ルスターの言葉に、アルナもウィーネも息を呑んだのがゲンマには分かる。
「無分類の属性って、そんなことあるの?」
ウィーネが聞くと、ルスターは目を閉じて考えをまとめようと試みている。額には、ほんの少し汗が浮かんでいた。
「私も長年、ここで多くの冒険者を見てきましたが、このような事例は初めてです」
「長年って、どれぐらいを?」
「300年ほどでしょうか」
「…はい?」
興味本位で聞いてみたら、あまりにも衝撃的な数字が出てきた。
聞けば、エルフという種族そのものがいずれも長命どころか不老長寿らしく、300年以上生きるのは珍しくもないらしい。100年生きれば万々歳な世界にいたゲンマからすれば、それだけの年数を生きるなどとてつもないことに思える。
「それと、私も記憶力は確かだと自負しているので、前に同じような方がいたとすれば必ず覚えています。念のため、今も別の方に過去の記録を見てもらっていますが、多分いらっしゃらないかと…」
「そうですか…」
種族の間にある壁というものを感じつつも、ルスターの言葉に頷く。
念のため、もう1つ確認したいこともあった。
「この、冒険者分類が『不明』なのはなぜですか? これも、特殊なものだったり…?」
「ああ、これはよくあることなんです。大体の冒険者の方が物理系か魔術系に分かれていて、そこから詳しく分かるようになるんですが、その2つで分類できる状態でないとこのようになるんです」
「えっと、つまり…?」
アルナが小首を傾げると、用紙の円グラフを指差しながらルスターはゲンマを見る。
「この先のゲンマさんの頑張り次第で、どの分類にもなれるということです」
先が決まっていないとなれば、この先ゲンマも鍛錬を重ねる必要があるということだろう。自由と言えば聞こえはいいが、先行きが見えないという意味でもあるので気は抜けない。
ともあれ、冒険者の分類については判明した。残るは。
「…なるほど。しかし、属性が分からないとなれば、冒険者やギルドの登録も難しい感じですか?」
「まぁ、そう、なりますかね…」
300年以上勤務していてなお初めての出来事に、ルスターもどう判断すればいいか分からないのだろう。その気持ちは分かる気がする。ゲンマだって、前の世界では仕事などで前例のない事態に直面した時は、どうすればいいのか分からなかったものだ。結果上司に相談したら舌打ち交じりに突き放されたという与太話まで持っているが。
それにしても、ギルドどころか冒険者としても登録が認められないとなると、いきなり出鼻を挫かれた気分だ。これから先、どうすればいいのだろうか。
しかし、ここで「ちょっと待って」と口を挟んだのはウィーネだ。
「色々と初めてのことはあるけど、こうしてゲンマは登録用紙に認識自体はされてるんでしょ? だったら大丈夫なんじゃない?」
「まぁ確かに、何かあったら用紙はそもそも機能しないでしょうし…そういうことが起きたこともないんですけど…」
「じゃあいいじゃない? もし何かあったらまたこうしてあなたなり誰かなりがこうして呼び出せば」
「ええと、そうかも…? しれませんね…」
ウィーネの言葉に、ルスターも戸惑いながら答える。というより、ウィーネの勢いに流されているような感じだ。
「じゃ、決定ね。ゲンマも冒険者の仲間入りよ」
背中をポンと叩かれる。何となく釈然としないものの、一先ず冒険者として認められたのであれば、大きな進歩だ。ルスターを見ると、「あはは」と苦笑いを浮かべていた。彼女自身も納得できないところはあるのだろう。
「なら、このままギルドの登録もしましょうか」
「そうですね…って、大丈夫なんですか? これで4回目ですけど…」
ウィーネとルスターが話しているのを見て、ゲンマはおやっと思う。アルナもそれは同じだったらしく、控えめに手を挙げて話しかけた。
「あのー、お2人って…」
「まぁよき友人というか、よき相談相手というか」
ウィーネの言葉に、ルスターは一つ咳払いをした。
「ご存じかもしれませんが、この方は3回ギルドに登録して3回追放されてるんです。その際にギルドの加入、削除の手続きをしたのは全部私なんですよ」
ギルド管理本部の受付役はルスターだけではなく、他のエルフも担当している。エルフ以外の種族の職員もいるにはいるが、長命ゆえの記憶力や管理能力などが適切ということでエルフの方が割合が多い。
中でもルスターは、偶然にもウィーネのあれこれの手続きを全て経験しているとのことだ。ウィーネ曰く、1回目の追放こそ親身になってくれたが、3回目になると「またですか~?」と半ば呆れ気味だったらしい。
