仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「戦隊モノかよ?! ワシらライダー、ロクにチームワークなんて無いぞ?」
「両さんがそれを言っちゃぁ……」
「ダメでしょ」
「ダメだよね」
「ダメだと思う」
「ダメだな」
「うむ。ダメだ」
「ダメだって~」
「ダメだろ……」
「ダメだよー、両さん」
「両津様、ダメです」
皆が一斉に両津にダメ出しする。景和・祢音・冴・大智。英寿は勿論。海パン刑事・ウィン・道長。そして丸井まで居る。最後はツムリがシメる。
「だって丸井はもう戦隊のチームワークで攻めてくるんだぞ? むしろワシらが怪人ポジじゃね?」
「いやいや、俺たちライダーだから。同じ東映作品でも扱い違うし」
「たまーに共演作品とかあるじゃねぇか! 出てくる俳優さんも被る事あるし」
「いやそれは大人の事情で」
「それですが、今回の展開は面白い事になっていまして」
ツムリは今回分のテキストを開いて皆に見せる。
「これはまた見事に……」
「オマージュか?」
「オマージュだね」
「えー、こんなのってアリなの?」
「何せこの作品の筆者だからなぁ」
彼らが知ったのは何なのか。それはこの先でご確認頂きたい!
丸井ジャマトライダー6体。更にポーンジャマトも無数に居る。だがライダーたち3人は毅然とした態度で対峙している。タイクーンはナーゴにボールを渡す。
「祢音ちゃん、頼んだよ」
「うん……気を付けて!」
「さてと……気を付けろよ景和。丸井は少々厄介だ」
「うん。……両さんの知り合い、なんだよね?」
丸井ジャマトライダーたちがタイクーンを見て反応する。
「へぇ……ニンジャバックルを使うのか。これも縁だねぇ」「じゃあ僕たちも」「そうだね。そいつの真の使い方を教えてやるとしようか」
そうすると丸井ジャマトライダーたちは一斉にニンジャバックルを手にしデザイアドライバーの空いている右スロットに差し込む。
『『『『『『 SET JYAMATO NINJA 』』』』』』
「久々だねぇニンジャバックルも」「場長から受け取っておいて良かったよ」
『『『『『『 READY……FIGHT! 』』』』』』
目前の6体がニンジャジャマトフォームになり、驚くライダーたち。
「先ずはこいつからだ!」
突然煙幕が辺りに広がる。視界を奪われたライダーたちは困惑する。
「どうしよう……全然周りが見えないよ」
「落ち着いて! あまり前に出過ぎたらヤツらの餌食だよ」
「ちくしょう、汚ぇぞ丸井!!」
「汚い? 両さんに言われたくはないなぁ」「使えるものは何でも使う」「汚いとか卑怯とかは敗者の戯言」「そうだよね?」
「ぐぬぬ……」
日頃言ってきた事を指摘されてしまうタートルズこと両津。なまじ両津の生態を知っている存在なだけに丸井を相手にするのは厄介だ。しかも日頃と違って今はジャマトライダーとなっているため並みの状態より遥かに強化されている。
「ぐぁ!」
「どうしたの両さん?」
「ぐべ?!」
「僕はこっちだよ」
「ぎゃん!」
「はは、こっちこっち!」
次々とタートルズに襲い掛かるジャマトライダーたちの攻撃。タイクーンだけはニンジャバックルの付加要素でアイセンサーが強化されているのでその様子を見る事が出来た。動けなくは無いが今動くと次に狙われるのはボールを持っているナーゴだ。
「両さん! 前方に2体だ!!」
「わ、わかった!!」
大ハリセンを振るい前方のジャマトライダーをけん制するタートルズ。攻撃は当たらなかったが連携攻撃は回避できた。
「上から来るよ、両さん!!」
「あいよぉ!!」
上段から来る踵落しにも大ハリセンで防ぐタートルズ。真横に構えたハリセンへ強烈な衝撃が来るもダメージには至らない。
「うん。そうだ。ニンジャバックルを使うと言う事は熱くなり過ぎず冷静に状況分析が出来るかによるね」「そろそろ煙幕も晴れるか……じゃあ次だ」
煙幕が晴れるとそこには30体程のジャマトライダーが居た。
「僕が出来るのは5体程の分身能力」「ニンジャバックルは使用者次第でそれぞれの能力のポテンシャルを上げられると言うけど」「果たして君はどうかな? 景和くん」
「クッ……」
ジャマトライダーたちのターゲットがタートルズからタイクーンへと移る。30体のジャマトライダーたちが次々と襲い掛かるが何とか致命傷だけは避けていく。
「は、速い!!」
「おやおや凄いねぇ~ 流石ニンジャバックルに選ばれただけはあるよ」「こいつは人を選ぶバックルだそうでね。僕も中々使い勝手が良くて重宝していたが」「最後まで影分身は出来なかったなぁ~」
「! 影分身……」
タイクーンが呟いた言葉”影分身”とは質量を持った分身体の事で、もう少し具体的に言うと”実体があり、攻撃が当たる分身体”の事である。タイクーンもいまだに影分身は行えた事が無い。タートルズとナーゴは、攻撃がタイクーンに集中している間に脇を通りゴールを目指そうと考えるも、やはり複数体のジャマトライダーが道を塞ぐ。
