仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「リアリティライダーショー、デザイアグランプリ! ジャマーボールにとうとう勝利しました!!」
「やったぜ! ようやく勝てたぁ~……」
「お疲れ様でした。さて、いよいよデザスター投票ですね」
「ワシは入れんぞ。そんな事をして人間関係が壊れるのもイヤだからな!」

 両津が声高らかに宣言する。

「そうですね。でも果たして皆さまはどうでしょうか?」
「どういう事だよ? まさか皆、投票するってんじゃないだろうな?」

 そう言ってライダーたちの顔を見て確認する両津。

「俺は入れんな」
「俺もだよ」
「アタシも~!」
「アタシだって」
「僕も入れないよ」
「ほれ見ろ。皆、気持ちは一緒だ!」

 だが果たしてそれは真実だろうか? 誰かの口元が申し訳なく悔しそうに呟くのを聞き取ったのはツムリだけだった。

「ごめんね……」
「お気になさらないでください。貴方は悪くありませんよ……」


玉晒XIX~ED?:築いたものは崩される

「時間だ」

 

 英寿がその言葉を発すると場面が一気に変わる。

 

 そしてインタビューが始まる。今回はインタビューを受けるのは仮面ライダータートルズ・両津勘吉(3?)だ。

 

 ―― あなたがデザスターですね ――

 

「なんで勝手に決めつけてんだよ! ワシの何処にそんな要素があった?」

 

 ―― ジャマトたちと仲が良かったように思えましたが ――

 

「退場したライダーの意識を得たジャマトが居たってだけだ。ちゃんと試合は見ていたのか? 思いっきり倒しただろうが!!」

 

 ―― 殆ど倒したのは桜井景和さん、タイクーンでしたよね? ――

 

「ワシだって最後の1人を倒しているだろうが? お前らちゃんと中継していたのかよ?!」

 

 ―― 申し訳ありませんがワンワンオーの局部露出で中継を中止せざるを得なかったもので…… ――

 

「はぁあああああ?! アイツ、そんな事をやらかしていたのか?!!」

 

 ―― ではとりあえず両津さんがデザスタ―と言う事で ――

 

「おいふざけんなよ? これか? このカメラで流しているのか?」

 

 ―― いや、やめてくださいよ。カメラに何をしようと言うんですか? ――

 

「うるせぇ! こんなふざけたインタビューなんて流しているんじゃねぇぞ!!」

 

 映像はここで途絶えている。どうやらここで両津はカメラを壊したようだ。

 

 デザイア神殿にて。ツムリからライダーたちへ労いの言葉がかかる。

 

「皆さん、お疲れ様でした。見事な逆転ゲームでした。ではここで誰がデザスターかの投票締め切りとなります」

 

 ライダーたちはそれぞれスパイダーフォンを手にして投票アプリを起動した。だが両津だけは直ぐにスパイダーフォンを懐にしまう。

 

「デザスターだと思う方に投票してください。ですがゲームマスターが仰られた通り、投票されなくても結構です」

「だな。ワシは入れんぞ」

 

 腕を組んで投票を示すモニターを不敵に見つめる両津。皆も特にそれ以上の操作をしている素振りは無かった。

 

「では今回はデザスター投票は行なわれず、次回に持ち越し……おや?」

 

 ツムリが言いかけたその時、掲示板に異変が起きた。大智に1票入れられたのである。その結果に皆が驚く。そして顔面蒼白になる大智。ツムリは大智に近付いた。

 

「投票の結果、五十鈴大智様が脱落となります」

「ハハハハハ! やっぱりね。どれだけ綺麗事を言ってたって、やっぱり人間こんなものだ。だから人間ってのは面白い!!」

 

 高笑いする大智。どう見たって無理をして笑っているのは明白だ。

 

「僕を落とした事を……後悔させてやるよ」

 

 大智が周りを睨みながらその言葉を発した時、両津は大智に駆け寄る。

 

「恨むな大智! お前だってデザグラがそういうゲームだってわかっていた筈だ!!」

「両さん……」

「生きているだけまだチャンスはあるさ。落ち着いたら一度、ワシが働いている超神田寿司へ食べに来い!」

 

 その言葉に大智の瞳に涙が浮かび、眼鏡の中に大粒の涙を零す。

 

「……どれだけ他人が信じられなくても、アンタの言う言葉は信じたくなるから不思議だね。うん……ありがとう、両さん」

『 RETIRED 』

 

 そうして大智のIDコアは消え、大智の身体も消えた。デザイアドライバーだけがその場に残された。

 

「大智……」

 

 両津が大智の使用していたドライバーを名残惜しそうに拾う。

 その時、投票結果の表示に異変が起きた。両津にも1票入ったのである。

 

「どういう事だ?」

「嘘でしょ……」

「ちょっと! どういう事ですか?!」

「嘘? アタシ両さんになんて入れてない!!」

「「「――?!」」」

 

