とある外道の6人組   作:毛糸ー

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このたび「とある外道の6人組」に表紙が出来ました!詳しくは活動報告にて!


8.『炉心の浦々』

――――秋津浦々について

 

「ヒック……そうだなあ、奴は……普通のチンピラに見せかけて、普通のチンピラよりちっとは用心深いかね。ヒャヒャヒャ……」

――――浮田重々

 

「煤の野郎、死んだと思っていたら生きてるとはな。……貸した金、はよ返せ」

――――賽

 

「賽の知り合いじゃな。普通のチンピラと言う感じで、話しとると面白いわい!」

――――ドローム・A・ヴィスタ

 

――学園都市第十一学区――

 

「ケケケケケケ……」

 

 ここは学園都市第十一学区。物資の搬入が盛んなこの学区内で、焼き殺された『藍花悦』達の懐を探る影がいた。彼の名は秋津浦々。別名『炉心の浦々』である。

 

 彼は元々、煤という賽の知り合いであった。だが、賽からした借金を返すためにスラッシャー行為にいそしんでいた際、メガコーポの治安維持部隊に捕らえられた。そして、完全武装の治安維持部隊に鉄パイプで戦い、何人も血祭に上げた戦闘力を見込まれ、人体改造を施された。

 

 その結果が今の、煤の異様な姿である。彼の身体は固まりかけのマグマめいて内からオレンジの光が漏れ、左腕は頭無蚯蚓めいたジャンクの集積と化していた。このジャンクの集積こそ、今の煤の実態に近い。いかなる理屈か、彼は赤熱機械生命体と化したのだ。

 

 だが、そのメガコーポに長年恭順していた散々なるろくでもない傭兵が謀反を起こした際、散々は弾避け代わりに煤を勧誘。煤もその誘いに応じたのだ。

 

 その煤は基本的に『鋼龍』に所属するティピカルチンピラめいた性格をしており、金と暴力に目がない。今しがた焼き殺した者らの死体剥ぎをしているのも、彼らが身に着けていた貴金属類を探り出すためである。文句は言わせぬ。生者も死ねば死体なのだから。

 

 だが、”異世界”のスラム街ならともかく、ここは学園都市、しかも外からの物資搬入が行われる都合、しっかりとした警備がひかれている場所である。煤の非道が見逃されるはずも無かった。

 

「何をしている……!?そ、それはなんだ!?」

 

 突如、煤の顔面に鋭い一条の光が当たる!その正体は警備員(アンチスキル)が纏う駆動鎧(パワードスーツ)からのサーチライト!この警備員(アンチスキル)は謎めいてうずくまる存在を見咎め、職務質問をせんとしたのだ!だが、彼の目に写ったのは人間めいた何かと明らかに焼け焦げた死体!戦慄!

 

「イヤーッ!」

 

 対する煤は誰何されたことにも構わず目を細める!それに応じて彼の全身からは赤熱ワイヤーが飛び出る!ワイヤーは壊れたヒーターめいて熱を巻き散らかしながら、瓦礫やゴミを無差別に溶かし、舞い戻る!これに対し警備員(アンチスキル)はジャンプで回避!そしてタックル!

 

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」

 

 だが、煤には二の矢があった。彼は尻尾めいて引き摺っていた左腕を異常な速度で引き戻すと、そのまま殴りつけた!吹き飛ぶ警備員(アンチスキル)!困惑!だがすぐに、目の前の異常存在の素性を推測した!暗部()()()に君臨する、『ストレンジの九龍城』の関係者に違いない!

 

(どういうことだ!?駆動鎧(パワードスーツ)を着た警備員(アンチスキル)を吹き飛ばしただと!?……コイツ、ストレンジの九龍城の奴か!……捕らえてあの場所について聞き出す!)

 

 警備員(アンチスキル)が決意を新たにしている所に、煤が襲い掛かる!彼の左腕は、先程のワイヤーが持ってきたゴミクズを纏い、巨大化!仰々しい籠手を纏ったが如き巨大な拳と化す!

 

「イヤーッ!」「グワーッ!?」

 

 今度は警備員(アンチスキル)は吹き飛ばされなかった。しかし、それよりもっと恐ろしいものが彼に襲い掛かった!殴打の瞬間に駆動鎧(パワードスーツ)に絡みついた赤熱ワイヤーが、彼の柔らかい体を狙うムカデめいて浸食してきたのだ!

 

「アイエエエッ!?」

 

 悲鳴をあげる警備員(アンチスキル)!だが煤は手を緩めぬ!異様な巨大瓦礫蚯蚓めいた左腕からさらに赤熱ワイヤーを繰り出す!そして、体を赤熱発光させる!警備員(アンチスキル)はたまらず死んだ!

 

「イヤーッ!」「アババババババーッ!?」

 

 グズグズに溶けた駆動鎧(パワードスーツ)の残骸に、煤は手を突っ込み、まさぐる。その手を取り出すと、駆動鎧(パワードスーツ)内に使われた貴金属類が掌の上にある。それを見て満足げに顔を歪めると、煤は左腕を変形させ、皮膜を出すと次なる金の山に飛び立っていった……!




コイツのビジュアル&能力イメージは赤黒の炎で焼かれたコンヴァージ(忍殺)+要塞で暴れたロボット(ラピュタ)です。
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