仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「と言うか、とうとう来たな海パン刑事め。しかも知らん間に増えてるし。付き合わされているヤツも何と言うか……不幸だな。頑張れ!!」
両津の励ましが届いたかどうか。汚野たけしの横に居たワンワンオーツーは大きなクシャミをした。
「へっくし!」
「風邪かね? ワンワンオーツー」
「そりゃこんな寒いのにこんな格好していりゃな」
「それはいかんな。どれ防寒着を貸してやろう」
「お、助かるねぇ。って網タイツじゃねぇか!!」
海パン刑事の思いつく防寒着はこの程度のレベル。どこまでが防寒となるのか最早ツッコミを入れる気もおきなくなるワンワンオーツー。
「あーくっだらねぇ。流石にヤバいから何か着るぜ。つっても変身解除しないとTシャツすら着れねぇけどな……」
「! ダウンジャケットだと?! この軟弱者!!」
ワンワンオーツーがダウンジャケットを着込もうとするも即座に海パン刑事が引きちぎって強引に脱がせる。
「何するんだよ! あーあーせっかく用意したのに……」
「! ……」
「あ? おい、どした?」
急に無言となる海パン刑事。心配になったワンワンオーツーが声をかける。
「いやその……君の身体が、とてもその……綺麗で」
「? やめろ! 俺をそんな目で見るんじゃねぇ!!」
海パン刑事こと汚野たけしは所謂そっち系らしい。
一際高いビルからライダー達とジャマト達を見下ろす2人の男たち。とにかくその鍛えられた筋肉が凄い。ボディビルダーと一線を画しているのはその全てが実戦的な鍛えられ方をしている事だ。見せる為では無く戦う為の身体。それは決して並大抵の鍛え方で身に付くものではない。2人を見上げ、改めてギーツとナッジスパロウが呟く。
「かつてデザグラに参加したライダーだ。早々に脱落したが」
「ああ、あれは酷かったね……」
汚野たけし、海パン刑事の事を思い返す2人。思わず頭を抱えている。
―― いやーん! 仮面ライダーってこんなピッチリしたスーツを着るのぉ? これだとネクタイが完全に隠れて恥ずかしぃ~! たけし、恥ずかしくて戦えなーい!! ――
自身の一番のウィークポイント、首に巻いたネクタイが隠れてしまい恥ずかしい為戦えないと言い切った海パン刑事。羞恥心の基準が一般人と著しく違う事に当時参戦していたどのライダーたちも大いに呆れたそうだ。
そうして直ぐに変身解除し、以後は一貫して生身で戦う稀有なライダーが爆誕した。恐ろしいのは生身でもそれなりの戦闘力があったと言う事で、悪戦苦闘しながらも戦い続けた汚野たけしこと仮面ライダーワンコー。但しやはり無理があったのか途中で脱落する事となる。
★
「ジャマトの数が予想より多いな……ここは私が引き付けよう。皆は一般市民を連れて先に行ってくれ」
「引き付けるってどうやって? アンタとうとう変身もせずに戦ってきたけど、今度こそ死んでしまうよ?」
やっている事は奇行そのものだが均整の取れた体格に一目置いていた冴は心配になって声をかけた。だが海パン刑事は彼女の予想の斜め上の行動を取る。
「ありがとうお嬢さん。だが心配は無用だ。私には最後の武器があるからね」
「! きゃぁあああああああああああああ!! な、なんでいきなり全裸になっているの?!」
「フ……こうして完全に何も身に纏っていない状態だと流石に奴らも油断するだろう?」
デザイアドライバーを腰に巻き付けている以外は完全に全裸で仁王立ちになっている海パン刑事は冴に力説した。他のライダーたちは完全に呆れかえり、女性ライダーたちは身の危険を感じたのかその場から大きく後ずさりをしている始末だ。
「さぁ、皆は早く先を急いで! 運があればまた会おう」
「あ、うん……元気でな」
「いかんな……あまり視界に入れたくは無いがどうしても見てしまう……」
当時の英寿も大智もその時の事はまだしっかり覚えていた。どちらかと言うと海パン刑事の顔よりも下半身で隆々とそそり立っていた男性自身の方にだが。
古いジャンプ作品だが”花の慶次-雲のかなたに-”と言う作品があった。前田慶次郎利益の半生を描いた歴史小説、隆慶一郎作の『一夢庵風流記』を原作とした漫画なのだが、この作品は少年漫画雑誌連載作であるにもかかわらず異常なくらいに男根の描写が多かった。英寿も大智も海パン刑事の股間を見た瞬間にその作品が頭に浮かんだと言う。
結果、海パン刑事は夢半ばにして退場と相成った。
★
「もーやだー! あの変態、またチ〇コ見せつけに来た――! 冴、もう帰りたい――!!」
「冴さん?! お、落ち着いて……」
ロポの駄々っ子状態にすっかり驚くナーゴ。なんとかなだめようとするも上手い言葉が見つからない。
「随分懐かしい事を思い出してくれたようだが、今の私は一味違ってね」
『 SET 』
