仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「デザイアグランプリ敗者復活戦! 神田明神を舞台に大立回りをしているギーツ・タートルズ・そしてタイクーンの3人ですが」
「待てぇえええええ、勘吉ぃいいいいいい!! 神聖な神田明神で戦うなんて罰当たりにも程があるだろうがあああああああ!!」
「待て、纏!! 近所で開けた場所って言ったら此処しか思いつかなかったんだぁあああああああ!!」

 ツムリそっちのけで両津を追いかけ続ける纏。両津も逃げ続けている。

「お二人の痴話喧嘩もいい加減にして欲しいですよね」
「「痴話喧嘩じゃ、無い!!」」

 ツムリに詰め寄った両津と纏の2人はこれまた息ピッタリに同じ言葉を放った。見事にハモっている。

「どう見ても痴話喧嘩ですけどね。夏春都様、どう思われます?」
「……前書きに初めて呼ばれて質問されるのがそれかい? あーもー若いっていいねぇ~」
「……羨ましいですか?」
「べ、別に?」
「では夏春都様が大昔、英寿様に送ろうとし机に仕舞い込んだ手紙を朗読してみましょう」
「ちょ?! ツムリさん? なんでアンタがそんなモンを持っているんだい?!」
「この間お伺いした時にコッソリと」
「そりゃアンタ、完全にドロボウじゃないか! あーもー待っておくれよ……そんなもん英寿さんに知られでもしたらアタシは死んじゃうじゃないか!」
「へー、パルちゃんの手紙か、それは興味あるなぁ」
「英寿……さん?」

 夏春都の背後に居た英寿。まるで狙っているかの様にタキシード姿だ。顔を真っ赤にした夏春都は全力でツムリを追いかける。

「さっさとそいつをお返し! あー勝手に開かないでおくれー!!」
「えーと親愛なる英寿さま。今日もアタシが作った佃煮を食べて頂いているかと思うと胸が」
「やーめーてー!!」

 擬宝珠夏春都、数十年ぶりに味わう恋バナ茶化しであった。


思縁VI :だからこそ彼が居る

 随神門が見える所まで歩いてきたギロリは、神田明神境内で戦い続けているギーツとタイクーンの姿を見た。

 

「やっているな。ギーツは手強いぞ……だが安心しろ、決着は私がつける」

 

 門の陰に隠れたギロリは2人の戦いを見守る事にした。

 

 そして我らが両津勘吉ことタートルズはと言うと。ギーツからレイジングソードの滅多打ちを喰らい倒れ続けていた。ギーツから手加減でもされていたのか強制変身解除には至らなかった。

 本殿手前にある黒塗りの大きな鉄製天水桶にもたれかかるようにしていた彼は呻きながら目を覚ます。

 

「う……うーん……英寿の野郎、良い様にやってくれやがって。! ちくしょう、完全に出遅れたか!!」

 

 目前で戦い続けている2人を目にする。実力こそ最早完全に拮抗しているが、何分やはり百戦錬磨の浮世英寿。ギーツの方が優勢だった。

 

「このまま行くと確実に英寿が勝つな。そうなるといかに景和を守るか問題になるが、うーむ……あれ?」

 

 2人が戦っているより場所から更に先、随神門の辺りに動く人影が見えた。門の後ろに隠れているギロリである。

 

「アイツ、こんな所まで来て何してんだよ。! そうか……読めたぞ!」

 

 タートルズに気付かれたとは露知らず、ギロリはヴィジョンドライバーを手に取る。ヴィジョンドライバーを据え、右手の手袋を外し、ドライバー中央部の接触センサー「バイオメトリクサー」に親指を乗せ指紋認証をさせる。

 

『 GLARE, LOG IN 』

 

 左手でプロビデンスカードを取り出し、右手で持ち替えた。

 

「変……身……」

 

 呟くと同時にドライバーの右側のヴィジョンリーダーへ上から下へスライドする様に差し込む。

 

