある。その点で景和はかなり恵まれていた。故に彼は今まで支えてくれた様々な人へ恩返しもしなければならないのである。だが彼はデザイアグランプリに招かれた。これによって彼の心理にはかなりの影響が出ていた。参加者たちのエゴを目の当たりにしてきて、彼は自身の願いにも常に悩む事となる。

 

「忘れた訳じゃないでしょ? ……父さんと母さんの事」

 

 その言葉に沙羅は少し考える。

 

「私は十分幸せだよ。健康に元気で、アンタと暮らせたら、それで!」

「ホント?」

「んー……まぁ欲を言えば、お互いに良い人見つけてー、結婚とかしちゃったりして、それぞれ幸せになれたら。きっとお父さんとお母さんもそう願っているんじゃないかなー」

「……そっか」

 

 リビングの壁に腰を落とした景和。外で降り続ける雨と同様、彼の心は晴れない。

 

「でも本当なら見せてあげたいよ。姉ちゃんのウェディングドレス姿とかさ」

「どーしたのー? 今日のアンタ、何か変!」

「ずっと思ってた。口にしなかっただけで」

 

 その重い口調に胸を痛めたのか、沙羅はキッパリと景和に告げる。

 

「止めよう! 叶わない事考えても、悲しくなるだけだから」

 

 そうして立ち上がると沙羅はキッチンに向かう。

 

「いよっし! 今日は姉ちゃんが、料理を作っちゃる!」

 

 そしてキッチンで使える食材を選んでいく。その姿に健気なものを感じた景和は小さな声で呟いた。

 

「叶えられるよ……俺が世界を変える」

「ねー景和ー、アンタ何食べたい?」

 

 そんな景和の気も知らずキッチンから呑気に聞いてくる沙羅。

 

「え? 良いよ、俺がやるよ」

「ダメだよー。せっかくアタシが作るって言ったんだからさー」

「いやだって、最近の姉ちゃんあんまし料理しねぇじゃん。調味料の位置とかあんまり覚えてないでしょ?」

 

 事実である。会社勤めをしてから極端に忙しくなった沙羅の代わりにキッチンはほぼ景和の独壇場となっていた。実際料理の腕も既に沙羅より景和の方が上だ。

 

「じゃあ景和、サポートしてよ。アタシが指示するからさ」

「いやそれ俺1人で作った方が早くない?」

「そ? じゃあ何作って貰おうかなー?」

「またこの流れか……」

 

 この姉にしてこの弟である。景和の料理スキルがガン上がりしたのはつくづく沙羅のこの性格があったのも大きい。

 

「じゃあこれにしよう! カルボナーラ!!」

「へいへい……麺と玉子はOKで、ベーコンもあったよね。油は……オリーブオイルはまだあったか。野菜も欲しいからタマネギと、あとサラダも用意するか」

「……やっぱりアンタ、一般企業よか飲食店か外食産業経営している企業受けた方が良くない? 色々とあるじゃん。スシローとか、東洋水産とか」

「えー? そうかなぁ?」

 

 姉の沙羅から見て、景和はどうも才能を無駄使いして空振りばかりしていると常に思っていた。

 

「外はまだ雨かぁ……まるで油で何か揚げているみたいだなぁ」

「ほらもう、発想が何かしら料理だもん!」

 

 外の雨は2人の姉弟の朗らかなやり取りも雨音でかき消していた。

 

 同じ頃に祢音は、父である鞍馬光聖。鞍馬財閥の総帥である男の書斎を訪れていた。コーヒーを啜っていた光聖はカップを置いて娘・祢音に訊ねた。

 

「何だい祢音、改まって。話って?」

 

 声をかけつつも腕時計の時間を気にしている光聖。それも仕方ない。彼は鞍馬財閥総帥としての仕事を山の様に抱えている。今も何かの事業計画書に目を通していた最中に娘がやってきたのだ。それでも仕事より娘の事を気に掛けるくらいの気概は持っている人物ではあるのだが。