海パン刑事は小バックルをドライバーの右スロットに差し込む。横に居る男が声をかけた。
「アンタ、やっぱり拘るんだな」
「フン……君たちライダーたちは小バックルの可能性を過小評価し過ぎなんだよ」
「ヘッ……言うじゃねぇか。まぁ俺はこっちの方が使い慣れているからな」
そうしてもう1人の男はモンスターバックルをドライバーに差し込んだ。
『 SET 』
「「変身! とう!!」」
『 ARMED CIRCLE SHIELD 』
『 MONSTER! 』
ビルから飛び降りながら変身する2人。海パン刑事のその井出達は既に変身していた男と同じく、頭だけ垂れ耳の犬を模したフルフェイスヘルメットを被り海パンを履いたままの姿である。円形のシールドを右手に構え、小バックル系特有の青いプロテクターを纏っているもののトレードマークでありウィークポイントのネクタイが風に靡いていた。
「変身しても海パン姿とは……」
「何もかもデタラメだな」
ギーツとナッジスパロウは新たな変身システムで現れた海パン刑事に驚くばかりだ。
電光掲示板には【EXCEPTION】例外認証された2人の名前が追加されている。
―― 汚野たけし 仮面ライダーワンワンオー ――
―― ??? 仮面ライダーワンワンオーツー ー―
「EXCEPTION……例外認証か」
「両さんみたいな真似をするんだね」
ギーツとナッジスパロウが言った言葉にワンワンオーは返す。
「チラミの提案でな。予想よりも多いジャマトの数にフェアじゃないと声を上げるオーディエンスが多数現れたので我々が参加する事となった」
「あのグラサンオネェめ……こんな時は粋な事してくれるんだな」
ワンワンオーの説明にタートルズが苦笑いしながら応えた。
「さぁ君たち、ゴールと子供たちは我々が護ろう! 思う存分戦ってこい!!」
「後ろは任せろ!」
2人の変態……いや、海パン姿のライダーがディフェンスに加わる。
「行こうぜ皆……」
「ああ! 必ず勝とう!!」
「やるっきゃないよね!」
「やるよ……倒すんだ!」
「フッ……この好機、逃さない手は無いね」
「やるぜテメェら!! アイツらぶっ倒すぞ!!」
ライダー達の士気が高まる。だがジャマト達もそれは同じだ。
「海パン刑事まで来るとはね……」「でもどれだけ増えても同じだよ」「今の僕はジャマトになった」「楽しみだなぁ。この力なら……」「そうさ、この力なら両さんにも勝てる!」「さぁ! ライダー達を倒そう!!」
「ジャバ!!」「ジャジャジャ!!」「ジャブフックストレート!」「ジャリヤマー!!」
6体の丸井ジャマトライダー達が拳を上げて無数のジャマトたちを扇動する。
「いっくぞぉおおおお!!」
「ジャ?!」「ジャン!」「ジャリーゾ!」「ジャッケンナァ!!」
レイジングソードを振るうタイクーンが次々とジャマトを斬りつけてチャージを溜めていく。
「たぁああああああ!!」
「ジャバ!」
ビートアックスを振り回して周囲のジャマトを怯ませるナーゴ。エレメンタドラムを2回叩いてメタルサンダーを叩きこむ。
『METAL THUNDER』
「ジャビビー?!」「ジャビビンジャビビン!!」「ジャ……ジャビレタゼ……」
「いっくよぉ~~♪」
更にインプットリガーを押してタクティカルサンダーを発動する。
『TACTICAL THUNDER』
「「「「「「ジャバジャバジャバババー!!」」」」」」
タクティカルサンダーの強烈な青白い雷が周囲のジャマトたちを襲う。大電圧の電力攻撃を受けて周囲のジャマトたちは完全に無力化された。
ライダー側ゴール付近では溢れ出したジャマト達にワンワンオーとワンワンオーツーが攻撃をしていた。ワンワンオーは円形状の盾をフリスビーの様に投げつけ、ジャマトたちに当てていく。
「ジャパ!」「ジャマ?!」「ジャジャジャ?!」「ジャマママ――?!」
「フンッ! やはりこいつが使いやすいな……」
「いつ見ても器用なもんだ。まるでキャプテンアメリカみてぇだな」
「彼の活躍は勿論知っているさ。映画ならそれぞれ10回以上は見ている」
「どんだけ好きなんだよ……」
「アメリカのケツと称されたクリス・エヴァンスの尻はたまらなくタイプだからな」
「あー聞きたくない聞きたくない!!」
もともとその太刀ぶるまいから所謂ゲイ疑惑が持たれていた海パン刑事こと汚野たけしだが2012年頃から確定されている。そのため、相方であるワンワンオーツーも何度か貞操の危機に見舞われた。今の所何とか回避出来ているが、いつまた身の危険が迫るかわからないので十分警戒はしているのだが……
「と言うか、いつ俺のIDコアは戻ってくるんだよ!」
「修復に時間がかかるらしいからな。それまではもう暫く我慢しろ。その恰好も十分似合っているぞ」
「嬉しくねぇよ!!」
『 MONSTER STRIKE 』
「ちっくしょう! これもそれも全部てめぇらのせいだぁああああああ!!」
