――『
学園都市の超能力者、その第七位、『
「どっこいせー」BLOOOOOOW!
「「「アイエエエッ!?」」」
彼が気の抜けた声と共に拳を突き出すと、凄まじい旋風が吹き荒れる!そして、山火事めいて燃え盛っていた火炎の大部分が一気に消し去られたではないか!彼にちょっかいをかけようとした『ヒーロー』共も紙屑めいて飛んでいく!
「……さっきから何度も言ってると思うけどよ、逃げたい奴は逃げろ。根性なしどもに耐えられるもんでもねぇぞ、俺の人命救助ってのはさ」
「イヤーッ!」
彼が吹き散らされてもなお集まる蚊の群れの如き『ヒーロー』共に幾度目かの忠告を放った時、横からアンブッシュが!削板はこの見事なアンブッシュに反応できぬ!この虚無僧めいた邪悪老人、早瀬早々に彼は殺されてしまうのか?
「ヌウーッ!」
だが耐える!削板軍覇の能力は学園都市の科学に染まりし魑魅魍魎共を持ってして解析不可能な能力であり、彼に不可思議な力をもたらしている!ゆえに、早々の多臓器破壊打撃アンブッシュにも、一つの臓器をも破壊させずに堪えることができるのだ!
「ほほう!これを耐えるか!イヤーッ!」「グワーッ!?」
だが早々もさるもの!アンブッシュが防がれたと見るや、顔面に一撃!今度は衝撃を叩き込まれ、流石の削板もたたらを踏む!早々は削板の顔面に畳みかける!この一撃は頭を揺らすことに重点を置いており、さほど威力は無い!一般人に打っても数時間の気絶が精々だろう!
「イヤーッ!」「グワーッ!?」「イヤーッ!」「グワーッ!?」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
打撃は顔に三度入った!だが、四撃目を削板は掴んで止める!
「ぺっ……根性なしが。いきなり攻撃してきた挙句、顔面を何度も殴るなんていうそのふざけた根性、叩き直してやる……!」
「ほう!先程から儂に無防備に殴られ続け、やっと拳を捉えるに至った小僧が言うと、説得力が違うのう!」
(ヌゥッ……!拳を振りほどけん……!こやつの力がブーストされておるのか……!先程から打ち込んでいる毒手も効いている様子がない!……やはり、実験材料としては最高よな!)
怒りを沸き立たせる削板に対し、挑発を返す早々。だが、その内心は
そうして二人は暫し睨み合っていたが、やおら削板が早々の拳を掴んでいた手を離し、腕を振りかぶる。早々は舌打ちしながら打撃で応じる!そのまま握りつぶしておれば、己の身体に眠る
「「イヤーッ!」」
「………………グワーッ!」
拳をぶつけ合った結果として、三色の煙が生じ、その中から派手に吹き飛ぶ早々!削板の本気の一撃をくらい、包帯に包まれた腕は妙なシルエットと化している!そこに死体にたかる蛆虫めいて駆け寄る『ヒーロー』共!
……だが、彼らは忘れていた。自分達が手をこまねいていた化け物に、この外道虚無僧はアンブッシュを打ち込み、更に打撃を加えてよろめかせた正真正銘の怪物であることを!
「品が無いのう!儂のような傷ついた老人を寄ってたかって袋叩きにせんとするとは!イヤーッ!」
「「「アババーッ!?」」」
早々が無造作に放ったチョップで最接近していた『ヒーロー』達は命を刈り取られる!無論、早々は不確定要素をさっさと片付けるため、一切手を抜かぬ!早々の身体から、いかにも毒めいた色彩の液が大量に分泌される!伝播ドク、『バジリスク』だ!
「ほうれ!くれてやるぞ!」
「「「「「アババババババーッ!?」」」」」BOMB!BOMB!BOMB!
「「「アババーッ!?」」」BOMB!BOMB!……
阿鼻叫喚の地獄絵図!早々が身体から湧き出た毒を撒き散らすと、それに触れた『ヒーロー』の身体が爆散し、その体液に触れた者も次々に有毒体液を撒き散らして爆散していくのだ!この非道に削板は激昂!早々に突撃する!不確定要素を排除した早々もこれに応じる!
「テメェーッ!?この、根性なしがぁぁぁーっ!!」
「ガハハハハ!儂はまだ自重しておるのだがなぁ!イヤーッ!」
早々が言う通り、彼が本気を出しておればこの『避雷針』*2周辺に集まっている超能力者や『ヒーロー』のうち、
「イヤーッ!」
「イヤーッ!……グワーッ!?」
拳を突き合わせず、無防備な脇腹を狙った早々はまたも吹き飛ぶ!削板の拳に伴う異様衝撃波が早々を吹き飛ばしたのだ!
「やれやれ……儂は相性最悪の相手と当たってしまったかもしれんな……」
早々は誰もいない瓦礫の山から起き上がると、『バジリスク』を体から噴き出しながら削板軍覇と対峙する。……その瓦礫の山に、赤熱ワイヤーが忍び寄り、植物の根めいて瓦礫を絡めとったのには、二人とも気付くことは無かった……。