 

「……デザイアグランプリのスポンサーである、鞍馬財閥の総帥にお願いがあります」

「気付いていたか……流石は私の娘だ。聞こう!」

 

 そうして光聖はデスクチェアーに座り直し、娘を真っすぐ見つめた。祢音は一歩前に踏み出し、自身の願いを口にする。

 

「……狐と亀を狩る事についてです」

「……何か問題でも?」

 

 その光聖の顔は既に父としてではなく、鞍馬財閥総帥としての慎重で狡猾な顔つきをしていた。

 

「ところでお父様?」

「ん、何かね?」

「そちらで見ていた事業計画書ですが」

「ああ、とある企業と提携を結ぶ事になってね。それが何か?」

「少しだけ見せてもらっても?」

「ああ。とは言え、まだ極秘情報だ。決して他所では口外しない様……」

「ここ、おかしくないですか?」

「は?」

 

 どうやら視界に入った計画書が気になり出した祢音はペラペラと中身を確認していく。そして気になった点を指摘した。

 

「ほらここ! このままだとウチの負担する分が多くなるじゃないですか!」

「あ……本当だ。……コホン! 良く気付いたね」

 

 動揺を隠す為に咳払いをする光聖。だがまだこれでは終わらない。

 

「あとここですね。計画開始が来年からになっていますけど、詰めれば今年中には始められます」

「でもそれだとかなり厳しくならないか?」

「ですから……あ、ペンを貸して貰えます?」

「あ、ああ……」

「えーとですね、こことここは外注に任せて。あと、ここは過去の実績と照らし合わせをすればスケジュールがかなり短くなりますね」

「ふむふむ」

「しかもこれ、〇〇党の▲▲さんが関わってますよね?」

「! ……ななななな何の事だね?」

 

 光聖は飲みかけのコーヒーを飲もうとしたが、動揺で激しく身を震わせカップとソーサーをカチャカチャ鳴らしていた。

 

「知らないとでも思っていましたか? ベンとジョンが調べているんですよ。ダメじゃないですかー。▲▲さんはいずれ汚職で捕まるから、鞍馬の名に傷が付くって前にも言いましたよね!」

「いや、▲▲さんの所とは古い付き合いだからね。大人にはそういうのもあるんだよ」

「だからって鞍馬財閥の未来まで犠牲にする義理はありません。早めに縁を断っておきましょう」

「えー?」

「”えー?”じゃありません。あんまり続けるようならお母様に言いますよ」

「! それはダメだ! 伊瑠美には言うな! いや、言わないでください!!」

 

 先ほどまでの威厳は何処へやら。いつの間にか祢音の足元で土下座をする光聖。

 

「大丈夫ですよ。直ぐには言いませんから。ただこの計画が終わった後でもまだ続けるなら……」

「今回限りです! 約束します!!」

「わかれば良いんですよ、わかれば! あれ? アタシ、何しにお父様の書斎に来たんだっけ?」

「いや、その、デザグラの……」

「あー! そーでしたそーでした! 英寿と両さんの件でした! 続き、良いですか?」

「あ……うん。構わないよ」

 

 鞍馬祢音。経営者としては正直二流の光聖よりもかなりのやり手である。光聖としてもあまり自由に仕事が出来なくなるから、あえて祢音の好きにさせていた。だが今みたいに少しでも仕事に興味を持つと自身のアラを徹底的に潰しに来る。

 

「正直、祢音を後継ぎにした方が財閥は回るんだよなぁ……でもそれだと私のアイデンティティが無くなるし……ああ、どうしたものやら」

「何か言いました?」

「コホン! いや、何でもない。では改めて彼らを狩る事について話をしようじゃないか」

 

 超神田寿司の店先にて。

 両津・英寿・そしてツムリはそれぞれ出かけようとしていた。

 