「「「「ジャババ――?!」」」」
八つ当たりでモンスターストライクを叩きつけるワンワンオーツー。その声を聞いたナーゴはタイクーンに声をかけた。
「ねぇ景和、もしかしてあの声って……」
「うん。俺も気付いていた……ウィンさん、だよね……」
「なんであんな凄い恰好してるのかな?」
「……あんまり聞かない方が良いんじゃないかな?」
「そうだね……聞いたらアタシたちまで気まずくなるかもしれないし」
そう、景和と祢音の予想通りワンワンオーツーは晴家ウィンだった。ニラムからの手引きで運営ライダーとして復帰する事となったが、肝心のIDコアが破損しているため代用として与えられたワンワンオーツーのIDコア。だがこれはワンワンオーのIDコアと同様に頭部と局部しか隠さない仕様となっているため身バレを隠すために登録名も”???”表記にしていた。だが聞き覚えのある者からすればバレてしまうのは避けられないようで、なるべくライダーたちの前では声を出さずに居たのである。だが、晴家ウィンの存在を知っていたものたちにしてみたら丸わかりで、当然この2人も……
「なぁ英寿……あのもう1人の海パンって……」
「シッ! わかっている。わかっているからこそ黙っていてやろうぜ。見ろよ、よっぽどイヤなのか本名も”???”で伏せてあるだろ?」
「やっぱりアレってそういう事か。ウィンのヤツも苦労しているなぁ……」
「まぁ生きていてくれたのは嬉しいけどな」
「そうだなぁ!」
流石に増加していくジャマトたち1体1体を倒しきるのは難しいため、出来る限り回避していくライダーたち。ようやくタイクーンがジャマトを斬り続けてレイジングソードのチャージを貯める事が出来た。
『 FULL CHARGE 』
「ようやく溜まった……よし、空から一気に攻めるよ!!」
『TWIN SET TAKE OFF COMPLETE JET AND CANNON READY……FIGHT! 』
ジェットモードで飛翔するタイクーン。だがそこで異変に気付く。
「なんだ……? 嘘だろ?! ジャマトの触手が?!!」
上空で見た物は何と幾重にも編み込まれたジャマトの触手。なんとこのジャマーエリア一帯の上空が編み込まれたジャマトの触手で覆われているのである。
上空を見上げた丸井ジャマトライダーの1体が呟いた。
「空から一気に攻め込むのは無理だよ。さて両さん、どうする? クックック……」
筆者です。「玉晒XV」をお送りしました。
やっぱり海パン刑事が出てくるだけでご感想が多くなりますね。かと言ってずっと出し続ける訳にもいかないのが辛い所です。この辺はどうかご勘弁ください。
本文をお読みになった皆さまはご理解されたかと思いますが、相方のワンワンオーツーの正体は晴家ウィンです。ニラムからの再雇用でのドサクサでまさかの海パン刑事の相方に収まりました。よっぽどイヤなのか表記名も伏せていますがw さていよいよ決着かと思いきや丸井ジャマトライダーたちの姑息な手段で上空からの進軍は断たれました。ライダーたちがどうやって攻めるのか次回をお楽しみに。
では改めて今回登場した新バックルとワンワンオーツーの説明を。
【サークルシールドレイズバックル】
ワンワンオーが使う小バックルです。モチーフはキャプテンアメリカの盾ですね。ヴィブラニウム製ではありません。星型のマークもありません。DGPのロゴはあります。取り外してぶん投げる事ができます。作中の海パン刑事はクリス・エヴァンスのキャプテンアメリカのファンという設定にしています。主に見ているのはクリス・エヴァンスの身体目当てですが。作中設定でクリス・エヴァンスが結婚した事を知った海パン刑事はしばらくロスになっていましたw
【仮面ライダーワンワンオーツー】
晴家ウィンが変身します。海パン刑事のワンワンオー同様にヘルメットと競泳用パンツ型スーツのみしか変身しません。海パン刑事はネクタイを気にしてこのスタイルを貫いていますがウィンは特に拘りはありません。勝手にそれを用意された犠牲者です。ヘルメットの形状はロポのものに比べて目元が優しく片耳だけ垂れています。ワンワンオー同様に舌もペロリと出ています。デザグラ復帰にあたり、海パン刑事から地獄の特訓(セクハラ含む)を受けて以前よりも体格が良くなっています。晴家ウィンを演じられた崎山つばささんも結構ガタイが良い方ですが、更にそれの1.5倍増しの筋肉となっていると想像ください。
では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。
※追記
先ほど確認したら40000UA達成していました。これも皆さまのお陰です。これからも精進します。改めてどうかよろしくお願いいたします。
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