とある外道の6人組   作:毛糸ー

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3巻は飛ばして4巻からです。マジで改変要素がないので……。

初めて旧約4巻読んだ時、「超々弩級の偶然とはいえ、おみやげ如きで天使が落ちてくんなよ!天使ってのはなんだ、ガガンボの親戚なのかよ!」と思ったものです。


旧約 第2章:神を、堕とせ。天使を、殺せ?
0. 御使堕し(エンゼルフォール)


 ―――聖人。それは偶像の理論により、神の力の一端を宿すことができる人間。通常の魔術師のはるか上を行く戦闘力を誇る。だが、その力は時に、本人たちの体を傷つけうる諸刃の剣となる―――

 

――第十区・「鋼龍」アジト――

 

 真夏日の深夜のことであった。

 

「あぁ……?」

 

 ドロームは趣味の”日曜大工”にいそしんでいる時、奇妙な気配を感じ取った。そして面白そうな気配を感じ取り、残忍に目を細めると指パッチンをし、そしてまた”日曜大工”に戻っていった……。

 

 

 

――翌朝。

 

「長老!長老!」

 

「何じゃ騒々しい!」

 

 深夜から朝までずっと”日曜大工”にいそしんでいたドロームは、自分のもとに駆け込んできたチンピラの大声にさらなる大声で応じる。

 

「長老!やべぇよ!テレビ!テレビ!」

 

「テレビ!じゃわからんわい!」

 

「とにかく、こっち来てくれよ!マジでやべーんだって!」

 

 チンピラとドロームは大声の応酬!はっきりいって、知能指数が低いやり取りである!

 アホのやり取りを終えた後、ドロームがテレビの備え付けられた大広間へ向かうと、大テレビの前に黒山のチンピラだかりができていた。

 

「何だこりゃ……。」

「おれ達、ついに頭イっちまったか?」

「テレビが壊れてんだろ!」

 

「おんしら、ちと通さんかい!見えんじゃろ!」

 

「あ、長老!やべぇぜ!マジで!」

 

 チンピラだかりの後ろからでもテレビが見えるようチンピラ達がどくと、ドロームの目にシュールな光景が飛び込んできた。筋肉モリモリマッチョマンが、無駄にフリルの目立つ衣装を着けて天気予報をしているのだ。

 

「あぁ……?」

(確かこの時間は、無駄にフリルの目立つ衣装を着けた年増が天気予報をしとる番組がやっとったはずだがのう……。いつから大喜利番組になったんじゃぁ? ……!そうか、あの違和感……!あれかい!)

 

「長老……?なんか心当たりあるみたいだけどさ……何が起こってんの?」

 

「深夜にワシが”日曜大工”しとる時にの、妙な気配がしたから、ワシらん所に来るやつだけ迎撃しといたんじゃぁ。ワシらのアジト以外にも向かっとったみたいだからの、学園都市ごとワシらに攻撃してきたと思うたら、こんな訳の分からん事態を招くとはのう……。これは魔術なんか?」

 

「さぁ……?俺らに聞かれても……。」

 

「クククク……そんなに気になるなら、長老が探りャいいじャねェか。お誂え向きに、長老は『覗き見』なんて便利な力ァ使えるんだからよ。」

 

 不敵な物言いが聞こえてきた方向には、奇怪な「鋼龍」構成員がいた。そのシルエットは特殊部隊隊員めいていたが、所々不穏な装備が見られた。

 両腕が包帯に覆われており、両手の小指が赤いケヅメめいた代物と化していた。下顎には鉄仮面が融合し、顔には赤い目玉が二つ、ギョロギョロと蠢いていた。

 この怪物の名はアンドレ。魔術界隈からは、『食人鬼(マンイーター)』と恐れ憎まれる存在である。

 

「それもそうじゃのう!」

 

 ドロームはハイテンションで発言に同意し、人差し指と中指でのぞき窓めいたものを作ると、それを覗き込んだ。

 