 錯乱ぎみの祢音が衝撃的な事を言った。そう、”両津には入れていない”。と言う事はそれ以外の人物に入れたという事である。それ以外とは当然、大智の事だ。

 

「ハ、ハハハハハ……冗談キツいぜお前ら。だいたいもう締め切りは終わったんだ。今から入れたって次回のデザグラに持ち越しをされるって……おい、どうしてだよ?!」

 

 動揺して饒舌になる両津だが、その見解は見事に外れどんどん身体が電子分解されるように消えていく。

 

「嘘だろ?! もしかしてワシも……脱落?」

 

 他のライダーたちも信じられないものを見る目で見つめていた。

 

「なんで? なんで両さんが?!」

「残りの誰かが入れたって事だろうな……」

「つまり……アンタら2人のどちらかが」

 

 景和も、英寿も冴もそれぞれを睨みつけた。祢音は自分じゃないと言い切っていたし、そうなると残り3人の誰かが両津に投票したと言う事になる。互いを信じられなくなる構図が生まれようとしていた。

 

「うわーん何でだよドチクショー!! お前ら―、ワシを欺いていたのかー?!」

「両さん……」

「いやいや、そういうゲームだからコレ」

「さっきアンタがナッジスパロウにそう言ったばかりだろうが……」

 

 みっともなく大口で泣きわめく両津を見て皆が苦笑しながら呆れかえる。

 

「クッソー! ワシを落とした事を後悔させてやるぞ!! 必ずリベンジしてやるか――」

『 RETIRED 』

 

 やかましく泣き叫び続ける言葉を遮るように脱落させられた両津。既にIDコアと両津自身の身は消え、その場には2つのデザイアドライバーだけが残された。

 

「なんか、両さんらしい消え方だったよね」

「うん……すっごく」

「これで一気に2人減ったのか」

「……勝負は、これからだね」

 

 互いを見つめるライダーたち。もう油断は出来ない。次のデザグラで消えるのは自分かも知れないという緊張感がそれぞれに芽生えた。

 

 一方その頃、ジャマーガーデンが見下ろせる山中。ニラムの秘書であるサマスが片腕で抱えていた道長の身を無造作に放り捨てた。履いているベージュのロングスカートに泥がついたのかパッパと払いのけている。

 

「ふんとこどっこい……しょっ! あー重かった……本当によろしかったのですか?」

「退場者が蘇ってしまってはデザイアグランプリのリアリティーは損なわれる!」

 

 脇に居たニラムが手をワナワナと動かし、ヤキモキしている気持ちを表していた。怪訝そうに伺うサマスも煮え切らない気持ちで居たが。

 

「バッファは死すべきだと……?」

「無論。彼には期待しているよ? ジャマトとして生まれ変わり……番組を盛り上げてくれることをね」

 

 語りながら道長の状態を確認するために近付き、問題が無いかしゃがみ込んで確認するニラム。

 

「うん♪ さぁ戻ろうか~」

「はい」

 

 倒れている道長。

 

「…………――言ったな……面白ぇっ!」

 

 だがその一部始終を聞いていたのか、ニラム達が消えた後で瞳をバッと開ける。

 

 そしてその頃、VIPルームにて。ジーンは英寿を招き、勝ち抜けをした事を労っていた。

 

「第2回戦勝ち抜けおめでとう。このまま君の不敗神話を期待したい所だけど、慢心は禁物だよ。脱落したナッジスパロウとタートルズがデザスターだったとは限らないからね」

「ああ……知ってるよ」

 

 英寿は渋い顔でジーンに返事をした。

 

 そして更に別のVIPルームにて、ケケラが景和を呼び出し同じく労いの言葉と真相を告げている。景和の目の前にはお茶と羊羹が用意されていた。

 

「有名なとらやの羊羹だ。良く味わって食えよ」

「頂きます……でもさっきの話って本当? 大智くんと両さんがデザスターじゃないって……?!」

「まあ、2人も落とせて数を絞れたから結果オーライだ。見ろよ、お前の支持率も上がっている。爆上がりだぜ、キャッホウ!!」

 

 そう言うと目玉型の大型モニターが展開し現在の支持率を映す。なんと言った通りにトップが景和。次に英寿。そして冴、最後に祢音と言う順番となっている。

 

「このまま最終戦までに支持率トップとなれば、お前がデザ神になれる……!」

「俺が……理想の世界を叶えられる……」

 

 その言葉に心無しほくそ笑む景和。ケケラも満足そうだ。

 

「その為にも、デザスターが誰か突き止めろ! お人好しの自分と……オサラバするんだ!」

 

 ――チラミの部屋にて。応接ソファに座りワインを楽しむチラミが居た。片手には飲みかけのワイングラス。そしてもう一方の手にはスパイダーフォンが握られている。

 

