仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「長すぎだ! どれだけ余計な話ぶち込んでんだよ?!」
「えーと……中川様に月光刑事と美茄子刑事。勘兵衛様はじめ3博士。ジャマト学園での色んなジャマト。それぞれの時間。特に両津様と英寿様の文量が最多ですね」
「すいませんでした。こち亀サイドが、ワシが迷惑かけてすいませんでした……」
「り、両津様?!」
ひたすら地べたに頭を付けて謝罪する両津。当人もここまで話が肥大化するなんて思っていなかったらしい。主に悪いのは筆者だが。
「頭を上げてください! こういうのは二次創作では往々にしてあることなんですから!」
「そーなの?」
「そうですとも! 設定を盛りに盛ったあげく全部書ききろうとして倒れたりとか」
「うん。あり得そうだな……」
「筆者独自の解釈が過ぎて読者から”違くね?”とツッコミを入れられてカンシャク起こしたりとか」
「あー有り得そう~」
「書いてる途中で18禁小説にも手を出して両方共に破綻するとか」
「アンケの結果がまた微妙に終わったからなぁ。無理しないで進めてほしいぜ」
「書いてる途中でアプリゲームのイベントに気を取られて更新を怠ったりとか」
「FGOとウマ娘だろ? この作品の執筆始めたらどちらも殆ど手を付けてないらしいじゃねえか」
「進めていない18禁ゲームに手を出して作品の進行が出来なくなったりとか」
「購入から1年近く殆ど手をつけてないらしいぞ」
「プラモデル作りに没頭したり」
「一番可能性あり得るだろ?! バンダイさん年末年始に向けて新作ドカドカ出し過ぎで筆者は買うだけになりそうだと嘆いていたぞ!」
「それらに比べたらまだマシではないかと」
「本当にこの作品、ちゃんと走り終えるのかよ?!」
改めて書いてみると不安だらけだが、必ず書き終えようと心に誓う筆者であった。
「あと、いよいよ35000UAを達成しましたね。皆さまありがとうございます」
「このタイミングで言うのかよ?!」
玉晒K~I:築いたものは崩される
DGPのロゴマークが映し出される。放送用としての映像素材だろう。その直後暗転して1人の人物のインタヴューが流れる。インタビューを受けているのは我らが仮面ライダーギーツ・浮世英寿(21)だ。
―― デザイアグランプリが生まれ変わりましたが ――
「このゲームにオーディエンスがついていた事は想像ついていた。が、問題は今回から加わった新ルール。プレイヤーの中にデザスターと呼ばれる裏切り者が居ると言う方だ」
―― カメラの向こうのオーディエンスへ一言 ――
「さぁ、オーディエンスの皆は誰がデザスターか……見抜けるかな?」
今やライダーたちの宿泊所となったサロンにて、キッチンワゴンで運んできた朝食を景和と両津が配膳している。白米・味噌汁・焼き鮭・玉子焼き・胡瓜と白菜の浅漬け・海苔佃煮・梅干し。ごくごくシンプルな朝食だ。用意された朝食を見て祢音がはしゃいでいる。
「これ、景和と両さんの手作り?!」
「まさかとは思うけど、下剤とか入れてないでしょうね?」
「え……?」
冴が疑いの目で見ている。その声に祢音も一瞬で声がくぐもった。だがそれも仕方ない。ライダーたちはライバルでもあるのだ。
「そんな事するわけないでしょ」
「おう。だいたいそれなら2人で作るわけないもんな」
「ねー!」
用意した2人が否定する。だがそこへ更に否定の声を上げるものが居た。英寿である。
「もしどちらかがデザスターならあり得る。プレイヤーを妨害するのが裏切り者の役目だし。既に結託している事だって……」
英寿もいつになく慎重だ。冴が立ち上がり自分の荷物に向かった。
「アタシ、大事な試合前は他人が用意した飲食物は摂らないようにしているの」
「へー……アスリートの人ってそうなんだね」
祢音は冴の手にした固形栄養食を興味深そうに見ている。用意された食事を無言で見ていた大智が口を開いた。
「何故君たちが朝ゴハンを作るなんて言い出したのか……興味深い問いだ!」
