――東京湾:『
東京湾に本拠地『
「何が起こってる!?」
「ぎゃあああ!?」
「ヒイィ!?助けてぇ!」
『
ZAAAAAP!ZAAAAAP!KABOOOM!KABOOOOM!
次いで放たれたのは大規模改造によりラジオゾンデ要塞に増設されたレーザーやミサイル、その他大型兵器群。『
……その中央!『グレムリン』の首魁、『魔神』オティヌスとマリアン=スリンゲナイヤー、木原加群(別名:ベルシ)は”槍”の製造に取り掛かっている。その周囲には、防御系の術式を持つ魔術師達が詰め、捨て身の防御をひいている。
この”槍”はオティヌスが完全な魔神に至るために必要なものである。そして『グレムリン』とはオティヌスが完全な魔神となった暁に、尋常な手段では叶えられない己の願いを叶えてもらうために集まった魔術師による魔術結社であった。
ゆえに、今の状況は正念場であった。この襲撃を凌ぎ切れば、”槍”は完成し、奴らもその他の邪魔者も打倒される……!
――国連本部ビル:会議室――
「『グレムリン』の本拠地が東京湾にあるかと思ったらその足元から正体不明の要塞が浮き上がって来ただと!?……一体何が起こってやがる!?」
『グレムリン』に対する総攻撃のために集まった各国の代表達の音頭をとっていたアメリカ合衆国大統領ロベルト=カッツェは頭を掻きむしりながら叫ぶ。その他の代表も、大いに浮足立っている。
そもそも、『グレムリン』の本拠地『
「一応確認するが、あれは我々側の戦力ではないのだな?」
「……あんなものを忍ばせていたら、先に言っている!」
ロベルト大統領補佐官ローズライン=クラックハルトの質問に、苛立ちを隠さず答える英国女王エリザード。状況は混迷の一言であり、あの謎の要塞は『グレムリン』もその他の勢力も関係なく薙ぎ払っている。
恐らく、あの要塞を作り上げたのは『鋼龍』だろう。そこはかとなく、奴らが起こした事件に似た暴力の匂いが漂っている。『
現在は学園都市で穴熊を決め込み、迂闊に手出し出来なくなっている反社会組織を思い出し、溜息をつくエリザード。奴らが姿を見せたからには、状況の混乱以上に、許容できない抜け駆けにも注意する必要があろう。『鋼龍』に恨みを持つ者は多い……。
――国連本部ビル:控室――
神裂は壁に耳を当てて隣の会話を盗み聞きしていたワシリーサの急な変調を訝しんでいた。東京を襲撃した『グレムリン』が謎の第三勢力に襲撃されたのは確かに由々しき事態だ。だが、ワシリーサの形相は尋常のものではない。その彼女がぼそりと呟く。
「殺してやる……」
神裂はギョッとしてワシリーサに注目する。先程までワシリーサの奇行のツッコミ役めいて振舞っていたサーシャもだんまりを決め込んでいる。同じ部屋にいる元アニェーゼ部隊のリーダー格、アニェーゼが代表してサーシャに尋ねる。
「こういう事を聞くのは無遠慮ってのは承知してますが……あの変態お姉さんの変貌ぶりはどういうことなんで?」
「『鋼龍』の屑共。
だが、サーシャが答えるよりも先に、ワシリーサが恐ろしく低い声でつぶやく。その後に続くように、サーシャはゆっくりと話し出す。直属の上司が
「……第三次世界大戦の時に『鋼龍』がローマ正教・ロシア成教に大規模な襲撃を仕掛けたことは知ってますね?……その時、当時の大主教猊下が『鋼龍』の手の者によって弑されたんです。その上、大主教の後任はニコライですからね……」
「『鋼龍』……!」
恐怖と憎悪を噛み締めるアニェーゼ。彼女も『鋼龍』により仲間を数多く殺されたクチである。張り詰めた雰囲気はさらに強まり、今にも張り裂けそうだ!
クソ共のおかげでてんてこ舞いな人たちをお楽しみください。
しかもその中に獅子身中の虫もいるという……