「一番ひどかったのは2回目でしょうか…? 何せ、『夜になったらもう飲むわ! あんたも付き合いなさいよ!』って半ば強引に…」
「だって、めっちゃくちゃ悔しかったのよ! あんな、武装ゴブリン軍団相手に私を陽動に使っといてちょっと酒癖が悪かったらポイだなんて!」
「気持ちは分かりますけど、だからって他人を巻き込まないでください…。それに3回目、昨日はご自身で手続きをしなかったじゃないですか」
「あれはまぁ、ギルドの人がやっておくって言ってたから…」
なるほど、酒関連でルスターも絡まれたクチらしい。ゲンマとアルナは、ルスターに対して同情の念を飛ばす。ルスターは、小さく息を吐いて、ウィーネを見た。
「次のギルドは…このお2人と?」
「ええ、そうよ」
「今度は長続きするといいですね」
「そうね。でも、この2人となら大丈夫かな、ってあたしは思う」
先ほどまでとは違う、芯が通っているように聞こえる言葉に、ゲンマはウィーネを見る。ウィーネは、「ね?」とゲンマとアルナを見て笑っていた。その笑顔に、ゲンマも反論する気は起きなかった。
すると、ルスターが身を乗り出してゲンマたちにだけ聞こえるよう話しかける。
「…お2人はご存じなんですか? この人の、その…酒癖」
「あぁ、はい」
「それはもう」
アルナと共に、ゲンマは笑って答える。ファーストコンタクトでそれはもう経験済みだ。そのうえで彼女を仲間に入れると決めている。
「…分かりました。ではこのまま、ギルド登録に移ります」
納得したのか、ルスターは元の位置に戻って話を先に進めようとする。
だが、ルスターが何を聞いたのか分かっているのか、ウィーネはふくれっ面を終始ルスターに向けていた。
◆ ◇ ◇
ギルドの登録については、冒険者登録がされていれば問題ないらしく、その他の点もウィーネが経験者としてサポートをしてくれた。おかげで、ゲンマとアルナ、そしてウィーネの3人は正式にギルドとして登録することができた。
「さて、まずは稼がなくちゃね」
応接室を出て、次に向かうのはクエストが張り出されている掲示板だ。朝来たときは結構な枚数が貼ってあったが、少し時間が経った今ではその数も少々減っている。
クエストの難易度は1から10でランク付けがされており、ランク10が一番難しい。「マテリアワールド」をプレイしていた時もこのシステムはあったが、それはあくまでプレイヤーがゲームを攻略するための指針だった。この世界においてその難易度とは、まさに命の危険度を示すものだろう。
「いきなり、難しめのクエストはちょっと…」
「左に同じ」
「ちょっと、何言ってんのよ? そんなんじゃ、今夜の寝床もないわよ?」
駆け出し冒険者のゲンマとアルナとしては、いきなり高難易度のクエストに行くのは憚られる。特にゲンマは、神様から与えられた棒以外で戦う方法がない上に、前の世界で腕っぷしが強かったわけでもない。下手に高難易度のクエストに出て、敵と戦闘になれば瞬殺も視野に入る。
一方で、ウィーネの言う通り金銭的な問題もある。ゲンマとアルナは昨夜の食事と宿代でほとんど金を使い、ウィーネに至っては無一文。この状態では、飲めず食えず宿も無しで夜を迎えることになってしまう。
「どうしたものか…」
掲示板に張り出されているものは、難易度のランクもかなりばらけていて、目につく限り一番多い難易度は7か8だ。初心者向けであろう1~3のクエストもあるにはあるが、それらはやはりと言うべきか賞金が少なく、ランク4以上になればそれなりのものになる。難易度10のクエストなど、賞金が2000ベルガだ。内容は西方領地に陣取る反宗教軍団の殲滅という、字面だけで充分危険なものだったが。
「これなんていいんじゃないかしら?」
そう言ってウィーネが指差したクエストを、アルナと揃って見る。内容は、南方の森林地帯に出没して街道の人々を襲うオークを討伐するというもの。賞金は35ベルガ、難易度は4だ。
「いや、どうかな…」
ゲンマが唸ると、ウィーネは「どうして?」と聞き返す。
確かに賞金面では問題ない。この世界において1ベルガがどれぐらいの価値があるのかも、おおよそ見当がついた。これが成功すれば、3人分の今日の食事代と宿代をどうにか確保できる。
だが、オーク討伐というのが自分たちにはまだ重い気がした。オークと言えば、緑色でずんぐりとした図体に棍棒などの武器を持っているイメージがある。それが他人を襲っているとなれば、凶暴性も併せ持っているだろう。そこに行くのは躊躇してしまう。
「でも、他のランクが低いクエストを見てもあまり稼げそうにないわよ?」
「だよなぁ…けどなぁ…」