「お前、何でもクイズにするのな」
「ああ。あらゆる雑学を網羅した今、僕を最も引き付ける難問は人の心……」
エプロン姿の両津がため息交じりで返した言葉へ更に返す大智。
「ワシは店で毎朝仕込みをしているからな。朝食もそのついでで良くやっている」
「俺は普通に料理をするのが好きなだけだよ。両さんから声をかけられたから一緒に用意しただけ。今でもこども食堂のボランティアとかやっているし」
「お前そういうのやってたのか。もし良かったら今度ワシも連れて行け。面白そうだ」
「ホント? 両さんの腕前なら皆喜ぶよ!」
「よっしゃ! さて、皆食おうぜ。冷めちまう」
「そうだね、じゃあ皆……頂きます!」
「「「「頂きます!」」」」
景和に続き、両津・祢音・大智、そして海苔佃煮を見て目の色を変えた英寿も手を合わせた。
皆が食べ始めると1人拒否した冴の鼻腔に味噌汁の香りが届き、口中に唾液が一気に分泌され喉をゴクリと通る。
「……仕方ないわね。味噌汁くらいは飲んであげるわよ、味噌汁くらいなら」
「! へっへっへ……どーぞどーぞ」
両津が下卑た笑顔で返す。だがそれは罠だ。
「! 何これ……嘘でしょ? しょ、しょうがないなぁ~せっかく炊いたご飯を余らせても勿体ないものね。こ、これだけよ! お椀に盛った分くらいは」
「うんうん。確かにご飯は大切に食べなきゃね~」
景和もニンマリと笑顔になっている。冴は恐る恐ると箸に取った一口大の白米を口にした。
「嘘でしょ……凄い……こんなに美味しいご飯なんて。いつぶりだろう?」
「冴さん……冴さん?!」
「ほ~う……」
「これは珍しいものを見た。我那覇冴、もしかしてこの炊き立ての白米。新潟の新米の美味しさに泣いているのかい?」
「泣……泣いてなんて……ただ、ご飯があまりに美味しいから。美味しくて……美味しすぎて……ふえ~ん!!」
「ちょ?! 冴さん、大丈夫?!!」
急ぎハンカチとティッシュを用意する祢音。冴は泣きながらもどんどん朝食に手を出していく。いつの間にか用意されたオカズにも手を出していたがそれよりも飯茶碗に盛られた白米の消費が早い。それは冴だけではなく、大智・英寿もだ。
「さて、飯のお替わりは当然あるんだけどよ。欲しい奴は誰だ?」
「頂こうか」
「当然だ」
「……頂きます」
「もらうよ~♪」
「結局全員だね」
「だから言ったろ? こいつらちゃんと食べるって」
英寿は更に海苔佃煮のお替わりも要求。冴は大盛りでの要求をした。冴はふと疑問にした事を口にする。
「ねえ、ご飯を用意したのはどっち?」
「ワシだな」
「流石超神田寿司の職人さんだよね~」
「! 超神田寿司?!」
冴が珍しく黄色い声で素っ頓狂な驚き方をする。
「どうした冴ちゃん?」
「ん? ううん! 別に!! ……そうか、そりゃあ美味しいワケだわ」
「どうかした、冴さん?」
「べ、別に何でもないったら!」
横に居た祢音も心配がっている。冴は黙々と大盛りの白米を食べ続けた。
チラミのオフィスにて。ツムリが持ってきたキッチンワゴンから景和と両津の用意した朝食が準備されていく。
「ちょっと何よこれ?」
「桜井景和様と両津勘吉様からおすそ分けです。見ての通り朝食ですが」
「んな事見りゃわかるわよ! なんでアタシたちにも用意されたのかって聞いているのよ!!」
「単なる御好意だと思われますが?」
「あいつらが……特に両津勘吉が善意でですってぇ?」
「お嫌なら別に食べなくても良いんですよ。その分私が頂きますから」
「食べないなんて誰が言ったのよ! ふ、ふん……見た目は良いわよね。でも見た目だけじゃダメ。肝心なのは味なんだから……!」
一口目を恐る恐る運んだチラミは、それ以降無言となり一心不乱に目前の食事を食べていく。気が付くと全て平らげていた。
「ちょっと! 足りないわよ!! ……お替わりは頼めるのかしら?」
「少しお待ちください。……ご飯とお味噌汁、あとは漬物と海苔佃煮、梅干しは直ぐに用意できるそうです」
