仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「しっかしここまでチームワークめっちゃくちゃな連中で球技とはなぁ」
「言うなよ両さん。あくまで演じているキャラそれぞれの性格が問題なだけで、本来の役者さんたちはそれぞれ球技経験者なんだぞ」
英寿が反論する。調べてみるとわかるが、英寿を演じている簡くんは野球とラグビーを趣味としているし、景和を演じている瑠雅くんもサッカーを趣味としている。冴を演じている小貫莉奈ちゃんも趣味・特技にバスケットボールを挙げている。
「となると、祢音ちゃんと大智かー」
「仕方ないよ~向き不向きはあるもん!」
「歌とダンスと絵なら任せてもらいたい」
祢音と大智がやってきた。祢音を演じる夢奈ちゃんは引きこもりを宣言しているし、大智を演じる大くんはどちらかといえば文化的キャラである。
「そしてショックな事を知った。タイクーン、早めにアイツを止めないとマズい事になりそうだぞ」
「アイツって……あのジャマト?」
「ああ。ルークジャマト……元々は仮面ライダーシローこと豪徳寺武を演じている金城大和さんだ」
英寿が調べたところ、金城さんの趣味もバスケットボール。彼だけじゃない、恐らく敵側にも大量に球技経験者を元にしたジャマトが居るだろう。もしかしたらジャマーボールに投入された全てのジャマトがそうかもしれない。
「じゃあ先ずは改めて親睦を深めるためにも何か球技をやろう」
「じゃあ何からやる?」
「うーん……ワシが好きな草野球とか」
「「「「「けつ(な)あな確定とか言わない?」」」」」
「言わねーよ!!」
某S選手の性癖暴露のせいで野球のイメが汚くなったものだ。
いよいよ後半戦が始まる。
――RIDER team11 VS JYAMATO team13――
2点差が付いていて状況は芳しく無い。デザイア神殿からツムリが再びナビゲートをする。
「それではジャマーボール後半戦、キックオフです!」
ジャマーエリアに移動したライダー達は後半戦開始早々信じられないものを見る事となる。敵側のジャマトの数が明らかに増えている。ライダー6人に対しジャマトは30体だろうか? 祢音が呟く。そして冴も相手側を見て顔面蒼白となる。
「なんかあっちの数増えているよね……6対6じゃないの?」
「ボールも2つに増えている……」
大智が怯える皆に活を入れようとする。
「皆、くれぐれもペースを乱されずに。特に景和……辛いのはわかるけど」
「うん……ありがとう大智くん」
1人表情を崩さない英寿は両津に耳打ちをする。
「マズいぞ。このままだと圧倒的にこちらが不利だ。何か策はあるか?」
「一応はな。あんまり使いたくは無かったけどよ。とか言っているお前も何か用意しているんだろ、英寿?」
「それなりに」
互いの顔を見て苦笑する2人。その姿を見て祢音と冴、そして大智は呆れていた。
「こんな状況でも笑えるんだ……」
「大物と言うかバカと言うか……」
「流石に羨ましさよりも神経を疑いたくなるね……」
3人の言いっぷりに若干引く両津。
「おーおー、流石に酷い言われようだぜ」
「始まるぞ!」
英寿の号令で景和以外のライダーたちはバックルを構え差し込んだ。
『 SET CREATION 』
『『『『 SET 』』』』
『 ENTRY 』
「へーん……」
「「「「「変身(っしん)!」」」」」
『 DEPLOYED POWERED SYSTEM 』
『 ZONBIE~ 』
『 BEAT 』
『 MONSTER! 』
『 BIG WIND FAN 』
タイクーンは後衛、タートルズはセンターに、それ以外のライダーは皆突進する。
ギーツが1つ目のボールを奪取するとそれを皮切りにライダーたちのパスラリーが始まった。ギーツからナーゴへ、ナーゴからロポへ。
