仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「丸井にしては姑息な手段を使うぜ。まったくジャマトってのはタチが悪いな」
「良く言うよ、両さんだって結構卑怯な手を使っていたじゃないか」
両津の言葉に反論する丸井。流石にここは引けないらしい。
「ワシがいつそんな卑怯な事をしてきたってんだよ?!」
「えーとね……良く麻雀すると積み込みでイカサマするでしょ? 出前を頼んだら何かにつけて僕のご飯を取ろうとするし。買い出しの時のジャンケンなんて後出しはデフォルトだもんね~」
「う……そ、そんな事もあったかな~?」
苦笑いで誤魔化す両津。この手の話は尽きない。
「でもお陰でデザグラに勝つ事も沢山あったんだよ」
「あ、どういう事だ?」
「そうだなぁ、ジャマトを後ろから攻撃したり、罠を仕掛けて怯んだ所を叩いたりとかさ。後は別のジャマトを人質に取って他のライダーたちに回り込んでもらって叩いてもらったりとか。両さんならどう戦うかを考えたら、思ったよりも楽に戦えていたよ~」
「そうか、あの戦い方は両さんの真似をしていたのか……」
「それなら合点が行く。師匠が師匠じゃね」
「両さん……丸井さんに何をしてきたのよ……」
聞いていた英寿、そして大智と冴も呆れ顔だ。
「ち、違う! ワシはそんな事教えていない!!」
「これはかなりの苦戦になりそうだな……」
英寿の呟きは真実となるか?
仮面ライダーポンタ。可愛らしい名前だが丸井ヤング館こと元・寺井洋一がデザグラ参加時に登録されていたライダーネームである。同じく参加した海パン刑事が比較的早く脱落したのに対し、彼はその時のデザグラでかなり長く勝ち残っていた。
―― 僕の知り合いでとても強い人が居るので、その人の考え方を参考にしていただけです。 ――
当時の彼がインタビューを受けた時の言葉である。
だが悲劇は起こる。この時はかなり変則的なルールで勝ち残り方式を取っており、その時残っていたライダー10人とジャマト10体が1対1の勝負をするというものであった。だがライダーが勝ち残る毎に人質に取られた子供が1人ずつ殺されると言うかなり陰惨な内容であり、例えライダーが勝っても非常に惨い殺され方をされる子供の断末魔の姿を見せつけられると言う非常に後味が悪いものである。
―― どうして? どうして君たちは平気な顔で戦えるの? あんなに子供が辛そうなのに心が痛まないの?! ――
その時に彼がチームメイトのライダーたちに言った言葉がこれである。冴も大智も平気な訳が無かったが、勝ち残る為に心を鬼にして戦った。だが丸井はとても正気じゃいられなかった。ルールを無視して残ったジャマトたちを全て倒そうと暴走する。結果、彼は倒したジャマトの数だけ子供が殺されていく姿を見せつけられ、残ったジャマトに無残にも倒されるという悲惨な結果となった。
―― 君たちは……本当に仮面ライダーなのかい? ――
彼の散り際の言葉である。この言葉は当時参加していた冴と大智、そして英寿に大きなしこりとして残っていた。
尚、殺された子供たちはジャマーエリアの消滅と共に生き返り、丸井の行動は全く無駄だったという皮肉な結末となっていたが先に脱落した彼の知る由も無かった。
丸井ジャマトが倒れているロポとナッジスパロウ、そしてギーツに問いかける。
「あの時と同じ事を聞くよ。君たちは本当に仮面ライダーなのかい?」
その頃、VIPルームで観戦していたケケラとジーンはこの展開に胸躍らせていた。
「こいつぁ凄ぇ。なかなか面白い展開になってきたじゃねえか! ジャマトからこんな問いかけが来るなんて皮肉も良い所だぜ!!」
「これは目が離せないね。さぁ英寿! 君は立ち上がり何て答えるんだい?」
丸井ジャマトライダーに倒され地に伏したギーツ。だがジーンの言葉に応えるかのように立ち上がる。そしてそれに続く様にロポとナッジスパロウも立ち上がる。
「あの時言えなかった言葉を返すぜ。俺は……!」
「アタシは!」
「僕は!」
「「「仮面ライダーだ!!」」」
息を合わせた様にピッタリと。僅かな遅れも無く3人の声は綺麗に重なる。丸井ジャマトライダーたちもこれには流石に冷静でも居られなくなってきたようだ。
