仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「リアリティライダーショー、デザイアグランプリ!! 今回からゲーム内容も一新! 秋らしく、スッポ――ツを行います」
「ツムリちゃん、妙にやる気だな……ジャージまで着込んでよ」

 両津が引くのも無理は無い。今のツムリは白と黒を微妙なバランスで組み合わせたデザインのジャージを着込んでいるからだ。背中には当然”DGP”のプリントもされている。

「読書の秋、芸術の秋、食欲の秋。でもやっぱりスポーツの秋です。どんどん身体を動かしましょう!!」
「あー、うん。わかるわかる」
「どんどん身体を動かさなきゃねー」
「? 祢音ちゃん、冴ちゃん。どういう事だ?」

 突然現れた祢音と冴。彼女たちもジャージ姿だ。

「頑張ろうね、ツムリちゃん!」
「一緒に走ろう! ツムリ!!」
「お2人とも……はい、私頑張ります!!」
「いったい何なんだ?」
「両さん両さん」

 こっそり手招きする景和。大智も居る。

「あれ、間違いなく俺たちのせいだからね」
「自覚しろ……とは言わないが、もう少しその、手加減をだな」
「どういう事だ、お前ら?」
「最近俺たちが食事作る様になってきたでしょ?」
「ああ、そうだな。皆が美味そうに食ってくれるのは嬉しいもんだぜ」
「彼女たちの食事量とか考えた事はあるかね?」
「え……? あ! そう言う事か~」
「俺たちもう少しカロリー計算とか考えないとね……」
「あっちゃあ……もう少し気を遣うべきだったなぁ」
「いや、僕は今のままでも構わないけどね」

 そう言っている大智の横腹をムニっと掴んで景和が言った。

「大智くんも油断しているとマズい事になっていくよ」
「言わないでくれ! ……そろそろ鍛えるか」

 天高く馬肥える秋。ライダーたちが肥えるのはあまりに笑えない。


玉晒III:築いたものは崩される

 ――RIDER team00 VS JYAMATO team05――

 

 同じく得点が表示されたグラフィックが虚空に表示されている。

 

「点を取られたみてぇだな……」

「みたいだね。と言うかいつの間に試合なんて始まっていたのさ?!」

 

 その直後、デザイア神殿には残り4人のライダーたちが集められてツムリからゲーム開始の説明がされている。

 

「ジャマトが現れました。これより第2回戦、ジャマーボールを始めます」

 

 その言葉が出た直後、ライダーたちはタイクーンとタートルズの居た施設の前に送り込まれる。

 

「ライダーとジャマトの陣地に別れ、6人チームでボールを奪いあいます。ゲームは前半と後半の2回。それまでに相手陣地のゴールにボールを入れ、得点が多かったチームの勝利です」

 

 ツムリのここまでの説明に大智と祢音が意見を述べる。

 

「要はドリブルの無い足が使えるバスケみたいなものか」

「じゃあ今回は仲良く団体戦って事ね」

 

 デザイア神殿からツムリが返答する。

 

「はい。但しゲームに負けたらジャマーエリア内の町は滅び、人々は助かりませんのでご注意下さい」

「中野区が?!」

「いや両さん……なんで中野区?」

「あれ? もしかして厚木市の方だったか?」

「さっきから何言ってるのアンタ?」

 

 両津の唐突な驚きに景和が訊ね、そして冴も呆れながら伺いだした。

 

「いやだってロケ協力に”東京工芸大学”と書いてあったからよ……」

「だから中野か厚木か悩んでいたの?!」

「どう考えても周辺のビル群からしてここは中野区だろう。厚木市には悪いがあそこまで背が高いビルはキャンパス周辺には殆ど存在しない!」

 

 大智が力説した。説得力が違う。

 

「もしジャマト側のゴールが本厚木カントリークラブのクラブハウス上空ってのなら僕たちが楽だったけどね」

 

 要らん事も言った。

 

「今度はこっちが攻める番だ」

 

 英寿がそう言った直後にジャマトライダーが現れる。

 

「ハッ! とぅ! せぇっ!」

「ジャバ?!」

『 SET CREATION 』

 

 ジャマトライダーをけん制しながらパワードビルダーバックルを素早く差し込む。

 

