仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「ところで両さん、これから解体する場所って元々何があったんだ?」
「メイドリフレ」
「……これから俺たちが改修した後は」
「メイド喫茶」
「メイドばっかりか! マッサージ屋が喫茶店になるだけだろ?!」
秋葉原のメイド事情に英寿がツッコミを入れる。
「今時のアキバってそんなもんだぞ」
「秋葉原って胡散臭い電気部品や家電の町じゃなかったか?!」
「いつの話だ……もうそんなのは凄くディープな所にしか存在せん。今のアキバはオタク街。アニメとマンガとゲームとトレカとフィギュアとプラモ、そしてメイドが何故か牛耳っとる」
「だいたいなんでメイドなんだよ。給仕だろ?」
「可愛らしいメイドキャラが二次元媒体に出てくるようになってメイドを主としたコンカフェが流行ったのがきっかけだな」
「何とも理解し難いものだな……」
今やアキバにメイドはあって然るべきものである。
「よっと……こんなもんか?」
「おー、上出来上出来。これで仕切り壁は全部バラせたな。あまり量が無くて助かったぜ」
「はぁ……結構頑丈に出来ているんだな。これで壁紙の剥がしと要らない壁は全部取り外せたワケか」
「そうだな。廃材は後で仲間に改修に来てもらうからよ。廊下に仮の集積場としてブルーシートを敷いてある。じゃあ全部外に出すぜ。ドアも養生はしてあるけどなるべく傷つけるなよ」
「なかなか大変だな、これは……」
とは言え到着から小1時間程度で壁材の解体まである程度片付けたのは、手慣れた両津の手腕と何でも器用にこなす英寿の才能によるものが大きい。素人は勿論、プロでもそれなりに時間がかかる作業だ。
「壁の構造はわかったか?」
「軽量鉄骨と断熱材と石膏ボード。そこに壁紙材だな」
「おう、流石だ。ちゃんと覚えたな!」
「俺がギガントブラスターで壁を創った時はここまでしっかりとした物じゃなかったな……なるほど、奥が深い」
「そこまで大したモンじゃねぇけどよ。あのバックルで作った壁は殆どコンクリートの打ちっぱなしみてぇなもんだ。あれだと部屋も冷えるしカビも生えやすいぜ」
「お茶を用意しましたよ」
2人が廃材を運び出していた間に買い出しに行っていたツムリが戻ってきた。廃材も全て室内から外に出せたので、皆は一服する事にした。
「さて、それ飲んだらこの資料に目を通せ」
「さっきの男が持って来た物か。図面にイメージ画に壁紙のサンプルと」
「ワシの見立てだとあのバックルは、英寿の見てきたものをそのままカタチにするものだと思っててよ」
「なるほど、それでこれらの資料か」
「まぁ図面つっても今回は壁をとっぱらって壁紙あらかた剥がして、何の仕切りも無い空間にして、それで壁だけ綺麗に張り直しってのと一部分だけ壁抜きのキッチンカウンターを付けるって程度だな」
「そのキッチンカウンターはどうする?」
「こっちは見た目だけで構わないって言うからスマホでそれっぽいのを見ておいてくれ。ほれ、例えばこんなのとか」
「なるほど」
両津が私物のスマホの画面を英寿に見せる。そこいらのレストランとかである壁抜きのキッチンカウンターの画像が沢山写っていた。
「寸法は図面に書いてある。わかるな」
「ああ、これなら何とか」
「じゃあそろそろやってくれ!」
「わかった!」
英寿は立ち上がるとデザイアドライバーを装着する。
『 SET CREATION 』
「さて、ここからがハイライトだ!」
「まぁジャマトは居ないけどな♪」
『 DEPLOYED POWERED SYSTEM GIGANT BLASTER READY……FIGHT! 』
「さてと……資料資料。ん?」
「どした?」
ギーツが図面に目を通した瞬間、バイザーが反応した。どうやら図面のデータを読み取っているらしい。
「凄いなこのバックル。拡張機能で図面のデータを読み取っているぞ」
「マジか! 現場に1丁あったら重宝されるだろうな~」
本当に導入されたら日本の建築インフラに革命を起こしそうだが、デザグラ出自のものが早々世に流通できるとは思えない。革命はだいぶ先になりそうである。
「ぃよっしゃ、行け! 英寿!!」
「行くぜ!!」
ギガントブラスターで周囲を吹き付ける英寿。殺風景だった室内は見る見る変わっていく。ものの5分、ギーツが拭きつけた後にはピンク色の可愛らしい壁紙の室内に生まれ変わっていた。
「よっと……こんなもんか。どうだ?」
「おう、こりゃ凄ぇな。床もフローリングになっているし、照明も図面通りだ」
完了報告の為に急ぎ何か所も写真を撮る両津。それを先ほど別れた知り合いの個別チャットで送りつける。そしてそれに反応したかの様に両津のスマホに通話の呼び出し音が鳴る。
「だから詐欺じゃねぇって! ちゃんと仕上がっているから後で確認しといてくれ。じゃあな!」
「何て言っていた?」
「かなり驚いていたぜ。まぁ別れて2時間も経ってねぇのに終わったなんつったら当然か。ガハハハハ!」
高笑いする両津。反して変身を解いた英寿は少々疲れている様子だ。ギガントブラスターで集中して作業すると思ったより体力を消費するらしい。
3人は建物の外に出る。
「さて鍵も預けたし、予定より早く次に行けそうだなぁ」
「! 次?」
「両津様、次はどちらに?」
英寿が驚きツムリが訊ねる。
「浅草だ。ワシの地元に行こう」
筆者です。「照裏XVI」をお送りしました。
久々に疲労のピークが来ました。文字数も1700文字と過去最少です。申し訳ありません。
後書きもいつもより省エネで終わります。明日改めて頑張ります。予定では浅草までは進みきる予定でした。
では明日こそはせめて3000文字は書きたい! 間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。
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