ウィーネの言葉ももっともだ。今ここに貼り出されているクエストだけでは、ランク3以下になると賞金も20ベルガを切ってしまう。難易度が低く稼ぎもいいクエストは、すぐにさばけてしまうのだろう。クエスト1つをクリアするのに1日かかるとすれば、2つ以上は選べない。かといって難易度が低いクエストを選べば、宿代か食事代のどちらかを切り捨てざるを得なくなる。
「一応あたしは何度かクエストに出てるし、これぐらいのランクのクエストだって経験済みだから、多分大丈夫だと思うけど」
そんな悩むゲンマを見かねてか、ウィーネが安心させるように背中を叩く。
それからまた少し悩んだ末に、首を縦に振る。
「…分かった。それで行こう」
「よし、じゃあ決まりね!」
ウキウキと、クエストの用紙をはがして受付へと持っていくウィーネ。その背中を眺めながら、アルナに話しかけた。
「ごめん、アルナの意見を聞いてなかった…」
「いいえ。私もウィーネさんの意見に賛成でしたから。私たちはまだ冒険者になったばかりですけど、ウィーネさんの登録用紙を見るに実力は確かにあるようでしたので、大丈夫かと」
さっきは自然エネルギーの属性にばかり気を取られていたが、アルナはウィーネの能力を冷静に見ていたらしい。ゲンマも、彼女の安心させるような物言いは虚勢に聞こえなかったからOKしたのだ。これ以上悩んでも実りはない。
「頑張ろう」
「はい」
お互い顔を合わせて頷き合うと、ウィーネが戻ってきた。
◇ ◆ ◇
クエストにあった南方の森林地帯は、セントラルタウンを出てから歩いて1~2時間ほどの距離にあった。
「そういえば、ゲンマのそれって何なの?」
道中、街道を歩きながらウィーネが尋ねてくる。「それ」とは、ゲンマの持っている黒い棒だ。なまじ長いために今は歩く度に地面をついているので杖と言った方がいいかもしれない
「一応、俺の武器なんだけど…」
「へぇ…見るからに杖みたいだけど、魔法とかは使えないの?」
「使えないな…」
ゲンマがまだ経験値を得ておらず、何のスキルも得られないから特殊な能力などはない。加えて、この黒い杖の力も未だ分からないままだ。
「実は昨日、私が男の人に絡まれてるとき、ゲンマさんが助けてくれたんです。この杖で」
「ふーん…どうやって?」
「それが、その…杖で男の人の腕を叩いたら、スパって切れちゃって」
「え、腕が?」
意外そうに見るウィーネだが、ゲンマは唇を無理やり歪めて愛想笑いを浮かべるほかない。昨日の出来事は未だ頭の中に鮮明に覚えているし、あの時の感覚はいつまでも忘れることはできないだろう。助けてくれたことはアルナが感謝してくれたが、ゲンマにとってはトラウマ確定だ。
「何かしら…叩いただけで腕が切れるって、物理法則とかどうなってるの?」
「分からないな…」
「というか、持ち主が能力を把握してないって危なくない?」
「だよな…俺もそう思う」
そう言われても困る。何せ、持ち主のゲンマさえこれがどういうものなのか分かっていないのだ。万が一、ウィーネたちがケガなど被ったらたまったものではないだろうし、ゲンマとしても折角できた仲間を傷つけたくはない。この杖の破壊力を鑑みるに、適当に振り回せば武器として使えるだろうが、ウィーネたちが近くにいる時は止めた方がいいだろう。
なので今回のクエストで、それが少しでも分かればいいと、ゲンマは個人的に思っている。
「さて、ここが件の森なわけね」
ウィーネが脚を止める。街道はまだ続いているが、ここから先はそのオークが出現するとされている場所だ。今もなお、他に通行人はいるものの、街道という割には人通りは少ない。この世界に鉄道や車と言った移動手段があるはずもないだろうし、街や国を結ぶ街道というものは貴重なはずだが、人通りが少ないのは襲われる恐れがあるからだろう。
「一応、私が先導する感じで行くけど、気を付けてよ? あなたたちを守りながら戦うって、難しいから」
「努力する」
「頑張りますね!」
先を行くウィーネは、やはり年長者であり経験者である故に頼もしい。昨日食事処で飲んだくれていたのが嘘のようだ。
そうして森を歩き始めてから少し経ったところで、妙な地響きがした。
「…?」
自然と、身が引き締まる。アルナは右の掌を広げると、何もない場所に魔法陣が出現してそこから錫杖のようなものが現れる。緑色の玉が浮かぶ金の錫杖を、アルナは握った。恐らくは魔術で異空間から取り出したのだろう。
さて、先ほどの揺れは地震の可能性もなくはない。だが揺れは断続的に起きている。その間隔は丁度人が歩くのとほぼ同じぐらいに思えるが、だとすればオークはあまり大きくはないのだろうか。
そんなことを思っていたら、3人のすぐ近くの地面が突然隆起した。
「下がって!」
