仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「リアリティライダーショー、デザイアグランプリ! 2日目はまさかの撤退! 仕切り直しをするそうです。彼らは無事にリベンジを果たして校長ジャマトを倒せるのでしょうか?」
「全ては筆者次第だな。ワシも流石にわからん!」
「またそんなメタな事を……」
「だって真実だろ? だいたいBLジャマトって何だよ? 盛り込み過ぎだぞ筆者ぁ!!」

 TV本編より難易度が上がっているのはやはり両津勘吉の参戦が原因である。恐らくTV本編のままで行くと本当にRTAをやりかねない。

「まぁどうせワシらが勝つさ。気長に待とうぜ」
「またそんな……あんまりだらけていると纏様と檸檬様に言いつけますよ」
「わかった……真面目にやるわ」
「それでこそ両津様です」
「おい英寿! スエル倒しに行くぞ、スエル!!」
「! もう両津様、気が早すぎです!!」

 本当に筆者が気を抜くとRTAをやりかねない!!
 ちなみに余談だが、筆者の頭の中では慕情編でのスエル戦と最終話のスエル戦での両津の戦い方は既に考案済みである。果たしていつ、お披露目できるのか……


照裏XV:見抜くモノと見抜かれるモノ

「東京スカイツリーの現場監督?!」

「そ。結構前になっちまったなぁ~」

「東京スカイツリー。2012年に竣工された世界最大の建築物ですね。主に電波塔としての使用が主用途です。両津様はそこで2010年春先から怪我をされたご友人の代わりに働いた事がきっかけで総合現場指揮者として活躍されています。通称は”両津隊長”」

 

 都内を移動する英寿と両津、そしてツムリ。デザイア神殿からツムリに送ってもらう予定で声をかけたが話をしたところ興味を持ったらしく同伴してきた次第だ。

 

「なんか施工やってた大林組のお偉いさんたちにも気に入られちまってよ。金も良いし本庁にも話を通してくれたから竣工まで出張ってたんだわ」

「そういえば両さんは確か……」

「50種の資格を有していると資料にありますね。建築で役立つものとしては危険物取扱者(丙種・乙種1~6類)・溶接・クレーン技師・発破解体・電気工事士・鉄骨製作管理技術者・ボイラー整備士・車両関係は全て取得で大型特殊の一種と二種もお持ちです。自動車整備士もお持ちですから万が一建築現場内で車両がトラブルになっても道具さえあればその場で修理が出来るのかと」

「……何で警察官と寿司屋なんだよ?」

「うるせぇ! 成り行きだっての。しかしお前らと一緒に歩くと目立つなー。さっきから通り過ぎる奴ら皆振り向いてるぞ」

 

 3人が歩いているのは秋葉原。念の為に英寿はサングラスをかけ、なるべく地味目にするために作業着を着込んでいるが、身体から溢れるオーラだけは隠しようが無い。ツムリに至ってはいつもの白黒を基調とした奇抜なデザインの服を着ている上、彼女自身が美人なので仕方ないと言えば仕方無いのだが。

 外神田通りを暫く歩き、左に折れて外神田3丁目の辺りを歩くと1台のハイエースが停車していた。中に居た壮年の男性が両津の姿を見るなり急ぎ運転席から降りて駆け寄ってきた。

 

「両津隊長! お久しぶりです!!」

「隊長はもう止せって。久しぶりだな、元気してたか?」

「お陰様で! 今も頑張って働いてますよ~」

 

 聞くとこの壮年男性はやはりスカイツリーで関わった内装業者で、今は小さな工務店を経営している。

 

「悪いな、わざわざ仕事の邪魔しちまってよ。稼ぎはお前のトコで全額持っていっていいから」

「ええ……でも本当に良いんですかい? 居抜き工事とは言えまだ壁紙もボードも前のが残っているし、お施主さんのご希望だとそれらも一部取っ払って改装しなきゃならんのに……」

「良いって良いって。ガラ袋は用意してくれたんだろ?」

 

 ※ガラ袋とはヒモがついた巾着型をしていて、建築現場や解体現場で出るガレキやゴミなどを入れるために利用される袋の事である。

 