「十分よ! 早く持ってきなさい!!」
「では頂いてきますね」
キッチンワゴンにチラミのお盆と自身のお盆を乗せてお替わりを貰いに部屋を出ていくツムリ。ドアがパタリと閉まるとチラミは腕組みしながらボソリと呟いた。
「フンだ! ……これが”美味しい”って事、なのかしら?」
再びサロンにて。朝食を食べきったライダーたち。特にかなりお替わりをした冴は目一杯炭水化物を摂取した事に自己嫌悪を抱いている。
「あー……食べちゃった。いくら美味しいからって食べ過ぎだった……。でもあの味には負けるしかなくない? ごめんね……姉ちゃん弱くって。美味しいご飯には勝てなかったよ……」
「もー冴さん、仕方ないって! 相手は一流寿司屋の職人さんだよ? そこに料理好きの景和が加わったら鬼に金棒、良太郎にモモタロス、翔太郎にフィリップだよ。勝てっこないって」
一部の界隈にしか伝わらない例えで慰める祢音。そこに大智も加わる。
「我那覇冴、君の葛藤は理解できるよ。でもいくら誓いを立ててもあの味に抵抗できるかはまた別の問題さ。僕もついお替わりをしてしまう美味しさだったからね」
「そーいえばアンタも随分お替わりしていたわね……一体何杯食べてたの?」
「白米を5杯に味噌汁を3杯」
「大智くん、2合半も食べてたの?」
「止まらなくなる美味しさだったからね。ちなみに皆の食べている量も数えていたよ。浮世英寿が6杯。桜井景和が4杯。両津勘吉が10杯。鞍馬祢音が3杯で、我那覇冴が7杯」
「「言うんじゃない!!」」
デリカシーに欠ける大智は祢音と冴の食べた量も言ってきたため、2人は顔を真っ赤にして怒る。
炊事場では皆の食べ終えた食器を洗う景和と両津が楽しそうにしていた。
「やっぱり業務用の炊飯窯、持ってきて正解だったな」
「でも凄いよね。あんなの見るのはこども食堂以来だよ」
「どうせ何だかんだ言ってこいつら食うと思ったからな」
「でも凄いよね。ご飯本当に美味しかったし」
「超神田寿司みたいに炭火で炊けりゃ一番美味いんだけどよ。でもどこでも出来るって訳じゃねぇからな。ワシなりに電気釜やガス釜でも美味く炊けるようコツは掴んでる。でも上手くいって良かったぜ」
2人が食器を洗い終わりサロンに戻るとチラミとツムリが待っていた。いつものようにテンション高めで楽し気にチラミが話しだす。
「はーい、美味しい朝食をありがと~♪ レディース&ジェントルメンに朝食のお返しにプレゼント! アナタたちのスパイダーフォンにデザスターの投票機能をアップデートしたわ」
そう言われてライダーたちはそれぞれのスパイダーフォンを確認するとチラミの言う通りに投票用アプリが勝手にインストールされていた。
「次のゲームが終わるまでに、デザスターだと疑う人に投票して頂戴! 投票は途中で変えてもOK!」
最後の部分だけ妙にハイスパートで言い切るチラミ。一瞬何を言っているのか聞き取れない者も居た。そして飛びかかろうとした両津を景和・大智・祢音・冴は大慌てで押さえつける。
「うん。気持ちはわかるから! わかるんだけどさ!」
「両津勘吉、君が暴れるとまた話が脱線する」
「だから今は大人しくしていなさい! ……うん。アタシもその気持ちはすごーくよくわかるから」
「だから両さん! 今はガマンして! ね?」
「お……お前らぁ~~!!」
自分の安全が保障されているとわかるとチラミは更に調子良く喋りつづけた。
「そして、ゲーム終了時点で全員から票を入れられたプレイヤーは……強! 制! 脱落~♪ フーワ!!」
「「「「「「?!」」」」」」
食事の余韻が吹き飛ぶくらいの衝撃的な説明に目を見開くライダーたち。追いかけるようにツムリからも補足が説明される。
「! デザスターではなかったとしても脱落となってしまいますので、皆さん良く考えて投票してください」
「ちょっと待ってください! なんでこんな……ライダー同士が足を引っ張り合わなければならないんですか?」
景和が声を荒げて質問をする。そこへ下卑た笑顔交じりでチラミが答えた。