「行かせないよ」「両さんは抜け目が無いからね」「ここで押さえておかないと」
「良くわかってんじゃねぇか!」
『 TYPHOON CHARGE 』
「吹き飛べぇ!!」
『 TYPHOON STRIKE! 』
「ぐぁああああああああ!!」
タイフーンストライクで周囲のジャマトを一掃するも倒せたのは1体のみ。そしてまた周囲に新たなジャマトライダーたちが現れる。1体の挙動を見ていたナーゴは瞬時に叫ぶ。
「両さん、後ろ!!」
「ざーんねん。邪魔されちゃったかぁ~……」
咄嗟にジャマトライダーとタートルズの間に割り込むナーゴ。ボールを抱えているのでビートアックスは片手持ちだ。
「うひぃ……祢音ちゃんサンキューな! よくもやってくれたな丸井、こんちくしょう!!」
「ぐはッ! 何だよ~両さんだってしょっちゅうやっていたじゃないか、背後からのくすぐりとかヒザカックンとかさぁ」
「いくら何でも人間相手に殺す勢いの強烈な打撃攻撃なんてやってねぇよ!」
「! ……そうか、そうだよね」
「わかったか……もうお前は丸井じゃない。ジャマトそのものだ」
「そんな……そんなのってないよ!!」
タートルズの一言で動きが止まったジャマトライダーたち。その隙にタイクーンはレバーアクションを行う。
「影分身……俺に出来るか? いや、やるんだ! うぉおおおおおおおお!!」
タイクーンがそう決意した直後、全身に緑色のエネルギー波が溢れ出した。そしてタイクーンは計7体に分裂……いや、7体の影分身となった。
『『『『『『『 NINJA STRIKE 』』』』』』』
「「「「「「「――っ! 覇ッ!!」」」」」」」
「「「「「「ぎ、ぎやぁあああああああああああああああああ!!」」」」」」
周囲一帯に緑色の閃光が縦横無尽に展開された。ダブルブレードのニンジャデュアラーによって繰り広げられる計14本の剣閃。5体のジャマトライダーは爆散したが、1体だけは辛うじて防ぎきる。殆ど虫の息となるも辛そうに立ち上がった。そこへタートルズが近付いた。
「気が済んだか。オマエがワシに、いやワシらに勝てるわけがねぇだろ……」
「そうだね……それでも、それでも僕は! 両さんに、デザグラに勝ちたかったんだ!!」
「わかった。もうゆっくり眠っていろ」
「! うん。ありがとう、両さん……」
『 TYPHOON MAGNUM VICTORY 』
緑色のエネルギー波を纏った強烈な回し蹴りが丸井ジャマトライダーに炸裂し爆散する。心なしか最後の丸井ジャマトの声は嬉しそうに聞こえた。
タートルズは無言のままでその場に立ち尽くす。
「両さん……」
「両さん!」
「……大丈夫だ。心配かけちまったな。さぁ、とっととシュートを決めて終わらせようぜ!」
「「――! うん!!」」
ボールを持っていたナーゴがタイクーンに投げつける。
「行くよ、景和!!」
「オッケー、任せて!」
『 NINJA STRIKE! 』
上空に高くジャンプしたタイクーンはシングルブレードのニンジャストライクでタートルズに向かってボールを撃ち返す。
「両さん、今だ!!」
「おう! こいつで決めてやる……!」
『 TYPHOON CHARGE 』
緑色のエネルギー波を纏った大ハリセンをおおきく振りかぶって構えるタートルズ。絶妙のタイミングでボールを撃ち返す。
『 TYPHOON STRIKE!! 』
「「「いっけぇえええええええ!!」」」
何体ものジャマトがボールを取ろうと飛びかかるも、その勢いは止まる事が無い。見事ジャマト側ゴールにロングシュートが決まり5点獲得する。
――RIDER team34 VS JYAMATO team29――
ジャマーエリアにデザイア宮殿のツムリの声が響き渡る。
「ミッションコンプリートです!!」
ジャマーウォールが消え、ジャマト達も消え、壊れた建物も元に戻っていく。変身解除して皆の所に戻る両津たち。景和は真っ先にこども食堂の皆の所へ駆け出した。
「良かった……皆大丈夫だよね?」
「景和にぃちゃん、ありがとう!!」
「景和くん……本当にありがとう!」
「ううん。俺だけじゃないよ。仲間が居てくれたから出来たんだ」
檸檬と纏が両津に駆け寄ってきた。
「カンキチー!!」
「勘吉!!」
「おう、無事で良かったぜ!」
「勘吉も凄いのぉ。あんな風になるのか」
「全く……景和くんと言い勘吉と言い、無茶ばっかりするんだから。心配でたまらなかったよ」
「悪ぃ悪ぃ。まぁ無事だったんだから良しとしようぜ!」
「全く……アンタは呑気なんだから」
そこへ汚野たけしが変身解除して近付いて来た。
「良くやったな両津」
「おー海パン刑事! まさか助けに来てくれるとは思わなかったぜ」