「変身!」

『 DEPLOYED POWERED SYSTEM GIGANT HAMMER 』

「ふんっ!」

「ジャバ――?!」

 

 手にした青いギガントハンマーを振り回し、ジャマトライダーをぶっ飛ばすギーツ。

 その後を追う様に残り3人も変身する。

 

『『『 SET 』』』

「へーん……」

「「「変身(っしん)!!」」」

『 ZOMBIE 』

『 BEAT 』

『 MONSTER 』

『『『 READY……FIGHT!! 』』』

 

 ギーツは手元のボールをタイクーンに放り投げた。

 

「タイクーン、取り返すぞ」

「う、うん……冴さん!!」

 

 タイクーンは真っ先にゴール地点に向かって移動しているロポ目掛けてボールを投げる。ライダーの力でパワーアップされた腕力で投げられたボールは超加速でロポの目前まで飛んでくる。

 

「はっ!」

 

 パシっと受け取ったロポはそのまま更にゴールに近づこうとするも別のジャマトライダーが立ちふさがり進む事が出来ずにいた。

 

「はぁああああああっ!!」

 

 ボールを更に別のライダーに向かって投げる。その先にはナッジスパロウが待ち構えていた。

 

「ふんっ!」

 

 ナッジスパロウは受け止めたボールを手に、そのままビルの屋上を駆ける。だがその進行を幾重もの蔦を床から伸ばしたジャマトライダーが阻む。

 

「せぇいっ!」

 

 蔦と蔦の間をすり抜けるように投げられたボールはギーツが受け止める。更に今度はゴールに向かって走り出したロポに投げた。

 

「てぃっ!」

「よしっ……たぁあああああ!」

「ジャジャ?!」

「……! 行くよっ!」

 

 目前にはジャマトが2体。うち1体の頭に手に持っているボールを投げて、その反動で再び自身に飛んで来たボールを受け止め走る。別のビルの屋上に待機していたナーゴが視界に入ると急ぎパスを送る。

 

「オッケー! ……うそ?!」

 

 ナーゴがボールを手に取った瞬間、壁伝いに蔦を伸ばして高速で登ってきたビショップジャマトが現れた。気を取られた隙を見てジャマトは掴みかかってくる。そしてナーゴの手にしたボールを勢いよく弾く。

 

「ああ――っ?!」

 

 ボールはビルとビルの隙間に落ちて、そこで待機していたジャマトが受け止めようとしていた。

 だがそこにギーツが思いきり背面飛びで落ちてきたボールを奪取する。着地すると前後にジャマトがやってきた。ボールを取り返そうとジリジリ迫ってくるジャマトたちの隙をついて、胸部のアーマーが展開し”チェストビルダー”と言う名称のサブアームとなってボールを掴む。

 

「行け、ロポ!」

 

 チェストビルダーがおおきく振りかぶって投げたボールはゴール直前のロポがキャッチする。だがそこに瞬時に終結した3体のジャマトたちが触手を伸ばし、文字通りの壁を展開してシュートを阻む。

 

「くっ……どうすれば?」

「だあああああああああああああ!!」

『 TYPHOON CHARGE 』

「?! 両津勘吉?」

 

 そこへ遅れてやってきたタートルズが大ハリセンを構えて現れる。

 

「ワシがこいつらをぶっ飛ばす! その隙にシュートだ、冴ちゃん!!」

「……わかった!」

『 TYPHOON FINISH 』

「でやぁあああああああああああ!!」

「ジャバッ?!」「ジャジャジャジャ!」「ジャリッパー?!!」

 

 緑色の衝撃波を繰り出したタートルズの一閃が妨害していたジャマトたちを吹き飛ばす。障壁が崩れた所へジャンプしたロポはゴール至近距離でシュートを放つ。

 

「てぇえええええええええい!!」

 ―― GOAL ――

 得点が加算される。

 ――RIDER team03 VS JYAMATO team05――

 だがゴールを決めたはずなのに2点差が出ている。

 

「え……? 3点?!」

「近距離からは3点。遠距離ラインからのゴールなら5点になります」

 

 得点が少ない事へ疑問を持ったロポに、デザイア神殿からツムリが説明した。

 