『 INSTALL DOMINATE A SYSTEM GLARE……DELETE 』

 

 仮面ライダーグレアに変身したギロリはそのまま両肩のアーマーからヒュプノレイを展開する。2つのヒュプノレイはギロリの右手の上で1つの大きな黒い球体になる。

 

「ギーツ……お前を勝たせるわけにはいかない。消えてもらおう」

「まいど! 超神田寿司です!!」

「? 何だと?!」

 

 いつの間にか背後に居たタートルズは振り向いたグレアの頭を大ハリセンで叩いた。

 

「コスいマネしてんじゃねぇよ。サシの戦いに水差すなんて野暮も良い所だぜ」

「貴様! よくも邪魔を!!」

「うるせぇ! どうせその様子だと景和ごと英寿を亡き者にしようとか考えていたんだろぅが!!」

 

 恫喝するグレアに対し、全く引かないタートルズ。今までの恨みも込めた互いの睨み合いはその間に火花が飛び散りそうな勢いだ。

 

「だが気付くのが遅かったな……」

「何だと? あ、そうか!」

 

 既にグレアが生み出したヒュプノレイはギーツとタイクーン目掛けて飛んでいった。巨大なヒュプノレイは戦い続け互いしか見えていない2人に直撃した。かの様に見えた。

 

「「はぁ!!」」

 

 2人はレイジングソードで受け止め、そのままヒュプノレイを斬り捨てた。飛び散ったヒュプノレイが神田明神の貴重な歴史的資産とも言える記念碑や社殿を破壊した。具体的にはえびす様尊像、明治天皇御臨幸記念碑、銭形平次の碑、水神社、小舟町八雲神社、大伝馬町八雲神社などである。

 

「だから言った通りだったでしょ」

「ああ。一気にケリをつけるか」

『 REVOLVE ON 』

 

 ギーツはリボルブオンを行いジェットモードからキャノンモードになった。ギーツとタイクーンがキャノンバックルのレバーアクションを2人同時に行う。

 

『『 LOCK ON 』』

「「両さ――ん、避けてぇ~」」

『『 COMMAND TWIN VICTORY 』』

 

 ギーツとタイクーンはそれぞれの両肩に備えられた2門のトロンキャノンの砲口に水色のエネルギーを集中させ、強烈な砲撃を放った。とは言え、大技を繰り出したにしては随分気の抜けた声を発したが。

 その声が聞こえたタートルズは急ぎその場を退いた。

 

「! あーいよっとぉ!!」

「何?! うわぁあああああああああああああああああああ!!」

 

 合計4門の強力な砲撃がグレアを襲った。グレアとタートルズが居た随神門は見事に木端微塵となり吹き飛んだ。

 その様子を見てギーツとタイクーンはパシンとハイタッチをする。

 

「「ヘーイ!!」」

「上手くいったな、タイクーン!」

「だから言ったでしょ! 俺がピンチになればきっとギロリが直接出てくるって」

 

 嬉しそうにはしゃぐタイクーン。ギーツもしたり顔でグレアを見つめていた。その様子に呆気に取られていたタートルズ。

 

「何だ……? あいつら最初からこれを狙っていたのかよ……?」

「ごめんね―、両さ――ん!」

「悪いな――! 全部芝居だったんだ――!」

「な、何だとぉおおお――――?!」

 

 距離が離れていたタートルズに大きな声で謝罪するタイクーン。そして説明をするギーツ。

 

「どういう事だお前らぁ?! 説明しろ、説明!!」

「どういう事って言われてもなぁ……」

「ごめんね! 俺が英寿に内緒で相談していたんだ」

「はぁ?!」

 

 事の顛末はこうである。夏春都の部屋で朝を迎えた英寿は寝覚めにスパイダーフォンへ景和からのチャットが入っている事に気付く。急ぎ景和に連絡をしてそのまま通話で打ち合わせをした。両津が部屋にやってきたのは丁度その直後である。

 