「フ……まぁ実際はチラミの手引きあってだがな。出来ればこれからもお前たちの力になりたいものだが」
「運営側のライダーだもんな……まぁそのうち一杯飲もうぜ!」
「ああ、いずれな!」
握手する2人。運営側とエントリーしているライダー側では深い溝があるのだが、この2人の絆はそれでも壊れないだろう。まぁ大抵の場合はドッタバタとなるのだが……
「おー、でっかいオチンチンの人じゃ!」
「こら檸檬! これでも本庁の偉い人なんだぞ!!」
「そうなのか?」
「妹が大変失礼しました、海パン刑事……いえ、汚野課長!!」
敬礼して謝罪する纏。それも仕方の無い事で、汚野たけしは初登場時で警部補になっていたが、特殊刑事課も大所帯となり、警視・警視正のものも現れているためそれ相応に出世しているのである。現在は警視長と言うかなりの立場に居る。
「いや構わないよ。元気な妹さんで何よりだ。うん? 妹と言ったかね?」
「は、はい。檸檬は私の妹ですが……」
「擬宝珠檸檬じゃ。よろしくの」
「ああ、よろしく。おい両津、お前結婚していたんじゃなかったのか?」
「あ? どうしてそんな事になっているんだよ?!」
突然の質問に驚く両津。正しく寝耳に水だ。
「いや、最近良く可愛い奥さんと子連れで居る所を皆が目撃しているらしくてな。本庁でもちょっとした話題になっているぞ。”あの両津勘吉が結婚して娘を儲けた”と……」
「そんな事になっていたのか……檸檬と纏は遠い親戚だ。別に娘でもカミさんでもねぇよ」
「またその話……よりによって本庁ででもって。勘吉、アンタ目立ち過ぎなんだよ!」
「うるせー!! お前だって十分有名じゃねぇか!!」
「レモンが娘ってのは気に入らんのう。どうせならカンキチのお嫁さんになってやるぞ!」
人の噂の怖い所がこれである。事実確認もそぞろに聞いた情報だけが独り歩きしていく。そして纏と檸檬が暴走していく。汚野はその様子を微笑ましく眺めていた。
「安心したぞ。流石に破天荒なお前が身を固めるなんて有り得ないものな。いやいやお陰で私が枕を涙で濡らしたのも余計な事になったな、ハッハッハ!」
「うるせぇよ。そして最後に言った言葉は少し気持ち悪いので聞かなかった事にしてやらぁ……」
まさかの両津ロス発言を暴露した汚野に塩対応をする両津。
「では我々はこれで。両津、また会おう」
「ああ、じゃあな海パン刑事!」
「フッ……言っておくが今の私は刑事じゃない。海パンライダーと呼んでくれ」
「そこは拘るのな……」
立ち去ろうとする海パンライダーの後をついていくワンワンオーツー。だが海パンライダーから声がかかる。
「良いのか? 何も言わなくて?」
「別に良いさ。この格好ってのもあるし、それに俺は……」
操られていたとは言え、ギーツとタートルズを襲った事には変わらず、その事が胸に刺さっている晴家ウィン。詫びの言葉も見つからず苦悩していた。だがそんな彼に両津は声をかけた。
「そっちの横のあんちゃんもありがとうな。助かったぜ!」
「――ッ!」
その言葉に心が揺らぐワンワンオーツーことウィン。追い打ちをかけるように変身解除していた英寿からも声がかかる。
「ワンワンオーツーか、覚えておこう。助けてくれてありがとう。またな」
フルフェイスマスクの中で涙を流すウィン。そして無言で拳を握った右腕を大きく上げて振り回した。
海パンライダーとワンワンオーツーが立ち去るとライダーたちもデザイア神殿に戻ってきた。
「時間だ」
筆者です。「玉晒XVIII」をお送りしました。
ライダーたちが最後に放った連携シュートですが、往年の色んな戦隊オマージュです。バルカンボールぎみですが、モーションは完全に別物です。最後に両さんが居たので大ハリセンでぶっ飛ばしました。まぁ両さんたちならブラックマグマも倒せそうですがw ちなみに嵐山長官がベーゴマの名手と知って驚きました。両さんと意気投合するかもしれません。
お気付きの方もいらっしゃると思いますが、丸井ジャマト複数体のセリフ表記を微妙に変えました。意識が繋がっている存在のセリフってのを改めて考えた次第です。筆者の別作品でやっている手法なんですけどね。
さて改めて仮面ライダーポンタの説明を。
マスク形状はタイクーンと同一です。カラーリングは茶色。派手さが失われています。警察官である事を考えたら自然とタヌキベースになりました。故にニンジャバックルを使わせた次第です。
さて、いよいよ次回で今回の玉晒が終了となります。照裏程じゃ無かったですが今回も長くなりましたね。なるべく14話くらいで収めたいのですがなかなかそうもいかないですね。
明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。
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