ゲンマの首根っこを掴んで、ウィーネが後ろへ下がる。アルナも同じように下がると、地面を突き破って何かが出てきた。それは深緑色のずんぐりとした身体で、首に当たる部分がなく頭と肩が繋がっている。顔のパーツは人間とほぼ同じだが、目は人間よりも動物に近い黒色で、下顎の犬歯が鋭い。身体の大きさは目測で3メートル以上はあり、ずんぐりとした身体から放つ威圧感は凄まじく、持っている棍棒などその辺りに生えている木を引っこ抜いたような大きさだ。
これが、オークだ。プレイしていた「マテリアワールド」にも確かにいたし、ビジュアルもほぼ同じだが、実際目にすると迫力は桁違いである。
ゲンマの背筋が凍り付く。誰かと、何かとこうして戦うなんて初めてだ。前の世界で上司に怒られる時はいつも平謝りだったし、学生時代に難癖をつけられて喧嘩になった時も抵抗できた試しがない。そんな自分が、いきなりこの巨大なオークと戦うなど。
「ぼやぼやしてないで、行くよ!」
そうこうしているうちに、ウィーネが右手にナックルダスターのようなものを嵌める。そして拳を握ると、右腕全体に淡い黄土色のオーラが宿り始めるのが確かに見えた。ウィーネは、細くゆっくりと息を吸い始め、拳を構える。
「ハァッ!」
そして一気に、オークと距離を詰める。右腕を勢いよく前に突き出し、メリケンサックをオークの左脚に…左足の脛に打ち込む。見ているだけで、ゲンマ自身の左脚の脛が痛んだ。
「グウゥ…」
だが、オークは僅かによろけるだけであまり効いていないらしい。オークが棍棒を振り下ろしてくるのを、ウィーネはすぐさま後ろに下がって避けて、とんとんと地面を足で軽く叩く。
「この程度じゃ効かないか…」
「どうしますか?」
「決まってる。もっと力を溜めるんだよ」
アルナが聞くと、言うが早いか、再度拳を構えたウィーネの右腕にまたオーラが宿る。先ほどよりも色合いが濃い。だが、流石に1撃目で学習したのかオークが棍棒を横に薙いできた。
それにいち早く気付いたのはゲンマだった。力を溜めるのに集中していたせいか、ウィーネの動きは若干遅く、このままでは間に合わない。
「はあっ!」
棍棒と交差させるように、黒い棒を振ってぶつける。間合いはおおよその見当だったが、上手くぶつけることができた。すると、やはりと言うべきか、棍棒の方が粉々に破壊された。黒い棒は傷ひとつついておらず、ゲンマ自身にもダメージは全くない。棍棒を壊した感触は伝わってきたが、反動などは一切なかった。
「ウィーネ、行って!」
「よし!」
棍棒を壊されてオークが動揺しているうちに、ウィーネが前へと駆けだす。今度はオークが左腕で叩き潰そうとしたが、その前にウィーネが地面を蹴って跳び、右腕を引く。
「おらぁ!!」
そして、拳を打ち込んだのは胸の中心。拳がオークの身体にめり込むのが、ゲンマにも見えた。抵抗しようとオークは腕を振り上げようとするが、口から血を吐き出す方が先だった。ウィーネが拳を抜いて引き下がると、オークは地面に突っ伏す。間違いなく息絶えただろう。
「大丈夫ですか?」
「気を抜かない! 次が来る!」
「次?」
アルナが駆け寄るが、ウィーネは口に入ったらしきオークの血を吐き捨てて、再び拳を構える。その言葉にゲンマが後ろを見ると、森の奥からオークがさらに姿を現した。それも3体。すぐさま2体がこちらへ向かってきた。図体の割に動きはそれなりに速い。視認できるのだけが幸いだが、ゲンマが死ぬ直前に見た大型トレーラーを髣髴とさせた。
こうなってくると、ウィーネに頼りきりなのはダメだろう。生まれて初めての戦闘とオーク討伐に緊張と驚きが途切れないが、本当の戦闘は気持ちを整理する暇もないのか。
「ゲンマ、頼んだ!」
「あ、ああ…」
1対1の近接戦闘が得意なファイターのウィーネだと、オーク2体以上を一気に相手にするのは不可能だ。さらにアルナはヒーラーなので戦闘能力はあまり高くない。となれば、破壊力がある黒い杖を持つゲンマも貴重な戦力だった。
「くっそ…!」
奥から迫ってくる1体のオークをウィーネが相手取り、手前のもう1体はゲンマが担当する。その手前にいる1体を、アルナは「風」の自然エネルギーを使って風を起こし、動きをどうにか止めてくれる。だが、あれではダメージを与えられない。それにオークは、力任せに両腕をじりじりと前に押し込もうとしている。
怖いものは怖いが、女性2人が頑張ってるのに何を尻込みしてるんだ、とゲンマは自分に言い聞かせて前に出る。
自分の手にある棒をちらっと見る。攻撃力が高いのは分かったが、神様もそんな武器を持たせるのなら、何故こんな棒切れなのだろうか。せめて剣とか槍とかにしてくれればまだ分かりやすいのだが。