「んっふっふ~♪ これでやかましいのも居なくなったから、今度こそ本格的に疑惑と裏切りのシェアハウスを展開できるわよ~ん」

 

 スパイダーフォンの画面には、デザスター投票アプリが起動していた。

 

「しっかしデザスターのあのコもこのままダンマリかと思っていたらちゃんとやる時はやる子なのねぇ! アタシもわざわざ心配でこんなものを用意していたけどさ、取り越し苦労になっちゃったかも知れなかったわね~」

 

 ワイングラスに残るワインをグルグル回しながら、その香りを楽しむチラミ。だが僅かにテンションが下がる。

 

「でも何故かしらね? もうあのご飯を食べられないかと思ったら、少し寂しく感じるのは……」

 

 チラミは自分が両津を落とした事を少しだけ悔やんでいた。

 

DGPルール「見つからずに最後の2人まで残ることができれば、デザスターの勝利となる」




 筆者です。「玉晒XIX~ED?」をお送りしました。
 まさかこうなるとは果たして読者様がたの中でどなたか予想できましたでしょうか? 今日まで黙っていてごめんなさい。筆者も辛かったです。

 ありがたい事に3ヶ月以上も毎日更新を行っているとご感想やメッセにてご感想に留まらず今後の要望を頂く事も多々ありまして。採用可能のものもありまして、それに関しては今までの本文にて実施をさせて頂いてましたが、何分このギーツ本編第19話 「乖離Ⅲ:投票!デザスターは誰だ!」に関わる部分だけはどうしてもこの展開にしたかったのでこれ以降の展開に関しては調整が難しくなっている次第です。ご了承ください。

 さてここで改めて「玉晒」の真相を。先ずは読み方は”ぎょくさい”と読みます。玉砕とかけました。これは見事に両さんが喰らってますね。更に字面の通りに玉を晒す……ええ、海パン刑事のアレです。アレに関してはもう織り込み済みでしたのでw そして続く~築いたものは崩される~これはもうご理解できていると思いますが、現時点でのライダーの絆です。見事に崩されました。
 そろそろ次回のサブタイも考えないといけませんね。何にしますかねー?

 では今回は珍しく、この回での各シーンそれぞれについて細かすぎる説明を語らせて頂ければと。

・冒頭の両さんへのインタビュー。乖離ⅡとⅢを見た時に咄嗟に思いついて書きたかったシーンです。この玉晒の一番最後の更新分で冒頭に来るように考えていました。リアリティライダーショーでのカメラ壊しは両さんのデフォになってしまいましたね。うーんさすが暴力警察24時。

・デザスター投票、大智の脱落。脱落自体は本編準拠ですが、経緯が違うのが今回のミソです。両さんの自然体もあって大智くんは捻くれずに済んだものですが、何分リアリティライダーショーが厄介で仕方なしに落とされたものです。闇落ち手前になったのを両さんの言葉で食い止めました。なので大智くんにとって尊い存在で終わったものです。

・デザスター投票、両さんの脱落。はい、まさかの両さんまで脱落です。チラミが見事にハメました。ライダーたちも疑心暗鬼に陥ってます。あれだけ大智くんに綺麗ごとを言ったくせに自身はみっともなく脱落した両さん。この急降下するギャップはこち亀の王道パターンだと思ってますので今回悩みながらも取り込みました。もっとカッコ良く脱落するルートも考えてはいたんですけどね。

・道長の行方。このシーンって明確に出ていませんでしたがサマスさんが運んで捨てているんですよね。サマスさん、どんだけ力持ちなんだかなと考えて描写しました。道長が目を覚ますカットはウルトラマンZでジャグラスさんことヘビクラ隊長が「面白ぇっ!」と第4の壁を飛び越えて視聴者に不敵な笑みをしたカットのオマージュです。

・VIPルームでのあれこれ。ジーンのシーンは本編そのままですが、ケケラのシーンは少しだけ筆者の遊びが入りました。本編見てたら本当に羊羹とお茶が用意されていたのでとらやの高級品に。ケケラのテンションも少しアゲております。

・チラミのひとりごと。今回の元凶です。見事にヨゴレ役になって頂きました。最後の一行を書くべきか悩みましたが、読者様の混乱を防ぐ為に書ききりました。両さんを落としたのはチラミです。要らん事をしました。まぁ散々両さんが殴りましたからね。恨んでいても仕方なし。最後の一行「チラミは自分が両津を落とした事を少しだけ悔やんでいた。」が無かったら明確に誰が落としたかわからなくなりそうなので、読者様方が混乱するのかなとも考えましたね。

 さて、両さんが脱落しましたが果たして復帰はなるか? するとしたらどんなカタチになるのか? 全てはまた明日以降の更新分でお楽しみください。

 では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。

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