「先に言え先に……」

「けど、得点は得点。アシストありがとうね、”両さん”」

「冴ちゃん……よし! まだこれからだ、取り返すぜ!!」

「っしゃ!」

 

 ジャマト側からのスタート。ボールを手にしたジャマトライダーは蔦を触手として伸ばし、背にしたビルの壁面をギーツに向かって飛ばしてくる。

 

「何でもアリか……ふんっ!」

 

 即座後ろに飛んで直撃を避けるギーツ。飛び散る破片の上に次々と飛び乗って攻撃そのものからのダメージは避けた。だがその分動きは制限されていたため、ジャマトライダーが味方のジャマトにパスを送る。

 

「マズい! そっちは!!」

 

 こども食堂がある施設の建物上空がライダー側のゴールとなっているため、敵が攻めて来ると言う事は必然的にこども食堂にジャマトが近付くという事になる。まだ建物に残っている皆を守るために急ぎタイクーンは戻る。

 

「この食堂に近付くな!! たぁああ! せいぁ!!」

 

 ボールを持ったジャマトライダーに攻撃するタイクーン。倒れたジャマトライダーの手からボールがこぼれ、そのボールを奪いに行こうとするもルークジャマトが現れ攻撃していた。

 

「くっ……! がぁああ?! うわぁあああ!!」

「グゥアアアア……ショウボウシ ナンデネ ツイ ジンメイキュウジョヲ ユウセンシテシマウ……」

「?! 消防士? ……まさか」

 

 ―― 消防士なんでね。つい人命救助を優先してしまう ――

 

 それはタイクーンとなる前、桜井景和が初めてデザグラと言うものを知った時に遭遇したライダー、仮面ライダーシローこと豪徳寺武が景和を救った時に言ってきた言葉だった。

 

 ルークジャマトは倒れているジャマトライダーからボールを受け取り、おおきく振りかぶってシュートを決める。

 

「? しまった!!」

 ―― GOAL ――

 

 タイクーンが気付くも後の祭り。3点奪われる。

 

「……くそっ」

「? タイクーンは一体どうしたんだ?」

 

 少し離れていた場所で様子を見ていたナッジスパロウがタイクーンの様子がおかしい事に気付く。

 

 以後の戦績はナッジスパロウが3点取って都合6点。

 更にやはりタイクーンがガードしきれずジャマト側に5点追加で13点。

 ギーツのロングシュートで5点追加のライダー側11点。

 

 ここで前半タイムアップ。

 ――RIDER team11 VS JYAMATO team13――

 

「前半戦終了か」

 

 ギーツのその声に張り詰めた緊張が一気に抜け、膝を付く者も数名居た。

 

 場面は暗転しライダーインタビューが始まる。今回は仮面ライダーロポ・我那覇冴(22)に向けてだ。

 

 ―― ジャマーボール前半戦を終えてみての感想は? ――

 

「怪しい態度だったライダーが居たね。デザスターかも知れないし警戒しておいた方が良い」

 

 その綺麗な顔に陰りを見せてインタビューに答える冴だった。




 筆者です。「玉晒III」をお送りしました。
 いよいよ始まったジャマーボール。球技がとことん苦手な筆者が書く球技小説はいかがでしょう?w こんな事ならロウきゅーぶ!とかちゃんと読むべきでした。
 テレビ本編の展開はもうご存じかと思われますが、次回から拙作の独自展開となっていきます。気に入らない方は回れ右された方が無難です。言うなれば全部両さんのせいですw 
 しかしテレビ本編も良く出来ていたもので、どいつがデザスターかと疑心暗鬼になり始めた頃合いでチームとしての結束力を試されるジャマーボールになった訳ですから、どれだけ意地が悪いものかねとw 拙作ではこの辺のバランスに更に両さんが加わるのでかなりかき回さないといけませんけどね。

 明日の更新分からじわじわと、そして一気に大胆に、テレビ本編との差異が生まれてきまして、テレビ本編をなぞっているようで別展開になるというかなり難易度高めの進行となっていきます。今までだってほぼそうでしたが、今後はかなり大胆にハッキリとなっていきます。それでもどうか筆者自身が、そして読者様の皆さまが楽しめる作品となることを祈ります。

 では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。

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