心の中で愚痴りつつ、アルナが足止めしてくれているオークに接近し、まずは一撃をお見舞いすることにした。
「そらっ!」
アルナの風の魔術で動きが鈍っていた左腕を
それにしても、伝わってくる感触があまりなかったような気がする。というより、感触の鈍さというか重さが、さっきよりも軽い気がした。
「ゲンマさん、それは…?」
「え?」
アルナが、信じがたいものを見る目でゲンマを見ている。具体的には、ゲンマの持っている
だが、ゲンマは手の中にあるそれを見て、驚いた。
自分が握っていたものは、棒ではなくて剣になっていた。
色は先ほどの棒と同じ黒。重さも全く変わらないが、その剣の大きさはゲンマの背丈ほどではなく、地面から腹部ほどの尺がある。刃の部分にはオークの血がついており、間違いなくこれで斬ったことを示していた。手応えがさっきと違ったのはそのせいか。
だが、さっきまで持っていたのは確かに棒だった。それがいつの間にか剣に変わっているとはどういうことか。それは兎も角、感覚的にこちらの方がまだ戦いやすい。
するとそこで、オークが腰に提げていた棍棒を右手で持って振り下ろしてきた。ゲンマはアルナと左右に分かれてそれを避け、そのままゲンマはオークの足元へと駆ける。自分の足の速さは把握していなかったが、自分は意外にも速く走れるらしい。そして足元で一度踏ん張って、跳躍する。
「おお…?」
せめて腹ぐらいまで届けば儲けものと思ったが、意外にもオークの肩のあたりまで飛ぶことができた。オークの方も驚いているらしく、鈍い緑色の目を見開いていた。それからすぐに右腕を振り上げて、自分を野球ボールみたいに棍棒で打ちとしていたが、その前にゲンマはオークの右肩から左の脇腹を削ぐように斬る。
「はぁっ!!」
まるで豆腐を切るかのように、引っ掛かりも反動もなく、切断できた。斬られた部分から血を吹き出して、オークは地面に崩れ落ちた。
血を払ってから黒い剣を見るが、刃毀れひとつない。攻撃力が高い上に、耐久性も大したもののようだ。そしてさっきの戦闘で――
「ゲンマさーん! こっちー!!」
アルナが叫んだのを聞いて、我に返る。まだオークが1体残っているのを忘れていた。先にそちらへ向かったらしいアルナの方を見れば、同じように風の魔術でオークの動きを抑えているところだ。しかもそのすぐ後ろには、沢山の箱を背負った商人と思しき小太りの男がいる。守っているのだ。
「すぐ行く!」
ちらっと、ウィーネの方を見る。彼女もまたオークを相手にしていたが、善戦しているようだ。1体目の時よりは若干手間取っているものの、オークも長くはもつまいと踏まえてアルナの下へ向かう。
「おらっ!」
そして走りながら、オークの左腕を上下に切り裂く。痛覚は人間と同じなのか、オークは切られた左腕を押さえて、叫び声を上げた。そして、今度は力任せに右腕を振り下ろそうとする。
「ダメ、押される…!」
風の自然エネルギーだけでは完全に動きを止めるのが厳しいようで、アルナの表情が歪む。それを横目にゲンマは自分の手に持っている剣を見る。
ゲンマの中ではある仮説ができていた。それを証明するために、自分の頭の中で槍を思い浮かべる。
すると、どうだろう。
「なるほど…」
手の中にある黒い剣が蠢いたかと思うと、すぐさま槍へと姿を変えた。長さは最初の杖とほぼ同じで、先端には尖った「穂」の部分がある。
それを見て我が意を見たゲンマはにやりと笑うと、オークの左胸に向けて槍を投げる。すると槍は、狙い通り一直線に左胸を貫通し、空へと舞い上がった。やりすぎたか、とゲンマは思ったが、すぐに槍は地上に戻ってくる。それも、重力に従って落下するのではなく、意思を持っているかのようにゆっくりと。
肝心のオークは、しばしの間微動だにしなかったが、やがて横に倒れ込んだ。近くにあった木々を薙ぎ倒しながら。
「お、こっちも終わったんだね」
言いながら、ウィーネが姿を見せた。肩についていた汚れを手で払いながら微笑んでくるのを見るに、あまり苦戦はしなかったようだ。後ろを見れば、同じようにオークが倒れている。
「お怪我はありませんか?」
「ああ、何とか…」
アルナは先ほど襲われかけていた商人のケガの様子を見ている。が、意識ははっきりしているし自力で立っているので問題ないのだろう。
「……」
一方でゲンマは、自分が心臓を貫いて倒したオークを見上げる。続けて、自分が撫で切りにしたオークを見る。もはや屍と化したそれらを見ると、いくら人々を襲っていた悪しきものとはいえ、何も感じないわけではない。それもそのはずで、命を奪ったのは自分なのだから。
そこでゲンマは。
「ゲンマさん?」
「何してんの?」