ナッジスパロウも2つ目のボールを奪取したが、ルークジャマトがすぐさま奪い返しロングシュートをする。だがこれが予想外過ぎるクソボールのためゴール下の建物・こども食堂がある施設に直撃した。
「? マズい!!」
ゴール前で待機していたタイクーンは急ぎ建物に突入。間一髪、こども食堂の天井が崩れ落ちたがタイクーンが防いで事なきを得た。
「危ない!!」
「景和?!」
「景和くん……なの?」
檸檬と纏がタイクーンの姿となった景和に声をかける。仮面越しでもわかる彼のひたむきさに安堵する姉妹。
「皆、大丈夫? さぁ早く奥に逃げて!」
「わかったのじゃ!」
「景和くんも気を付けて!!」
皆が退避したのを確認してから、支えていた天井の瓦礫を退けたその時にアナウンスが響いた。
『 SECRET MISSION CREAR 』
「え?」
タイクーンが居た場所の近くにあるテーブルに、タイクーンのクレスト入りのアイテムボックスが送られた。中にはコマンドジェットバックルが入っている。
「……子供たちを、皆を守らないと」
―― シークレットミッションクリア 最初に一般人を3人救助する ――
この様子をVIPルームで見ていたケケラは自分の予想の範疇通りに事が運んだことを満足そうにほくそ笑んでいた。いや、カエルの置物の姿なので常に笑い顔なのだが。
「フッフッフ~予定通り♪」
「確かにタイクーン向けのミッションだな」
「だろ? と言うかジーン! ミカンばっかりバクバク食べているんじゃねぇよ!!」
「ゴメンゴメン、つい美味しくて。あ、お詫びにピザでも頼む?」
「要らんわ!」
あのまま居ついたジーンはちゃぶ台に用意されていた大量のミカンを一人で貪り食べていた。
建物の外に出たタイクーンは、瓦礫の中からボールを見つけ出したルークジャマトと対峙する。だがルークジャマトはタイクーンに構わずシュートが打てる位置に移動しようとしていた。
『 SET 』
「! ……皆は、俺が守る!!」
『 GREAT! READY……FIGHT! 』
「ふんっ!」
ルークジャマトに飛びかかり一心不乱にレイジングソードを振るうタイクーン。脳裏にはこども食堂に居た皆、そして檸檬と纏の笑顔が浮かんでいた。
レイジングソードがフルチャージすると急ぎキャノンバックルを取り外し左スロットへ差し込む。
『 FULL CHARGE TWIN SET TAKE OFF COMPLETE JET AND CANNON READY……FIGHT! 』
「はっ!!」
コマンドフォームジェットモードとなったタイクーンはジェットの推進力でルークジャマトに突進した。そのまま宙に舞い上がり幾重にも斬りつける。地面に叩き伏せ最後の一撃を与えようとするも、ここでルークジャマトに変化が現れた。
「え……?!」
「君と一緒にしないでもらいたい……」
ルークジャマトは豪徳寺武の姿に変貌する。
「あ……貴方は」
驚き固まるタイクーン。豪徳寺の姿のままで近くに落ちていたボールを拾うルークジャマト。シュートのモーションを取りながら元の姿に戻ろうとした所、ナッジスパロウが駆け付け殴りかかる。
「せい! ボールは渡さないよ……怪物!!」
何度も攻撃するナッジスパロウを見て胸が締め付けられたタイクーンは思わず飛び出した。
「やめろ! やめてくれ大智くん! 違うんだ!!」
「邪魔するな、景和!! ぐわぁっ?!」
弾みで押したその衝撃で強制変身解除された大智。
「ちょっと何してんの?!」
その様子を見ていたロポは思わず動きを止めてしまった。その隙に別のジャマトがボールを奪う。
「しまった?!」
「ジャジャジャ!!」
一気にゴール前まで攻められ至近距離シュートを決められ3点奪われた。
――RIDER team11 VS JYAMATO team16――
「マズいぞ……負け越したままタイムアップになれば、このエリアが消える」
「そ……そんな」
ギーツの呟きに呼応するようにタイクーンが弱気に呟いた。
