とある外道の6人組   作:毛糸ー

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10.『殺しの粛々』

――――宇宿粛々(ザン・ギャク)について

 

「何考えてるかさっぱり分からん。急に肩をポンと叩かんでほしい。そしてポーカーはガン無視して麻雀には加わる理由も分からん」

――――手塚鬱々

 

「兄貴は強いぜ!」

「……よく分からん兄貴だ。だが、意外とおれたちと似ているのかもしれん」

――――ザン・コク、ザン・ニン

 

「奴をイカレと言う奴は多いが、本性は意外とフツーじゃぞ?奴もワシらと同じ……死ぬほど暴力が好きなゴロツキの一匹よ」

――――ドローム・A・ヴィスタ

 

――学園都市第十五学区――

 

「アバッ、アバッ」

 

 ザン・ギャク、別名宇宿粛々は己が担当していた『藍花悦』共を殺し終え、佇んでいた。足元には、最後の『藍花悦』。血を流し、息絶えようとしているその存在をザン・ギャクは無慈悲に見やる。

 

(楽01仕事だ)

 

 ザン・ギャクが相手した『藍花悦』共は、どいつもこいつも隠密一つ使えず、反撃したとしても非常につたない。容易に顔面唐竹割、あるいは至近距離ショットガン殺で始末出来た。……彼は知らぬことであったが、10人の傭兵の内、担当分の殺しを一番早く終えたのはこの粛々であった。

 

(1110からどう1011か000000)

 

 早々と仕事を終えたザン・ギャクは、自由時間で何をするか考える。今ストレンジの九龍城に戻った所で、ポーカー仲間のいない哀れな重々と、それに付き合わされているさらに哀れな鬱々がいるだけだろう。粛々の一党の大半は『自由』と聞いて滅茶苦茶していいと勘違いする連中だからだ。

 

 そして、一党のリーダーである散々も、ザゾグやドロームから『特別任務』とやらを請け負っている。ストレンジの九龍城に戻っても自分が苦手なポーカーをさせられ、金を巻き上げられるしかないため、粛々は自由時間を謳歌することにした。

 

 手始めに、この学園都市に居る警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)などというクソカス治安維持部隊共を血祭りに上げようか。そう考えた彼の眼前に、()()()が立ち昇った!

 

「……あああー……アンタに頼みがある」

 

 その緑の炎は、バゲージシティで対峙したあの生ける音めいた異様な存在感を示していた。然り。この炎の正体は旧支配者トゥールスチャ。ホス卿の配下であり……先日の失態を埋め合わせろとホス卿から指示を受け、この学園都市に再び舞い降りたのだ。

 

「ウウウ……アンタ、ちょっといいか?金はたっぷり出す。頼みを聞いてくれ」

 

 薬物中毒者めいて胡乱げな視線を彷徨わせる緑の炎に、粛々は臨戦態勢を解く。そして、異様な眼光を光らせながら、この炎が持って来るだろう新たな暴力の匂いに思いを馳せていた……。




これで10人の紹介は終了!
次はこいつらの自由時間とザゾグさんらです。
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