「はい! 念のため少し多めに用意しておきました。それと解体用の道具も一式」

「良し、上等だ! 入口の鍵は管理さんに渡しておけば良いか?」

「ああ、それで構わないっすよ。それでこれが図面と、こっちがイメージで描かれたデザイン画ですね。壁紙のサンプルがこっちです」

「いよ~っし、じゃあやっつけとくぜ! ありがとうな!!」

「礼を言うのはこっちの方ですよ! 隊長、いつも本当にありがとうございます! また飲みに行きましょう!!」

「おう! 良い酒用意しておけよ!!」

 

 そう言うと男はハイエースを走らせて去って行った。別の現場も抱えているので忙しいらしい。

 

「さてと、早速やるかねぇ……」

「やるって……まさか?!」

「そ。改修工事。ワシとお前でな」

「できるのか……?」

「これは面白くなってきましたね」

 

 英寿は流石に慣れていないのか動揺し、ツムリは楽しそうにしていた。

 

 サロンにて。大智と祢音はPCモニターとにらめっこをしていて、冴と景和は軽いストレッチをしてからスパーを行っている。

 

「……両さん、そんなに凄かったんだ」

「何せ50種の資格を有しているからね。僕も驚いたが秘書技能検定と衛生管理者も取得している。1人で歩くゼネコンだよホント」

 

 両津が取得した資格の数々、建築系に括られているものでも個人であれだけの数を取得するのは滅多に居ない。資格取得を主としたバラエティ番組に出演した某タレントでさえ20種類のうち建築系はおよそ5種類である。

 

「両さんが……秘書検定ぃ~?」

「ハハハ! やっぱりそう思うよね。でも取得しているからシャレになっていない。彼はその気になれば各会社の重役として招かれていてもおかしく無いんだけどねぇ」

「そんなに……アタシ、両さんに頼んでみようかな?」

「どうしたんだい?」

「ううん! こっちの話!!」

「ふむ……まぁ良いか。ところでこの応接セットだと床はフローリングと絨毯のどちらが似合うかな?」

「やっぱり絨毯かなー」

「なるほど。じゃあやっぱり絨毯のサンプルも頼むとするか」

 

 祢音が考えていたのは将来的に鞍馬財閥を仕切る際に有能な秘書が欲しいのだ。もちろん配信者としても活動したいが、それだけで食えていけるという保証は全く無い。父の光聖の仕事の甘さは見ていてわかるし、母の伊瑠美は更に酷く鞍馬財閥のアパレル関係や飲食店など多数経営しているが殆どが赤字で財閥のお荷物になっている。今のままだと父の代で鞍馬財閥は大きく傾くだろう。それを防ぐ為には一人でも優秀な人材を招きたかった。

 

「大智くんも結構良いよねー……」

「何の事だい?」

「! 気にしないで!! こっちの話だから!」

「……面白い人だねぇ。でも家具類のチョイスはセンスあるね。実に気に入ったよ」

「でっしょう~?」

「うん。一般人だととても全部マトモに揃える事なんて出来ないけど」

 

 祢音もあまり親の事は言えない。一旦趣味に走るとコストが気にならなくなるのだ。経営者としては優秀だが、趣味人としてはある意味両津よりもシャレにならないかもしれない。

 

「景和、かなり身体つきがしっかりしてるよね」

「そう? 現役アスリートの冴さんには叶わないよ」

 

 こちらは冴と景和。ストレッチを軽く行った後でスパーリングを行っている。

 流石に今のサロンで行う訳にもいかないのでデザイア神殿内のレクリエーションルームを借りる事にした。名称こそレクリエーションだが運動器具、所謂”マシン”と呼ばれるものも多数設置され、コーナーポストとロープ付の格闘リングまで用意されている。ちょっとしたジムのようであった。

 

「さっきストレッチしていた時に思ったけど、今までどんなスポーツやってたの?」

「サッカーと空手だ……ね!」

「おっと! どうりで……そりゃ仕上がっていてもおかしくない……わ!」

 