アルナとウィーネが歩み寄るのを感じ取る。だが、ゲンマは自らの手を合わせたままだ。
「…こっちにも事情があったとはいえ、殺してしまったからな…」
そう言うと、アルナもウィーネもそれ以上は何も言ってこない。
ただ、自分の横で動きを止めたのを感じ取る。薄目で左右を見ると、2人も自分と同じように、オークに向けて手を合わせていた。
するとそこへ、つかつかと早歩きの足音が聞こえてきた。しかもそれは、ゲンマの下へと徐々に近づいてきており、次の瞬間には右側頭部に鈍い衝撃が加わった。
「つっ…?」
地面に倒れる。衝撃で揺れる脳をどうにか落ち着かせようと頭を押さえ、自分が立っていたところを見る。そこには、憤懣やるかたなさそうな小太りの商人が立っていた。この男に殴られたのだ。
「ちょっと、あんた。いきなりなにすんのよ?」
「それはこっちのセリフだ!」
流石にウィーネも疑問だったらしくすぐに問い質すが、商人の男はゲンマを指差し、荒い語気でそう告げた。アルナは急いでゲンマのそばに膝をつくと、頭に手をかざして治療魔術を施してくれる。鈍い痛みが徐々に引いて、頭が柔らかい何かに包まれるような感じがした。「大丈夫ですか?」というアルナの心配そうな言葉に、ゲンマは頷くだけにとどめる。
「こいつはなぁ、この街道を使ってたみんなを襲って金品を奪ってた奴らなんだぞ! 俺だってさっき襲われそうになった! そんなクソどもに祈りなんて要らねえだろ!」
ゲンマは、怒られるのが嫌いだった。自分はもちろん、誰かが怒られているのを見ることもだし、聞くことすら堪えられない身だった。
怒っている時の言葉とは、声量の大小に関わらず棘がある。その棘が含まれる声を聞くと、ゲンマはまるで自分だけが責められているような感覚に陥ってしまい、心が強く握りつぶされているような錯覚までしてしまう。おまけに怒られればかなり引きずってしまう繊細な性質なので、せめて自分だけは怒られないようにしようと、前の人生では慎重に生きてきた。
だが今、自分は独りよがりな行動をした結果、こうして非難されている。
「
唇に犬歯が食い込んだ。
自分だけならまだしも、アルナとウィーネまで同じように見られた。最初に手を合わせていたのは自分だったのに。
「はいはい、分かった分かった分かりました。今後は気を付けるから、早いとこここから離れなさい。もしかしたらまだオークがいるかもしれないし」
この状況でまだ冷静だったのはウィーネだった。商人の男の言葉を真に受けてはいないらしく、大して傷ついてもいない風に遠ざけるような感じで手を振る。まだオークがいる、という言葉は効いたようで、商人の男は荷物を背負い直すと悪態をつきながらもその場を去っていった。
「…ま、事前情報でオークは4体ってあったからもういないんだけどね」
その通りで、ギルド管理本部で見たクエスト用紙でオークは4体と明記されていた。ウィーネとゲンマがそれぞれ2体ずつ倒したので、もうこの場にオークはいないはずだ。それでも、後始末のために少し残る必要はあるが。
「…ゲンマさん、大丈夫ですか?」
「立てる?」
もう一度、アルナは心配そうに声をかけてくる。ウィーネも屈んで、未だ地べたに尻をついているゲンマに手を差し出す。
「…ああ」
けれど、ゲンマはその2人の顔が見られず、手も借りられず、1人で立ち上がった。
◇ ◇ ◆
小一時間周囲を捜索したが、新たなオークがやってくる気配もなかったため、討伐には成功したとゲンマたちは判断した。それからウィーネは、クエスト用紙に施された通信魔術を使い、ギルド管理本部に連絡を取って後始末係を寄越すよう伝える。
後始末係の名前は「ディスパーチャ」。ギルド管理本部を管轄しているセントラルタウン独自の部隊で、別の国の領土以外の場所で発生した討伐任務の後片付けを仕事としている。そのディスパーチャの到着を待ってから一行はセントラルタウンに戻り、ギルド管理本部で賞金35ベルガをきっちりと受けとった。
「じゃあ、一先ずそれで」
「はいよ、ちょっと待ってなね」
そして場所は移って、セントラルタウンの料理店。昨日、ゲンマたちが数奇な出会いを果たした場所だ。女将はウィーネの顔を見るなり顔をひきつらせたが、初クエスト成功祝いとウィーネが伝えると、ニコッと笑って受け入れてくれたので器量の広い女性と見受ける。
金の心配も一先ずなくなったので、ウィーネとアルナが料理を頼んでいった。
ただし、ゲンマは店に入ってから一言も口を挟まない。
「…まだ気にしてるの? あのデブ商人のこと」
女将が店の奥に行った後、一拍置いてウィーネが聞いてきた。「デブって…」とアルナが苦笑いを浮かべるが、ゲンマは笑う気も起きない。気にしているのはまさにウィーネが言った通りのことだ。