インタヴューが始まった。色々な意味でオーディエンス達から最も注目されている仮面ライダータイクーン・桜井景和(22)へだ。
―― あなたがデザスターですか? ――
「やめてください! ジャマトが退場した人の言葉を喋ったんです!! ……だから、ためらってしまって」
―― ジャマーボール後半戦の感想は? ――
「俺のせいで、ジャマトにリードされちゃって……裏切り者のデザスターが俺だって疑われているけど、俺じゃないんです! 信じてください!」
後半戦で景和は弾みでナッジスパロウこと大智を押してしまい、強制変身解除をさせてしまった。ロポは駆け付けタイクーンに詰め寄る。
「貴方がデザスター?!」
「ち、違う!」
動揺するタイクーンこと景和。倒れていた大智が起き上がる。
「皆、僕は大丈夫だから……何とか巻き返そう! ……景和、君には悪いけどジャマトは僕がぶっ叩く」
タイクーンを真っすぐ見つめる大智。その瞳を見る事は今の景和には辛すぎた。
「ボールは頼むよ、ロポ……」
「……わかった。景和、もうそこで大人しくしていて」
ロポの言葉に何も言えなくなっていたタイクーン。様子を見に来ていたギーツも早々にポジションに戻る。ナーゴも何とも声をかけ辛くなっていた。
ロポはゾンビバックルを抜いてニンジャバックルを差し直す。大智は再びモンスターバックルで変身する。
『『 SET 』』
「「変身!」」
『 NINJA 』
『 MONSTER! 』
「せいやぁ!」
モンスターフォームに変身したナッジスパロウはバックルの可動部、帽子部分を2回押し込み必殺技”モンスターストライク”を放った。右腕のモンスターグローブに星型のエネルギーを集め巨大な拳型のエネルギー弾を発射する。
エネルギー弾は先行で走るロポの上部にまで迫ってきた。素早く上半身を逸らしたロポを掠め、そのままジャマトに群れに突っ込む。
「「「ジャバジャバジャバジャバ?!」」」
直撃を喰らったジャマトたちはそのまま吹き飛んだかと思われたが、その直後にまた新たなジャマトたちが現れる。
「? クッ……せぃ!」
ロポは平行線に居たナーゴにパスをした。
「向こうだけ交代要員が居るなんて卑怯!」
「いや全くだ。だがな、そりゃ負ける奴が言う言葉だぜ」
「もう! 両さんはどっちの味方なの?!」
―― バカモン! ”卑怯”とか”汚い”とかは負けたヤツの遠吠えだ。要は勝てば良いんだよ、勝てば! ――
こども食堂に集まった子供たちに両津自身が言い放った言葉である。自身の言った言葉を反芻し、両津自身も苦笑した。
筆者です。「玉晒VII」をお送りしました。
ギーツテレビ本編でのOA時は2023年1月頃だったジャマーボール回ですが、どういう偶然か拙作は2023年10月現在に展開されています。スポーツの秋ですよ。ウォーキングくらいしかしてないけどね。しかもよりによって前書きが下ネタです。去年流行りましたよねー”けつあな確定な”。
さて、景和を気遣いつつも結局ライダーたちはギクシャクしてきました。しかも後半戦、ジャマトたちの数が多い多い。そろそろ両さんに活躍して頂くタイミングが来ました。それもエグめのヤツを。しかも原典通りだと延長戦まであります。そっちも更にエグくキメようと思います。だけれどもこの玉晒編が終わるといよいよ転換期を迎えるんですよね。楽しみでもあり怖くもあり……そもそも、ここまで楽しんで頂いている読者様たちにその展開はアリなのか?とも自問自答しています。けれども次の展開もこち亀らしいと言えばらしいんですよね。ギーツらしいかと問われたら悩みますけどw
さて、悩んでも仕方なし。頑張って進めていきますのでどうか宜しくお願いします。
明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。
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