「まんまと化かされたってわけか……しかも狐と狸のダブルかよ……」

「猫も居るよ~。お忘れなく♪」

 

 いつの間にか祢音も現れた。

 

「祢音ちゃん?! もしかしてここまでの事は全部……」

「そ! アタシが計画したの。……この人に全部見て貰う為にね」

「確かにこの目で確認した」

 

 祢音の隣には蝶ネクタイをした身なりの良い男が居た。

 その男に気付いたグレアは産まれたての小鹿が震えるようにブルブルと立ち上がる。

 

「ニラム……何故ここに?!」

「ゲームマスターが不正を働く一部始終を確認に、ね」

「ゲームプロデューサーに告発させてもらいました。このゲームは全部、貴方が英寿と両さんを落とす為に仕組んだ事だって!」

 

 昨晩、父・鞍馬光聖の書斎にて。祢音は光聖に相談をしていた。

 

 ――大スポンサーなら、もっと権力者に近づけますよね? ゲームマスターより上の……――

 

「パンクジャック……ウィンさんの事も使って、英寿と両さんを排除しようとした! ……結局は全部、貴方の仕業。こんな不公平なゲーム、私は認められない!」

 

 祢音は力の限り叫んだ。そして横に居たニラムが続ける。

 

「ゲームマスターによる不正な関与は許されない。はぁ……ゲームマスター失格だ……」

 

 ため息を吐きながらギロリに対して失格と言う言葉を言い放つニラム。だがギロリは狼狽しながらも反論をする。

 

「バカな……私はギーツとタートルズの下らない願いから世界を守ろうと……」

「下らないなんて言うな!!」

「?!」

 

 その言葉をタイクーン、景和が否定した。

 

「……今まで、大勢の人たちがデザイアグランプリに参加してきた」

 

 景和の脳裏には今まで志半ばで散った参加者の姿が浮かぶ。

 

「命がけで、自分の人生を懸けて……戦ってきた」

 

 グレア、ギロリにその眼差しをぶつけて言葉を続ける景和。

 

「どんな願いだって、命を懸けて戦う限り立派な願いなんだ……それを下らないなんて言うアンタが許せない! アンタは、皆の想いを踏みにじったんだ!!」

 

 その姿を見てギーツ、英寿は小声で呟く。

 

「フッ……言うようになったな」

 

 タートルズ、両津もむき出しの口元を笑顔で歪めていた。

 

「泣かせる事言うじゃねぇか、景和。この野郎……」

 

 だがその言葉もギロリには届かないらしく一笑してきた。

 

「フン……愚かな。理想の世界を叶えるチャンスを棒に振るとは。お前たちは、強制退場だ!」




 筆者です。「思縁VI」をお送りしました。
 どうも3000文字ペースが続いてしまいます。まぁ仕事もありますし、現状なかなかこの辺りから脱却できないのが辛い所です。早い時は早いんですけどねw

 さて前回以上に神田明神境内を壊しまくっている今回です。……ホントにバチが当たるのではないでしょうか? 近々神田明神に伺ってお参りと言う名の謝罪をしてきたい次第です。

 お気付きかと思いますが、ギーツ本編と構成変えています。英寿と景和のハイタッチなんてウチくらいじゃないかなと。しかも見事に両さんが騙されました。仕掛けたのは祢音ちゃんです。これには両さんも開いた口がアングリw

 余談ですが、こち亀終盤期に出てきた有栖川京華姐さんとその父・ジョニーこと有栖川教授が気になってきました。本文に出したい! けど、バランス的に難しい!! 本当にこち亀キャラ、どいつもキャラが濃くて。下手に出すとギーツキャラが霞んでしまうので本当に注意が必要です。祢音ちゃんの色を濃くしたのも前回からようやくですよ? 本当にゴメンな、祢音ちゃん。貴女も今後どんどん崩れますw

 では今日はここまで。無事に間に合ったら明日も17:30更新ですのでよろしくお願いします。

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