「別に気にしなくていいじゃない? 命を救ってやったのに、あんな言い草。あたしらが何しようがあいつに何の害もないじゃないのさ」
「まぁ、あの人の言い分も分からないわけではありませんが…だからと言って、ゲンマさんがそこまで思い詰めることはないですよ」
アルナの言うように、商人が激昂する理由はゲンマも理解できるのだ。彼や、オークに襲われた人たちは、仕事で交易のために金品を運んでいた人たちだ。それをいきなり襲われ奪われ時には命も奪われたとなれば、どうしても憎しみや怒りは抱いてしまう。襲ってきたオークに敵愾心を露わにするのも、一概に悪いこととは言えないのだ。
「…動物とかを殺したことなんてなかったんだ。俺」
前の世界で生きていた時もそうだった。蚊などの害虫は置いておき、人間はもちろん、動物を殺したことはない。子供の頃、無邪気にアリを踏みつけにしていた記憶はあるが、それは思い出す度に恥ずかしさと罪悪感を抱き、大人になってからはそんなことはしていない。
だが、この世界に来て、前の世界の人生も含めて生まれて初めて
「普通に生きていれば、誰かを殺すことなんてないと思ってたけど、そんなことはなくて」
前の世界では、殺人事件や傷害事件のニュースを見る度に胸を痛めていたものだ。そしてその度に、自分はその繊細な性格から被害者のことを考えて、絶対に加害者の立場になってなるものかと自分に言い聞かせていた。
そして犯罪者が罰せられたとニュースで聞いても、感慨は特になかった。それに値するほどの罪を犯したのだから当然だろうと、疑問を抱かなかったからだ。
だが今日、自分は確実に殺しをした。それも、平穏を脅かす存在を倒すという、
ゲームの世界でも、雑魚敵を狩る毎にいちいち罪悪感など感じていなかった。むしろ、キャラクターが敵を倒して経験値を得る毎に達成感すら抱いていたものだ。
今までずっと真っ当に生きようと思っていた自分が殺しをした事実に、打ちのめされている。
「命を奪ってしまったことに耐え切れなくて、せめてものというつもりで俺はオークに手を合わせた」
「…そういうこと、だったんですね」
「……」
アルナとウィーネは、静かにゲンマの話を聞いている。近くの席で談笑しているグループの声が、やけに遠くに聞こえた。
「それでもあの人が怒ったのは、アルナの言った通り分かる気がする。でも、何より自分で許せないのは…」
アルナとウィーネの顔を見る。
「…2人にまで、俺と同じような扱いをさせてしまった」
手を合わせたのが自分だけなら、頭がおかしいと言われるのは自分だけで済んだ。それなら、勝手にゲンマが凹むだけで済んだ。
けれど、この2人はゲンマと同じようにオークに手を合わせた。そのせいで、あの商人は「お前ら」と一括りに異常者扱いしたのだ。
「本当に、すまない。俺があんなことをしたから…」
きっと2人は、ゲンマが手を合わせたのを見て、何かしらを感じ取ったのだろう。もしかしたら、「自分たちもしなければ」と脅迫観念を植え付けてしまっていたのかもしれない。だとすれば、やはり自分のせいで2人まであんなことを言われる羽目になった。
「何言ってんの」
そう言いながら、ウィーネは水の入ったカップを、ゲンマの額に軽くこつんとぶつける。少しも痛くない。
「あたしは別に、あんなデブの言ったことなんてちっとも気にしてないよ」
「けど…」
「それに、手を合わせたのだって自分の意思だし」
水を一口飲むウィーネは、カップを手で包むように持った。
「あたしも、今までギルドに所属してクエストをいくつもこなして、ああいうオークだけじゃなくて討伐対象の害獣やゴブリン、お尋ね者とかも殺してきたよ。何十とね」
そう語るウィーネからは、神妙さが感じられた。向き合うものと向き合う時が来た、というような雰囲気だ。
「それまでは、命を奪うことについては特に罪悪感とか感じることはなかった。ただ討伐しろって指示があったからそれに従ったまでで」
「……」
「でもさ、あんたが今日オークに手を合わせてるのを見たら、何か私もね…足首を掴まれるみたいな、申し訳なさっていうのかな。そういうのを感じたんだよ。今までそういう風に手を合わせるやつはいなかったからさ」
今まで感じなかった、命を奪うことに対する申し訳なさ。それをゲンマの行動が思い起こさせたというのだ。
ゲンマの隣に座っていたアルナも、「そうですね」とうなずく。
「私も今回、初めて命が奪われる瞬間というものを目にしましたし、今回私は奪う側でした」