 スパーリングを行いながら会話を続ける二人。掴みかかってくる互いの手を払いながら次の手を次々繰り出す2人。ようやく景和の腕を掴んだ冴だったが景和は身体の柔らかさを活かしてクルっと身体を捻る。そしてそのまま冴の後ろに回る。

 

「ギブギブギブ! 凄いね景和!! ハァ……さっきアタシがやったのをそのまま返してくるなんて……」

「冴さんの技が綺麗だからだよ。お陰で俺もイメージしやすかったし」

「それ、現役アスリートにしてみたらすっごく嫌味なんですけどー! ふんだ!!」

「あ痛ぇ! もー、回し蹴りしなくてもいーじゃん!!」

「お返しよ。ちょっと休みましょう。流石に疲れてきたし」

「はーい。あー、喉乾いたぁ……」

 

 用意しておいた水筒の水を一気に飲む2人。喉が潤ってきた所で冴が口を開く。

 

「しかし驚いたわ。まさか両津勘吉がスカイツリーの現場監督やってたなんて」

「うん。俺も初めて知った。冴さんはスカイツリーって登った事ある?」

「あるよ。と言っても子供の頃だけどね。まだ妹と弟なんて全然小さくてさ。でも父さんが奮発して天望回廊まで連れて行ってくれて……空が晴れてて東京中が一望出来たんだよねぇ……」

「俺も俺も! やっぱり子供の頃でさ、姉ちゃんなんてあまりの高さに怖がって泣きそうになってたけど、展望台から見える東京の眺めが凄くて泣き止んだんだよね」

 

 それぞれの思い出話に花を咲かせる2人。2人ともスカイツリーで素敵な思い出を作っていたらしい。

 

「あの景色を作ってくれたの、両さんだったんだ……」

「ホント凄いよねアイツ。見た目はガサツなオッサンなのに」

「ハハハ……それは当たっているからね」

「それでさ、思い出した事があるんだ。”葛飾署の両津勘吉”うん、間違い無いわ」

「どういう事?」

 

 冴はスックと立ち上がり景和に向き直る。

 

「アイツ、アタシたち相手には本気を出さない。ううん……たぶん出してくれないかも。だってアタシたちよりももっと凄い所に居る人だから」

「え? 言っている事が良くわからないんだけど」

「あの人はね、国体に……いや、オリンピックにだって出られるくらいのアスリートなんだよ」

「両さんが?!」

「そ。でも絶対選ばれない。素行が問題なんだってさ。勝つためなら卑怯な事とか平気でやるし」

「あ、うん……良くわかるわ、それ」

 

 冴が初めての強化合宿に参加した時の事だ。その時のコーチが話題に出したのが両津の名前である。その時のコーチは両津も参加させようと上層部に意見していたが、気に入らなければ誰だって殴る両津の性格が災いした。どうやらかつて両津に殴られた人間が頑として認めなかったらしい。

 

「それっきり聞かなかった名前だったから今日まで忘れていたけど、今のアイツ見ていたら何となくわかるかも。でも認めなかった委員会の人って凄く嫌われていてさぁ。後でセクハラで訴えられて辞職してるんだよねー」

 

 ケタケタと笑っている冴は心底嬉しそうだった。恐らく冴も何かしら恨みを持っていたのだろう。

 

「羨ましいなぁ。そういうイヤな奴に真正面からぶつかる性格ってさ」

「そうだね……両さんらしいや」




 筆者です。「照裏XV」をお送りしました。

 オリジナル展開再び、です。3チームに分かれて行動を開始しました。メインは両さんと英寿、そして何故か付いてきたツムリ。大智くんと祢音ちゃんは事務仕事。景和くんと冴さんはフィジカルトレーニングと、上手く役割も含めてチーム分けできたかなと思ってます。

 18禁小説アンケの実施期間も本日含め残り6日です。ここに来て”興味がない”が追い上げてきて現在同数です。投票された方どうもありがとうございます。
 結果がどうであろうと投票して頂けている事に意義があるんです。だってこのサイトの構造上、アンケに辿り着くには本文を最後まで読む必要があるのですから。本文、ちゃんと読んで頂けてますよね?w

 では明日も間に合えば17:30更新ですのでどうかよろしくお願い致します。

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