とある外道の6人組   作:毛糸ー

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取り合えず『人的資源(アジテートハレーション)』の説明をしておかんと……。


3.『不死身の悠々』

――――橋詰悠々について

 

「何故あやつは儂があそこまで嫌いなのか理解できん」

――――早瀬早々

 

「俺の最大の失敗の象徴にして……最高傑作だ」

――――キラーB

 

「奴はストイックじゃのう!少しは肩の力を抜いてほしいもんじゃが!」

――――ドローム・A・ヴィスタ

 

――学園都市第五学区――

 

 『人的資源(アジテートハレーション)』。それは、変貌した薬味久子が提唱した、『ヒーロー』を抹殺するための計画。AIM拡散力場を通して『ヒーロー』達の精神に干渉し、『庇護対象』の保護を目的に暴走させ、共倒れさせるための計画である。

 

 大学や短大が多く立地する学園都市第五学区でも、『人的資源(アジテートハレーション)』により暴徒と化した『ヒーロー』共が暴れようとしていた。だが、それはすぐにどうでもよくなった。破壊と暴殺の化身が現れたからだ。

 

 

 小型の殺戮竜巻が通ったかのような惨状の地下鉄西部山駅に、一人の塗仏ズンビーめいた様相の巨漢が佇んでいた。彼の名は橋詰悠々。ズンビーめいた、と称されるのは訳がある。彼の身体には大量の武器が突き刺さっていたのだ。

 

 小刀・剣・槍・銃弾・斧……動きやすいように折られているが、それらは確かに、彼の身体に突き刺さっている。それをものともしない様子からついた異名が『不死身の悠々』。

 

「な……何なんだ、お前は……!」

 

 『ヒーロー』の一匹が呻く。生き残りは偶然瓦礫が体に当たらなかった彼以外にいないだろう。悠々はそれを一瞥もせず、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。その醜態を見もせずに悠々は吐き捨てる。

 

「雑魚が」

 

 

 悠々は元々、特に変哲の無いチンピラに過ぎなかった。だが、()()()()()()()()()()()()()との出会いですべてが変わった。カツアゲによるその日暮らしであった悠々に、『鍛え上げられた暴力によって究極存在に至る』という劇物めいた、だが盲を拓くような教義を注ぎ込まれたのだ。

 

 信者達による蠱毒を勝ち抜いた彼は、究極存在に至るために恐るべき魔技を身に着け、存分に闘争し、殺戮した。だがその素晴らしき日々も長くは続かなかった。キラーBなる卑劣なカルトデザイナーが制御不能となったカルトに刺客を送り込んできたのだ。

 

 彼を導いた教祖も、幹部も同輩も皆死んだが、そんなことはどうでもよかった。闘争の機会が失われた。究極存在に至るための手段が。己に向かってきた刺客共を血祭りに上げ、呆然としている悠々に声をかけてきたのは、散々と名乗る刺客の一人であった。

 

 散々から教祖をも上回る暴力を感じ取った彼は、そのまま散々に恭順と相成ったのだ。

 

 

 悠々は己の作り出した惨状を見渡す。生き残りはいない。そして、当てが外れたと言わんばかりに駅の出口へと向かった。更なる闘争のために。

 

「闘争を。天まで届く、闘争を……!」




この方のイメージは頭のネジが飛んだ砕涛華虎です。
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