アルナが北方の山間の集落出身なのは設定で知っている。だが、雪が多いという点以外でどんな場所だったのかまでは分からなかった。命が奪われる瞬間を今まで見たことがないとすれば、恐らくは平和な場所だったのだろう。
「だから、他人の命を奪ってしまった時、心に石を落とされたような気がしたんです」
「いや、でもアルナは…」
「命を奪うことに対して何も言わなかったのは同じですし」
アルナはオークの動きを止めていただけで、実際とどめを刺したのはゲンマだ。しかしながら、アルナはオークを倒すことについて何も意見していなかった。アルナもそれを気にしている。
「ですから、罪悪感を抱かなかったというのは嘘になります。確かにあのオークは人様から物を奪っていましたが、オークなりの事情があったのかもしれませんし…」
「……」
「何より…命を奪うということは本来罪深いものですからね」
クエスト帰りにルスターから聞いた話では、クエストで冒険者が対象を討伐(殺害)することには許可が下りている。ただし、クエスト外で同じようなことをすれば罪に問われてしまう。また、万が一冒険者として登録していない者がクエストの討伐対象を殺害或いは傷つけても、通常より罰則は多少軽くなるとはいえ同様に罪になる。本来の命の貴さは、この世界でも変わらないものだ。
「なのでゲンマさんが、命を奪ってしまった方を偲び手を合わせるのは、何らおかしいことではないと思いますよ」
「あたしも同意見。頭おかしいなんて、的外れだね」
安心させるように、肩をぽんぽんと叩くウィーネ。微笑んでくれるアルナ。
この世界でも、前の世界でも、自分の行動が誰かにとって不利益にならないかと、感じることは多々あった。自分の性格がそうさせるのか、それとも心に患った病のせいなのかは、未だに分からない。
だが、2人にそう言ってもらったことで、少し気持ちにゆとりが生まれる。2人がその場限りの出まかせを言っているわけでないのは、表情で分かった。
「…そうか…。ありがとう…」
瞼に力を籠めるが、どうしても涙が溢れてしまうのを堪えられない。人前で泣いてしまうのはいつになっても恥ずかしいが、今は恥ずかしさよりも嬉しさの方が勝っていた。間違ったこと、常軌を逸していたことをしたと思っていた自分の行動を、受け入れてくれたのだから。
「2人が仲間で…本当に嬉しい」
「こちらこそです」
「嬉しいこと言うじゃない」
素直な気持ちを伝えると、アルナもウィーネも笑ってくれたのが、涙まみれの視界でも分かった。
「はいお待ちどう…ってどうしたの?」
「ああ、ちょっと今日のクエストで色々あってね。心配ないよ」
「そうかい? まぁ、落ち込んだ時は美味いもの食べてゆっくり休むのが一番さね」
そこへ女将が、大鍋を持ってやって来た。泣いているゲンマを見て逆に聞いてきたが、ウィーネがざっくり説明すると女将はそれで引いてくれた。
テーブルの真ん中に置かれた大鍋の蓋が開かれると、肉や魚、そして野菜が所狭しと詰まっていて、温かい湯気がぼわっと一気に広がる。隣に座るアルナが「美味しそう…」と呟くのも無理はない。
「それと、これね。今日は控えめにしなよ?」
「分かってるって」
さらに、酒瓶が1つだけテーブルに置かれる。それを頼んだのは他でもないウィーネだ。
2人に励ましてもらったことに加え、美味しそうな匂いに中てられて、ゲンマも大分気持ちが楽になったので涙を拭う。率先してアルナが取り分けようとしたが、それよりも早くゲンマが取り皿にそれぞれの分をよそう。女性に自分の分まで用意させるのは気が引けた。
今回の賞金35ベルガだが、まず宿代として14ベルガ(女性陣2人で1部屋+ゲンマの1部屋)は先に確保した。そして残りの21ベルガを3等分し、それぞれでお金を出し合ってこうして大鍋料理を注文したのだ。これからさらに、コツコツ稼いでいく。
「そういえばゲンマって酒飲む?」
「…普段は飲まないけど。今日は少し貰うかな」
「了解~」
ウィーネが酒を2つのコップに注ぐ。前の世界でもゲンマは酒をほぼ一切飲んでいなかった――成人祝いに一杯飲んだだけ――が、今日は少しだけ飲みたい気分だった。ウィーネ曰く、そこまで強い酒ではないので丁度いいだろう。
「それじゃ…」
酒の入ったコップを渡され、ゲンマとウィーネ、そしてアルナ(水だが)の3人がコップを掲げる。
「「「乾杯!」」」
そうしてコップを掲げて、酒を一口飲むんで食事会、というよりも祝勝会を始める。
その時間は、ゲンマにとってとても心地よい時間だった。
「マテリアワールド」プレイしてると、使うキャラの属性がどうしても偏りがちになる。個人的には水と風を重用しがちになっちゃうけど、多分私自身がそういうものに癒しを求めているからなのかもなぁ…