「では私はサロンに戻り、業務を続けます。お二人ともくれぐれも気を付けて……」

「ああ、わかっているよ」

「さっきの薬、ありがとうな。だいぶ楽になってきた」

 

 ツムリが持って来た薬を食後に飲んだ英寿と両津。効果は抜群で、身体の痛みの大半が消えた。寧ろ狩りが始まる頃よりも調子が良い。

 

「デザイアグランプリご禁制の特効薬ですからね。でも油断は禁物です。町には既に運営ライダーたちが居ますので十分ご注意を。なるべくなら開けた広い場所で応戦する事をオススメします」

「わかってるよ。じゃあ纏、店は任せたぜ」

「ああ! でも無理はするんじゃないよ」

「大丈夫だって! 檸檬も店からは出るな。今日でこんなバカげた事はぜーんぶ終わらせてきてやるからよ」

「うむ! しっかりな、カンキチ!!」

 

 もう檸檬の目に弱気な気持ちは一片も無い。真っすぐな瞳で両津を見つめている。

 

「英寿さん……」

「大丈夫だって。今度はちゃんと戻ってくるから。そしたらまた何か食べさせてよ」

「ええ! お待ちしてますよ!」

 

 今度こそ、今度こそ心の底からの笑顔で出迎えるんだと夏春都は誓う。

 

「じゃあ行くか、英寿!」

「ああ、行こうぜ両さん!」

 

 互いの手をパシンと叩いて神田二丁目の町を歩きだした二人。

 だがそんな爽やかな空気も即消えた。索敵していた運営ライダーたちに見つかったのだ。

 

「だあああああああああ! 撃ってきたあああああああああああ!」

「バカ、こっち来るなって!! あーもー、どっちに逃げれば良いんだぁ?!」

 

 二人の姿を見て一気に不安になった纏・檸檬・そして夏春都だった。

 

「「「ダメなんじゃね?」」」

 

 神田二丁目の町を走り続ける二人。

 

「とりあえずツムリちゃんが言っていた通り、開けた広い場所に行くとするか」

「そんな場所、この辺りにあるのかよ?」

「あるさ、それも目と鼻の先に!」

「おい、それってもしかして……」

「ああ。神田明神だ!!」




 筆者です。「思縁IV」をお送りしました。
 土台としているテレビ本編「謀略IR」では逃亡中の英寿のシーンの他に本文でも書かせて頂きました景和と祢音のシーンがありまして、日ごろ考えていた小ネタも含めて本編よりも少しマシマシで展開してみました。

 景和と沙羅ですが、まぁ沙羅があんまし料理しなさそうなイメージがありましてね。結局あのやり取りで沙羅に全て任せるよか景和に頑張ってもらった方がマシなメシが出来るのではないかと考えた次第です。

 そして祢音と光聖ですが、これまたもしかして光聖って経営者として本当に優秀なのかとも思いつきました。演じた笠原紳司さんには少し申し訳無かったですけどw

 ではガッチャードの話を少し。これまたまだネタバレを避ける為に感想についてはあまり多くは書けませんが、クロトー役の宮原華音さんについて。
 元々アマゾンズにも出演されていた宮原さんですが、今作ではかなり面白い立ち位置に居まして。
 ・敵幹部でかつ怪人ポジ。
 ・幹部3姉妹の末妹にして最年長キャラ(逆に長姉は最年少の沖田絃乃ちゃん)
 ・元々格闘系アスリートなのでアクションシーンがキレッキレ
 ここまで色々揃った方で、また結構X(元ツイッター)もチェックしているらしく、筆者のプライベート垢でのポストもしっかりファボって頂きました。
 改めてこれから1年楽しみですね、ガッチャード。

 キングオージャーも新展開ですね。プリキュアも宮本充さんが敵幹部キャラのCVで参戦です。つくづくニチアサは筆者の心のオアシスですよ。

 では今回はここまで。間に合えば明日も17:30更新ですのでどうかよろしくお願いします。

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