アクシズに立ち寄ったら、逆襲の〇ャアのようなテロ事件に巻き込まれました~逆襲のテテテ   作:ひいちゃ

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さぁ、果たしてアクシズは地球に落とされてしまうのでしょうか!?
どうぞご覧あれ!


#08

 俺が女兵士とキャットファイトを演じているアクシズ内の通路にも、女兵士の通信機を通して、向こうのやりとりが聞こえてくる。

 

「正気なのですか、中佐!? アクシズを地球に落とすなど!」

「正気も正気だ! コースは変わらず、アクシズを地球に落としてやれ!」

「お待ちください……! 旧ジオンのコロニー落としでもかなりの被害が出たのです。それより質量の大きいアクシズを落とせばどうなるか……!」

 

 それを聞き、女兵士も驚愕の表情を浮かべている。

 そこで銃音が響く。

 

「かまわんと言っている! ギレン総帥の理想を葬った地球など滅んでしまえばいいのだ! その後どうなっても知ったことか!」

「その言葉、聞き捨てなりません! 『連邦を滅ぼすのではなく打ち負かし、スペースノイドの自治権拡大を勝ち取り、地球と地球圏に真の繁栄をもたらす』という我がカラードの理想はどこへ行きましたか!」

 

* * * * *

 

 サトウは、イリアに銃を向けたまま独善と狂気の笑みを浮かべて、口を開いた。

 

「そんなもの、ただの方便にすぎん! 自治権拡大? スペースノイドの繁栄? そんなもの、ギレン閣下の理想に比べたらクソだクソ!」

「なんてことを……!」

「私は適当な方便を使ってお前たちを利用しただけだ。さぁ、話はここまでだ。とっとと移動開始の指示を出せ! それとも、今度こそ鉛弾を……」

 

 サトウは最後まで言えなかった。傍らの兵士がサトウを銃撃したのだ。それを受け、他のクルーたちも銃をサトウへとむける。

 

「お、お前ら……!」

 

 狂気の表情を浮かべながら、撃たれた腹をおさえ、クルーたちをにらみつけるサトウに、イリアが断罪の言葉を放つ!!

 

「我がカラードの理想を汚した罪、我らを甘言を用いて利用した罪、全てを償え、サトウ!!」

「い、イリアぁ……貴様ああぁぁぁぁ!!」

 

 パンパンパンッ!!

 

 さらに周囲のクルーたちからも発砲され、サトウは彼の心根の如く、醜く身体を躍らせた。そして最後に。

 

 パンッ!

 

 イリアからの銃撃を額に受けてついに倒れ、こと切れたのだった。

 それを見下ろすと、イリアは最初に銃撃を行ったクルーのほうを向いて微笑む。

 

「ありがとう、貴官は私の命の恩人だな」

「いえ……でも、どうします?」

「この作戦の全てが偽りとわかったからには、これ以上の戦いは無意味だろう。全MSに撤退命令を出せ。潜入班にもな。撤退が無理な場合は、連邦軍またはジオン共和国軍への投降も許可する。なお、『彼ら』への合流を希望する者は、そちらの艦へ向かうように」

「了解です」

 

 そして別のクルーに対して指示を出す。

 

「我が艦隊は残存兵力を回収した後、この空域を離脱する。その旨、『彼ら』の艦にも伝えておけ」

「はい……あ、その前に向こうから通信がきました」

「スクリーンに出せ」

「了解」

 

 そしてスクリーンに、いかにも歴戦の戦士という風貌の男が映し出された。

 

「撤退の動きはこちらにも見て取れている。作戦を中止することにしたようだな」

「はい。恥ずかしながら、サトウに踊らされていたようです。我々はこれから地球圏を離脱し、木星圏に隠れてこれからどうするかを考えるつもりです」

「そうか、それがいいかもしれんな。貴様たちの前途に、少しでも祝福があることを祈っているぞ」

「ありがとうございます。そちらへの合流を希望する仲間たちをよろしくお願いします」

「うむ、責任をもって預かろう」

 

 そして通信は切れた。それからも、カラードのMS隊は次々とカラード艦隊に帰還していき……。

 

「パゾム少佐、MS隊の回収、完了しました」

「よし、全艦出航。木星圏で新たな道をはじめようではないか」

「はっ!」

 

 そして、イリア・パゾム率いる艦隊は、人知れず、宇宙の闇へと消えていくのであった。

 

* * * * *

 

 さて、アクシズ通路。そこでは、あの女兵士がジオン共和国の兵士たちに銃を突きつけられている。

 だが彼女は、あの話を聞いたせいか、すっかり抵抗する気を失って座り込んでいるようだ。

 

「なんてこったい……。あたしたちとしたことが、あんな奴の嘘に踊らされていたとはな。アルヴェニシカ・キーストとしたことが恥ずかしいぜ」

 

 アルヴェニシカ・キーストだって? アルヴェニシカ・キーストといえば、ダブルフェイクに出ていた女性パイロットじゃないか。そんな女兵士とキャットファイトをしていたのか俺は。

 

 とそこで、アルヴェニシカがこちらに目を向けた。

 

「あんた、なかなかやるじゃないか。名は?」

「あ、はい。カレル・ファーレハイトです」

「そうかい。あんたのファイト、なかなかなもんだった。あんな連邦やジオンのために良くそこまでやれたもんだ」

 

 そう言われ、俺はつい苦笑を浮かべてこたえる。

 

「いえ、別に連邦やジオンのため、なんてつもりはありませんよ。私はただ、同じところで働いてる人たちの助けになりたかったし、何より地球に生きる人も宇宙に生きる人も、死なせたくなかっただけです」

「はっはっはっ! いいね、そういうところ、嫌いじゃない。出所したときには、一緒に酒でも飲もうじゃないか」

「ノンアルでしたら」

 

 そこで兵士が、アルヴェニシカに立つよう促す。アルヴェニシカはやれやれといった感じで立ち上がると、何かを思い出したらしく、またこちらのほうを向いて言った。

 

「そうだ。あんた、もしシャア・アズナブルに会ったら、こう伝えといてくれないか。『ジオンの希望になる気はあるのかい?』って」

「どういう意味です?」

「さてね。本人に伝えてくれれば、あちらがわかるだろうぜ」

 

 そしてそのまま、アルヴェニシカは兵士に引き立てられて去っていったのだった。

 




さぁ、この後は2話続けてエピローグ的な話となります。
感動的(?)な話や、『カレル』の過去の話も少し出てきますよ。
お楽しみに!

次の話は、8/24 13:00に更新する予定です。お楽しみに!

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