仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「リアリティライダーショー、デザイアグランプリ! 両津様と英寿様は千葉県の時空が原に来ています。目的は大原部長の別邸の建設です」
「まさか作中でマイクラじみた事をやるとはなあ」
「マイクラって……でも両さんはあの手のゲーム、本当に好きそうだなぁ」

 マイクラはもう世界規模で流行っているゲームだ。自分の箱庭をバーチャルだが作り上げる事ができる。

「マイクラは凄ぇぞ。あれだけで亀有駅前を再現したくなる」
「どれだけ時間費やしてるんだよ……」

 両津は一度ハマるととことんまでやりきらないと気が済まないタチである。


照裏XIX:見抜くモノと見抜かれるモノ

「いやいや両さん、流石にそれは無理が……」

「これは凄い! あの時見た物と比べて遥かに動きやすそうだ!」

「騙された?!」

「どうかしたかね、ウキヤくん?」

「……いえ、別に」

 

 英寿が心配するも大原部長はすっかり騙されているようだ。

 

「さてと、この状態で図面を見ると……おお、こりゃ凄ぇ! スカイツリーの頃にこんなのあったら工期が一気に短縮できたろーなー!」

 

 バイザーに拡張機能が加わった事に喜ぶタートルズこと両津。早速ギガントブラスターを構え、既に組み上がっている土台に向けて吹き付ける。すると見る見る木材に似た素材で出来た柱材が組み上がっていった。

 

「何だと?! 何も無い空間にどんどん柱が!」

「凄いな……もしかして両さんなら校長室を直ぐ作り上げていたんじゃないか?」

 

 次々と柱材を造り上げていくタートルズ。屋根の骨組みまで組んだ所で一旦手を止めた。

 

「部長ー! せっかく屋根まで組んだんですから登ってみませんか~?」

「良いのか?」

「部長の家なんですから当然じゃないですか! それにこっちも事情があって、悠長に棟上げ式なんてやれないっすからねぇ」

「わ、わかった。ハシゴを持ってこよう」

 

 大原部長は邸宅の屋根瓦の修理や屋根板の修理をする時に使っているハシゴを持って来た。ハシゴを伸ばし、両津と大原部長は屋根の骨組みに登ってみる。

 

「ほぉ……良い眺めじゃないか」

「ここからならこの殺風景な眺めもなかなか乙なもんになりますねぇ!」

「殺風景で悪かったな! ……フン。だが良い眺めになるってのは間違いないか」

 

 2人は少しの間だけ大原邸の周辺に広がる田園を眺めていた。

 

「疲れたろ。そろそろ変わろうか?」

「そうして欲しいのはやまやまなんだけどよ。まぁ外側はワシがほとんどやっておくよ。お前は部長と一緒に縁側でも温めていろ」

 

 手助けしようとした英寿の気持ちを丁重に断り、両津ことタートルズは再び作業を再開した。英寿とツムリは大原部長と共に縁側にて茶を飲む事にした。

 

「なかなか君たちみたいな若い人たちとお茶をする事も少ないから嬉しいよ。両津の好意に甘えて休む事にしよう。ゲホゲホ!」

「! 大丈夫ですか?!」

「……ああ、大丈夫だ。最近仕事がキツくてね」

「両さんと同じく警察の方ですよね。そんなに忙しいんですか?」

「忙しいと言うか、何か変な事をさせられていてね」

「変な事?」

「妙なお経みたいな文章を延々と読まされたり、これまた妙な心理テストをずっとやっているよ」

「それはまた……何なんでしょうね、ソレ」

「そういえば両津に関わるものが多かったなぁ……」

 

 良子夫人がお茶のお代わりを持って来た。無言で大原部長の脇を肘で小突いて何かを促している。仕方ないなといった様子である事を英寿に訊ねた。

 

「ところで、両津とはどういう仲なのかね、”浮世英寿”くん」

「! ゲホッゲホッ!! な、何の事ですか?」

「英寿様、どうやら大原様と奥様にはバレていたみたいですね」

「ツムリ……」

 

 ツムリがあっさりと英寿の正体を告げる。英寿はバツが悪そうな顔をしていて、大原部長と良子夫人は朗らかに微笑んでいる。

 

「わかっていたんだな……」

「両津のバカが変に気を使って君の事を隠すくらいにはね。全く、甘く見られたもんだなワシも」

「主人は英寿様の主演された時代劇のファンですからね」

「おいおい、ファンなのはお前だろ? まぁワシも決して好きじゃないわけではないが」

 

 英寿が出演したのは織田信長を新解釈した斬新な作品だ。ストーリーは荒唐無稽で実にチープなものだが、英寿が演じた信長のキメ台詞が印象的だった。

 

 ―― 是非も無いよネ!! ――

 

「ああ、それで……」

「まぁ、あのバカの前では騙されているままにしているから安心しなさい。やれやれ、アイツはいつもこうやってワシの心配を増やすのだからな……」

「良く言いますよ。しょっちゅう両津さんの事ばかり言っているクセに」

 

 良子夫人が大原部長の肩をポンポンと叩く。おしどり夫婦ぶりが板についている。

 

「それで、アイツと君はあのパワーアシストと言い切っている妙なスーツとどう関係しているのかな?」

「う……それは」

「大原様、流石にそれ以上は……」

 

 元々堅物で真面目な顔つきが多い大原部長だが、いつも以上に真剣な顔つきをしていた。やはり警察官。一筋縄ではいかない。ツムリの言葉で少しだけ眉間のシワが緩くなる。

 

「まぁいいだろう。それで相談だがね、妻にどうかサインを頂けないかね」

「まぁそれくらいなら……」

「もちろんタダとは言わんよ。何か好きなものがあったら差し上げよう。とは言っても大したものは用意できないが」

「交換条件か。そうだなぁ……」

 

 少し考えた英寿は頭に浮かんだ言葉を口にしてみた。

 

「大原さん、アンタが大事にしている両さんとの思い出を教えてくれないか?」

「大事にしている思い出か……そうだなぁ。うん。少し待っていなさい」

 

 大原部長は立ち上がり、床の間に飾ってある一振りの刀を持って来た。

 

「やはりこれだな。この刀だ。持ってみるかね?」

「良いのか?」

 

 英寿は大原部長から刀を受け取ると、その言い知れない雰囲気に気圧されかける。

 

「こ、こいつは?!」

「ほう、わかるかね? 抜いてみても構わんよ」

 

 促され、ゆっくりと鞘から引き抜く陽の光に晒された刃の輝きに思わず吸い込まれそうになる。

 

「これは……余程の刀匠が打ったものなのか」

「……ップ! クククク……ハッハッハ! やっぱりそう思うかね?」

「? そんなにおかしいか? でもこれだけの刀だ。そう思うのが当然だろ?」

「いやいや失敬。いやぁ、やはりそう思えて当然だよなぁ」

 

 楽し気に笑う大原部長の態度に不思議に感じていた英寿。だが自ずとその答えに辿り着いた。

 

「! そうか、これは両さんが打ったのか?!」

「?! こんな業物を両津様が?」

「そう。そいつは両津が打った刀だ」




 筆者です、「照裏XIX」をお送りしました。

 部長が持っている両さんが打った刀が出来てました。これに関してはまた明日の更新でお話します。

 頂いたご感想で”果たして部長は両さんに騙されるのか?”と言うものを2つ頂きました。せっかくなので両さんの目前では騙されている事にしました。この方がいつもの部長の両さんの言い方「あのバカ」が出しやすかったのでw

 では今夜もそうそうに〆たいと思います。明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。

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