「……言ってくれるねぇ」
「じゃあ僕も本気を出さなきゃ」
「君たちが仮面ライダーなのか確かめて……あれ? 逃げた?!」
そして一斉に後退するギーツたち。ハトが豆鉄砲を喰らったように呆然としたジャマトたち。1体の丸井ジャマトライダーが怒鳴る。
「に、逃げるな――!」
「逃げちゃいない! お前の言う通り仮面ライダーとして行動するだけだ」
「あそこまで言われたらね」
「子供たちを守らなきゃ!」
「な、何だとー?」
正論で返すギーツたち。要は”子供たちを守らずして何が仮面ライダーなのか”と解釈したのである。そしてギーツはタートルズにバックルを投げる。マグナムバックルだ。
「使え両さん! 後は任せた!!」
「景和、それに祢音ちゃん! しっかりね!!」
「君たちなら大丈夫だ!」
マグナムバックルを受け取った両津はさっそくリボルブオンでマグナムバックルを差し込む。
「軽く言ってくれるな、あいつらも」
『 REVOLVE ON SET MUGNUM & BIG WIND FAN 』
「任されたからには必ず勝たなきゃ!」
「だね! 行くよ、景和! 両さん!!」
『 READY……FIGHT!! 』
「うわー……両さんがリボルブオンするとそんな感じになるんだ……結構気持ち悪いね!」
「うるせー! ジャマトのお前に言われたくねーや!!」
ライダー側ゴール前に向かって走るギーツたち。その最中にギーツがロポとナッジスパロウに問いかける。
「2人に問題だ。惑わせて動揺を誘うか、それとも信じるか……最後に勝つのは、どっちだと思う?」
「そりゃあ決まってる。ねぇ大智?」
「勿論。正解は……」
「フッ……聞くまでも無かったな」
言わなくてもわかると言った態度でナッジスパロウの言葉を止めるギーツ。遮られたナッジスパロウも満足そうだ。ジャマトたちと戦い続けているワンワンオーとワンワンオーツーの所に戻る。
「戻ってきてくれたのか、お前たち!」
「ギャー! やっぱりチ〇コ出してたー!!」
ワンワンオーは下半身を露わにして出迎え、ロポはその姿に絶叫した。
ギーツたちが戻るほんの少し前。無数のジャマトの触手に拘束されたワンワンオー。
「クソッ! 数が多い!!」
「大丈夫か?! 畜生、だからって俺がそっちに行ったらジャマトたちが……」
「大丈夫だ。まだ私はこんな事でヤられはせんよ」
「……なんでカタカナにしたのかは聞かないでおく。それよりも! 本当に大丈夫か、アンタ!!」
「まぁ見ていろ……ふんぬぅうううううううううううう! ハァッ!!」
ワンワンオーツーが心配する必要も無く、全身の筋肉をパンプアップさせて全身を拘束していた無数の触手を弾き飛ばすワンワンオー。だがその勢いで、唯一身体に纏っていた競泳パンツ型ライダースーツも見事に爆ぜた。その姿をこども食堂に居た皆も目撃してしまう。
「わぁハダカだー」
「お父さんよりおっきー!」
「ダメよ皆、あんなの見たら!! ……本当だ、ダンナのよりデカいわ」
そして纏も檸檬の目を塞ぐ。
「檸檬! あんなの見るんじゃない!!」
「そうか? カンキチので見慣れているぞ。カンキチの方が立派なのじゃ!」
「そういう事も言っちゃダメだろ!!」
実際の所、家族に代わって両津が檸檬を風呂に入れる事もあるので檸檬は大人の下半身も特に抵抗は無かった。4歳児の発言としては大いに問題だが……
「クッ……両津に負けたのか。私もまだまだ修行が足りんな」
「ナニのデカさを張り合ってんじゃねぇよ……」
ワンワンオーツーが呆れる。だがワンワンオーは直ぐに立ち直り、こども食堂の皆に腕を上げて声をかける。
「大丈夫だ! 皆の事は必ず守る! だから安心して見守っていてくれ!!」
「ブツ見せながらカッコつけてるんじゃねぇ!!」
「おっと、ネクタイが曲がっていたな」
「気にするところが違うっての!!」
こんなやり取りが行われていた後にギーツたちが戻ってきたのである。
「いいから……何か履いてくれないか? 目のやりどころが……」
「相変わらず……クッ……両さんと言いコイツと言い、何でどいつも立派過ぎるんだ!」