「そういうリアリティショーだからよ」
「世界の平和がかかっているんですよ?!」
「フン! そーねぇ……もし入れたくなかったら入れなくてもOKとするわ。本当に入れたくないって思いきれるならね……ホーホッホッホ♪」
「フ……望む所だ。……ゲームマスター」
楽し気に語るチラミを見据え挑戦的な笑みで言い放つ英寿。
「入れるもんか……こんな事で俺たちの気持ちを揺さぶられてたまるもんか!」
挑戦的な表情をしている景和を見て、とあるVIPルームである男が呟いた。
「やれ! ……お前こそがデザ神になるんだ。桜井景和!」
スーツを着たカエルの置物のような風体の存在は外見に似合わずかなり良い響きの低い声で景和に対し少々重めの感情をぶつけているようにも見えた。
その直後である。楽し気なチラミの顔面が真横から衝撃が与えられてひしゃげてサロンの壁目掛けて激突した。ライダーたちから押さえつけられていた両津が既に解き放たれてチラミを殴っていたのである。
「ぷうわぉおおおおおおおおおおお!!」
「おう? まだ言い足りない事があるか?」
「アンタは! またアタシを! 殴ったわね?!」
「おう。こんな理不尽押し付けられて黙っていられるかってんだ。特に言う事も無いんだったらとっととこのアプリ消せよ。じゃねえと永遠に殴り続けるぞ」
「ひぁ?! 待ちなさい! アタシの一存じゃ決められないわ! これはデザグラ運営の、そしてオーディエンスの総意よ!!」
「何だと?!」
「「「「「!」」」」」
その言葉にゾッとしたものを感じたライダーたち。少なくともこのデザグラを視ている者たちの中には自身に対し破滅を求めている者も居ると言う事だ。
「笑えない話だね」
「そうね……アタシたちそれぞれの不幸を願うヤツがこれを視ているって事よね」
「うわぁ……気持ち悪いよぉ」
「そう言うなよお前たち。大事なお客さんだぜ。ロクでもないヤツばかりってのは良く分かったがな」
「おう、見てるか? デザグラ観戦しているクソども!! ワシらはお前たちの思い通りには絶対ならんからな!!」
両津が室内の何処かに仕掛けられているカメラに向かってデザグラ視聴者たちへ宣戦布告をした。
VIPルームで見ていた中川が両津の姿を見て誇らしげにしていた。
「やれやれ。先輩らしいと言うか何と言うか。……とは言え、恐らく今のままだと状況は不利か。頼みますから早々に脱落なんて勘弁してくださいよ、先輩」
筆者です。「玉晒K~I」をお送りしました。
先ずは35000UA達成。本当に皆さまのお陰です。ありがとうございます! 引き続きご愛顧頂ければ幸いです。
リアリティライダーショーでの朝食シーン。書きたかった場面です。両さんを加えたらとずっと想像しておりました。冴さんを泣かすのは最初から決まっていました。美味しいゴハンを食べて泣くと言うのは筆者の過去の体験も加わっております。それなりに大変な時期もあったんですよ。
さて、先に謝罪しておきますと今回の「玉晒」でこの二次創作はかなりのターニングポイントを迎えます。読者の皆さまからご感想やメッセなどで先の展開について多々ご意見を頂いているのですが、ここを終えて次の展開からかなり物語としては難しくなっていきますので好きに動かせなかったんですね。そしてそこからは怒涛の展開をお送りしようと思います。10月中に始められるか、それとも11月からになるかは筆者の筆の進み具合だと言うのが何とも……ある程度プロットは組んでいますがまた脱線脱線となりそうで今から楽しみですw
18禁小説アンケートのご協力もありがとうございました。まさかの同点終了。24:24。これはもう発表して良いって事ですよね? 但しメインはこちら「ギーツVSこち亀」ですので無理せず進めます。当分は不定期かな……
では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。
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