アクシズに立ち寄ったら、逆襲の〇ャアのようなテロ事件に巻き込まれました~逆襲のテテテ 作:ひいちゃ
宇宙世紀0093……。あの大乱『グリプス戦役』から6年が過ぎていた。
その間、シャアに率いられたアクシズはジオン共和国と統合し、新たな出発を飾った。
シャアが首相となったジオン共和国は地球連邦と協調路線をとり、ともに地球圏の復興、発展のために尽力することになったのだった。
その尽力の一端、サイド3の外縁部に停留されている小惑星基地・アクシズ。
ここでは、アクシズ本体に眠る鉱物資源の採掘が行われていた。
この採掘は、それまではアクシズ勢力(統合後はジオン共和国)だけで行われていたものの、現在はシャアの連邦政府との共同での地球圏発展事業の一環として、連邦政府と協同で行われている。
そのアクシズ内の食堂で働く一人の女性がいた。茶色の髪をポニーテールにした、童顔の女性。彼女のことを知らない者から見れば、彼女がアラサーだとはとても思えないだろう。
その彼女に、作業員の一人が話しかける。
「すまないな、カレル嬢ちゃん。こんなところで安い時給で働いてもらって」
カレルと呼ばれた女性は微笑しながら、作業員が差し出したトレイに料理を盛り付ける。
「いいんですよ。こちらこそ、モウサの中を見学させてもらってますから。これぐらい安いものです」
カレル・ファーレハイト。かつてエゥーゴのエースパイロットの一人として、グリプス戦役の終結のために戦った女性だ。だが、とてもそんな風には見えない、とはグリプス戦役のことを詳しく知らない人たちが彼女を見て、最初に言う言葉だ。
それは容姿もさることながら、その穏やかなふるまいのせいもあるかもしれない。
そんな彼女に食事をよそってもらった作業員は笑って一礼すると、その列から外れた。続いて別の作業員が彼女の前にやってくる。
* * * * *
―――ふぅ、千客万来だな。
―――……大丈夫ですか、……さん? もしお疲れでしたら、私が代わりますが……。
脳内に『相棒』の声が届く。俺……カレル・ファーレハイトは、その『相棒』の好意に感謝しつつ、それをやんわりと断った。
―――いや、大丈夫だよ。それに身体は同じなんだから、代わってもらったって疲れがなくなるわけじゃないしな。
―――ふふふ、確かにそうですね。でも、疲れてたまらなくなったら言ってくださいね。
―――あぁ、ありがとう、『カレル』。
そう、声の主、『相棒』は『カレル』。この体の本来の持ち主である。
俺は元はここの人間ではない。宇宙世紀ではない世界から転生してきた転生者、それが俺である。ある日突然、『俺』の自我が覚醒したとしても、それまでの『カレル・ファーレハイト』だった人格が消えるわけではない。いや、聞くところによるとたいていは塗り替えられる形で消えるそうなのだが、俺たちの場合はそうではなかったようだ。
『カレル』が洗脳されていたときは、彼女と対立していたこともあったが、今では和解し、このように仲のいいパートナーとして付き合わせてもらっている。
―――『パートナー』として付き合わせて……
こ、こらっ。変なことを想像して赤面するなっ。
―――あ、ご、ごめんなさいっ。あれ? あれは……。
おや、向こうから見知った顔が二人……。
「久しぶりね、カレル」
「お久しぶりです」
やってきたのは、ちょっと独特な髪型をした、俺より少し年上の女性と、俺より年下の青年だった。
「エマさん、カツ、お久しぶりです。お二人の部隊がアクシズの周辺宙域警備に来ていたのは知っていましたが……。顔をお見せせずにすみませんでした」
そう、グリプス戦役時代の戦友、エマさんとカツだった。
俺がそう言って二人に頭を下げると、エマさんは微笑んで許してくれた。
「いいのよ。カレルも忙しかっただろうし、私たちも忙しかったから」
「そう言ってくださると助かります。それにしても……」
ふとあることに気が付いて、カツに視線を向ける。それに気が付いた彼が、首をかしげる。
「何か?」
「うぅん、なんでもない……」
さすがに、成長して声がリディに似てきた、なんて言えないよな。
と、そこに。
―――???
―――どうしたんだ、カレル?
―――いえ、何か……このアクシズにかすかな悪意が入り込んだのを感じ取ったんですけど……気のせいでしょうか。
―――気のせい……だといいけどな。一応、気にしておくか……。もうグリプス戦役みたいなことはこりごりだが。
そう、『カレル』と言葉をかわしながら、俺はエマさんとカツのトレイに料理を心持ち多く盛ってあげた。
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