 これは、ドロームの持つ力の一つ、『盗み見』である。指で作った窓の中に、遠くの風景を映し出す技である。ドロームはこの技に習熟しているため、厳重に保管された文字が細かい報告書や、コンピュータに保存されたデータですら閲覧することすらできる。

 「鋼龍」や「6人組」はこの力を使って情報アドバンテージを掴んでいるほど強力な能力である。蠢動達でも探り切れない学園都市の裏の最深層や、十字教が厳重に秘匿する重要な魔術・霊装の情報を抜き取るのに利用されているのだ。はっきり言って、無法と言ってもいい能力であった。

 

 ドロームは『盗み見』しながら、今回のビックリドッキリ現象の正体と原因について探る。

そして、見つけた。

 

「ほう……御使堕し(エンゼルフォール)……天使を引き摺り落す……クカッ!傑作じゃの!……カカッ!その理屈ならワシらも犯人候補になるんじゃがな!……クカカカッ!」

 

 『盗み見』は名前の通り、視覚情報しか提供してくれない。だが、ドロームは卓越した読唇術によって、映像の中で人が何を喋っているかを読み取れる。それゆえ、今何が起きているかを知ることができた。

 

「その様子だと、何か分かったらしいなぁ……。」

 

「天使が落ちてきたらしいぞ。……全く、この世っちゅうのは面白いのう!全然飽きん!」

 

「天使ィ~!?」

「あいつらって、お高くとまってここまで降りてこねぇって話じゃなかったか?」

「もし本当に落ちてきたんなら、因果応報って奴だな!……本当ならな!」

「それとこのカオスとはどういう関係があんだよ!」

 

「なァるほどォ……。ククク……お誂え向きじャねェか。」

 

「ま、落ち着かんけ。……詳細はこれから説明するわい。」

 

 ドロームが伝えた内容にチンピラ共は胡散臭げな様子であったが、アンドレは残虐な笑みをさらに深め、意味深長に含み笑いをあげた。そんな騒がしげな一同を落ち着け、ドロームは今回のトンチキ現象がなぜ引き起こされたのか、自分が何を見たかを詳細に説明した。

 それに従い、訝し気だったチンピラ共の顔には納得と嘲弄の笑みを浮かべ、アンドレの残虐の笑みはさらにさらに深まった。

 

「ネセリサウスも馬鹿だな~!」

「しょうがねぇよ。あいつらヘタレだもん。」

「ヘタレな上に馬鹿とか、もう救いようねぇだろ!ヒャヒャァッ!」

「天使ってガガンボの親戚だったっけ?」

「蚊取り焚いときゃ、天使が落ちてきそうだな!ギャハハッ!」

 

「……で?長老。んなニヤケ面してんだ。何か悪だくみでもしてんだろ。オレたちは何すりャいいんだ?」

 

 アンドレの問いかけを受け、ドロームはニヤケ面からさらにニヤケながら、今後の動きを伝える。

 

「アンドレ、おんしはあのガキん所に行かんかい。天使が出てくりゃ天使を殺せ。出てこんかったら必要悪の教会(ネセリサウス)の連中を殺せ。できるだけ惨たらしくな。……”予行演習”と、行こうやないけ!」

 

「……アイ、アイ。」

 

 ドロームの指示を受け、アンドレは残虐に目玉をぎらつかせ、鉄仮面の隙間から涎を溢れ出させると、凶相とは裏腹に淡々とした返事を返すと、()()()()()()()()()()、目的地へと向かった。上条当麻の故郷、神奈川県へと。




この小説を読んでくださったこと、本当にありがとうございます。
この小説をお気に入り登録してくださった皆様、本当にありがとうございます。
出来れば感想、評価などもよろしくお願いします。 (土下座)

これから学校が始まり、投稿頻度が遅くなってしまうと思いますが、これからも「とある外道の6人組」をよろしくお願いします。

※2023/10/28 改題
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