ここでワンワンオーツーが自身の競泳パンツ型ライダースーツに右手を突っ込む。モンスターフォームによって装着されるグローブのせいで、自身のライダースーツも爆ぜんばかりだ。
「アンタもナニしてんのよ?!」
「あーもー、うるせぇなぁ……お、あった!」
ワンワンオーツーの手には別の競泳パンツ型ライダースーツが握られていた。
「おい、新しいパンツだぜ!」
「すまんな、助かる」
「「「はぁ?!」」」
ワンワンオーツーから投げつけられた予備のパンツを受け取ると一瞬で履き直した。その超高速の早着替えにギーツたちは流石に驚く。
「ちょっと待て! 今どうやって履いた?!」
「フッ……紳士の着衣に注目するなんて、随分若いな」
「そう言う事を聞いているんじゃない!!」
そしてワンワンオーも今履いたばかりのパンツに右手を突っ込む。モゾモゾと手を動かすその様はとても少年誌で連載していたとは思えない卑猥さだ。そしてパンツの中から取り出したのはマグナムバックルであった。
「?! どうしてマグナムバックルが出てくるんだ?!!」
「そりゃあ紳士の股間にはひみつが一杯詰まっているからな」
「そういう理屈か?」
そろそろツッコミ疲れが出てきたギーツへマグナムバックルが差し出される。
「使えギーツ。悔しいが射撃の腕は君の方が上だ」
「うわー……使いたくね――……」
股間から取り出したレイズバックルを進んで使いたがる者も多くは無いだろう。そんな気持ちを知ってか知らずか、追い打ちをかけるように言葉を続けるワンワンオー。
「遠慮するな。そりゃあまだワンワンオーツーの温もりが残っているが」
「いやアンタのもするだろうが!」
どうにも感覚がズレまくっているワンワンオーの言葉にそろそろ頭痛がし始めたギーツであった。
筆者です。「玉晒XVII」をお送りしました。
丸井ヤング館のデザグラを書いてみました。寺井さん、アニメでは出番の多かったキャラなんですよね。両さんのために泣いてくれる人でもありました。
ライダー作品で良くある展開の中に、主人公の友人家族が敵として現れると言うものがあります。両さんもいずれそういう時が来るだろうなと伏線で用意していたのが寺井さんこと丸井さんの存在でした。ジャマト迷宮の執筆前から描いていた構想の一つで、噺家ジャマトはその伏線で用意させて頂きました。あの時に倒さなかったのもそういった理由です。ジャマト育成システムなら別に倒しても再登場の方法で別に問題は無かったのですが、書いてる筆者自身も愛着が湧いたのであの時点では生存させたわけです。あと、アルキメデルさんの育成スキルが本編以上にめんどくさく厄介である事を強調したかったのもあります。なんとかギャグ寄りに出来たのも有難かったです。けれどもそろそろ景和にゴールを決めさせたいので明日か明後日には決着をつけようかなと思います。
さて最近の筆者の話ですが、時間を取って30MSの所持リストを作成していました。どんどん増える一方でそろそろエクセル管理でもしないと把握できなくなってきましたので。
ご存じの方もいらっしゃるかも知れませんが30MS、かなりのパーツ量となっています。
https://bandai-hobby.net/site/30minutes_sisters/lineup/
筆者は後入りなもので、持ってないパーツも多々あるのですが(初期表情パーツと髪型パーツは皆無です)、これらを組み合わせる事でよりバリエーションが増えていくわけですな。最近バンダイさんがガンプラメタバースを開設されまして、まだ開発段階ですが、ガンプラをスキャンしてゲーム画面で戦わせるガンプラバトルも出てきているんですね。何れはあと数年後に30MMや30MSもスキャンしてゲーム画面で戦わせたり、メタバース内で自身のアバターとして操ったり、より綺麗なものを3D画面で見て楽しむ日も近づいているかも知れません。その時は是非読者様がたと一緒に遊ぶ事が出来たら幸いです。
では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。
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