とある外道の6人組   作:毛糸ー

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視点は『6人組』の臨時定例会へ……


6.ロクデナシ共の悪巧み

――ストレンジの九龍城:椎名朗々の居室――

 

 机めいた異形のスーパーコンピューターの中央に神を名乗る不遜なハッカー、椎名朗々が座す。その周りには『6人組』のうち、4()()のビジュアルイメージが表示されている。然り。4人だ。他の二人は包帯を巻いた物理肉体のザゾグ、ドロームの名代として来た賽である。

 

『ひょひょひょ……ドローム君はいないのかい?』

 

 意識不明に陥ったザゾグの代理としてこの場にいる木原幻生が部屋を見渡す。彼の言うように、『6人組』のトップ、ドロームはこの場にいない。別件で出払っているのだ。

 

「ボスは、『グレムリン』のオティヌスとかいう腐れ雌餓鬼をぶち殺しに行った。あの餓鬼の首を取って来るか、あの餓鬼が勝手に自殺でもするまで戻ってこんぞ」

「クククク……奴はたいそうオティヌスとやらを嫌っていたからなぁ」

 

 賽が苦虫を噛み潰したような表情で喋るのに合わせ、ザゾグが補足する。彼が言うように、ドロームは自分達を舐めてかかったオティヌス、ひいては『グレムリン』に対する殺意を一切隠していなかった。

 

 この『グレムリン』襲撃の前日など、殺意の昂ぶりを抑えきれず、ドロームの自室の物が小刻みに震えていたほどだ。そうは言っても、いまいちオティヌスや『グレムリン』の脅威を理解できていない者もいる。今まで科学の世界で過ごしてきた蠢動と多々羅だ。

 

『そもそも、『グレムリン』とやらの首魁はどれだけの力を持っている?』

『いまいち魔神の脅威度がつかめん。位相うんぬんと言われても実感がわかん』

「この学園都市で言う超能力者(レベル5)を遥かに凌ぐ存在と思っておけばいいさ。オティヌスが完全な魔神になれば一瞬でタタラを崩壊させ、多々羅殿をホームレスに出来る、と言えば脅威度は理解してもらえよう」

 

 それを聞き、蠢動の表情が硬直する。今のアーランズの発言は、ドロームがオティヌスの始末にしくじれば自分達は終わりだと宣告されたに等しい。多々羅と幻生も状況の悪さに眉根を寄せる。だが、この凶報を聞き、猶哄笑するものもいた。甘粕義彦だ。

 

『ハハハハハハハ!そうでなくてはなぁ!抵抗してもらわねば、堕としがいがない!』

「チッ」

『……全く貴様と言う奴は。状況の深刻さが分からんのか』

『彼はいつもこうなのかい?』

『その通り。まともな事を言い出した時のみ発言を耳に入れるが良かろう』

 

 困惑する幻生と舌打ちする賽以外の『6人組』構成員は、狂った戦争狂の発言には慣れているため、そのまま会議が続く。

 

「しかしまぁ、思ったよりも学園都市は厄介なようだ。こんなにひどい手傷を負わされた」

『ひょひょひょ……。脳幹君はあれでも僕たち木原一族の長だからねぇ。蠢動君も前に爆殺未遂されたんだっけ?』

『……その通りだ。正直、あの犬っころがそこまで強かったのには驚いている。ドロームに首根っこを引っ掴まれたアレイスターの犬でしかないとさっぱり警戒していなかったんだがなぁ……』

『ククク……あまりに雑魚ばかりでは闘争のし甲斐がない。違うか?』

「ハァ……」

 

――グレムリン本拠地『船の墓場(サルガッソー)』内部――

 

 改造ラジオゾンデ要塞による掃射も済み、焦土同然と化した『船の墓場(サルガッソー)』内部で、ドロームは魔術師と向かい合う。『グレムリン』の魔術師ではない。奴等は大方()()にしたばかりだ。

 

「おんどれ、どないなつもりじゃ?ワシとおどれの利害は『オティヌスのクソアマをブチコロがす』っちゅうことで一致しとるはずじゃろ」

「憤然。貴様には()()()の魂胆がある事などすぐに分かる。貴様の企みなど、成就させはせぬぞ……!」

 

 ドロームと向かい合うは、元ローマ正教の魔術師にして現在はイギリスに身を寄せる錬金術師、アウレオルス=イザード。黄金の左腕と右脚はドロームによるもの。だが彼は、今再びドロームの前に立ち塞がる。

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