とある外道の6人組   作:毛糸ー

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この人は作者の手間的に喋らせたくないキャラです。
(一番はクソ音ことトルネンブラですが)


6.『土遁の鬱々』

――――手塚鬱々について

 

『信頼0111ける手練01』

――――宇宿粛々

 

「俺と同じハンターだ。標的を嗅ぎ付ける嗅覚には素晴らしいものがある。」

――――O・スカー

 

「不言実行は美徳と言うが、偶に口開く時にゃぁもうちょいでかい声でしゃべってほしいもんじゃな!」

――――ドローム・A・ヴィスタ

 

――学園都市第七学区――

 

 『人的資源(アジテートハレーション)』で学園都市が喧騒に包まれている頃、学園都市第七学区やその周辺の学区では、奇妙な死体が相次いで生じていた。脚から地面に引き込まれ、土中で窒息死している死体が。

 

 その死体の元は、フリークアウト死した者達と同様、過去『藍花悦』を名乗っていたか、現在『藍花悦』を名乗っている者達であった。……恐るべきことに、これらの死体は『人的資源(アジテートハレーション)』が終わった直後に発見されたものではない。

 

 地面から漂う腐臭を訝しんだ警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)がアスファルトを掘り起こしたことによって初めて発見されたのだ。彼らは土の中に引き摺り込んでおきながら、人に気付かれないワザマエを畏れ……そして必ずこの大量猟奇殺人の犯人を捕まえると誓った。

 

 

(((……終わったな)))

 

 手塚鬱々は()()()で独りごつ。土の中?然り。鬱々は『土遁の鬱々』という異名が付けられるほどの手練れのドトン(土遁)使いである。そして、彼の担当分の『藍花悦』を地面に引き摺り込み、即座に土を肺に詰め込み窒息死させて殺していた。

 

 鬱々は元々、ドトンを得意とする傭兵であり、老齢に差し掛かったこともあり情報屋への転向を考えていた。彼ほどの手練れとなれば、ドトンを用いてあらゆる場所に潜り込めるからだ。だが、その彼にマッタをかけてきた者がいた。『外道の散々』である。

 

 依頼人を気まぐれに裏切る散々の悪名は鬱々も知っていたため、怪しさ満点の勧誘もはねのけんとした。だが、散々は「不老になる代わりに定期的に服用せねば塗仏ズンビーめいた悪相となる薬」を鬱々に盛り、強制的に勧誘せんとした。

 

 別に悪相になるのはかまわなかったが、これ以上突っぱねれば何するか分からないと状況判断し、鬱々は散々の勧誘に応じたのだ。

 

(((ああ面倒くさい。非常に面倒くさい)))

 

 鬱々は余の者らと違い、今回の仕事を厄介なものとみなしていた。そもそもカタギを大量に、それも短時間に殺すという内容自体が厄介であった。ドロームは治安維持組織に情報が流れないよう小細工しておくと言っていたが、こちら側でも証拠隠滅はやっておく必要があろう。

 

 その面倒なひと手間を強いられるというのが面倒の一つ。もう一つは、散々の言い渡した自由行動にある。散々の配下には早々を始めとして自重を知らない者が多すぎる。

 

(((実に……実に実に実に面倒くさいが、行かねばならんな)))

 

 鬱々は溜息を一つもらすと、騒動の中心に向かっていった。ドトンで。

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