とある外道の6人組   作:毛糸ー

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この章は過去最長になりそうな予感……!


10.蛤と鷺が和解した時、漁夫はどうするのか?

――改変された世界――

 

「あぁー、クソ忌々しい。何で()()はこうならへんかったんじゃ」

 

 ドロームはオティヌスが好き放題に改変した世界の中で愚痴を漏らす。ドロームはオティヌスと上条当麻に気付かれぬよう、当然気配を周囲に同化させている。ゆえに、()()()()()()()()からも、()()()()()()()からも隔絶されていた。

 

 オティヌスが作り出したこの世界は「上条当麻が世界の敵となった世界」である。それゆえ、学園都市は干殺し(注:ひごろし。兵糧攻めの事)に遭い、日本も多国籍軍によって派手に空爆されている。この世界であれば、『6人組』の計略もこの大破壊の影に隠れて遂行できたろうに。

 

 いや、それでは()の記憶、その本性を引き出すのに苦労しただろう。多々羅道雄も学園都市が凋落した場合に『6人組』の打診を受けたかどうかは微妙な所だ。

 

「……人間、万事塞翁が馬っちゅう所かのう」

 

 ()()()()で上条の親友だった青髪ピアスと格闘する上条を見て、独りごちるドローム。そして、世界が、変わる。ドクン。不気味な心音と共に、ドロームは変革を()()()()……。

 

――ストレンジの九龍城:椎名朗々の居室――

 

「嘘だろ。あいつだけじゃなくて、()まで”異世界”から来たってのかよ」

「ひょひょひょひょ……まぁ、常人とは色々な意味で()()男だと思っていたし、驚きはあまりないけど……これからどうするつもりなんだい?」

「……あの男が時折見せていた、()への妙な気安さはそれが原因か」

「ククククク……クハハハハハッ!全く、この世界と言う奴は最高だな!こんなにも暴力存在に溢れ、闘争の機会が戦場の骸めいて転がっているとは!」

 

 『6人組』の面々はアーランズから打ち明けられた()()()()()を各々受け止めていた。賽が釘を刺すようにつぶやく。だが、その言葉は驚愕の事実に沸く『6人組』の耳に入ることは無かった……。

 

「……長老がオティヌスを消してくれなきゃこの話も全部意味がなくなるんだがな」

 

――改変された世界2――

 

 ドロームは幾千もの改変された世界を経て、ついに目当ての世界がやってきたことにほくそ笑んだ。あの上条当麻が()()()のだ。後は奴がくたばって気が抜けているオティヌスをアンブッシュでぶち殺せばよい。

 

 すでにオティヌスを遠隔アンブッシュできる位置にはついた。後は上条当麻が死ぬのを待つだけ。残忍な笑みを浮かべながら『覗き見』をするドローム。だが、事態は彼の思うようには進まなかった。

 

 御坂妹(シスターズ)の集合意識めいた存在、『総体』が上条を説得にかかっている。この()()()()世界を壊し、己の幸せを手に入れても良いのだ。一度だけ、自分の幸せを追い求めても良いのだ、と。

 

 ドロームは一瞬「クソめんどい真似をしてくれおって」と考えたが、逆に考えれば上条当麻とオティヌスが殺し合う展開になってくれた方が都合がよいとも言える。漁夫の利を得る上では何の問題もない。

 

 オティヌスが勝てばアンブッシュをかければよいし、もし万が一上条が勝ったとしても普通にブチ殺せばよい。両者を殺し終えた後は、オティヌスの遺体を()()し、あの大破壊の直前に戻ればよい。無論、オティヌスと上条は死んだままで。

 

 

 ……そしてその時が訪れた。予想通りオティヌスが上条を倒したのだ。上条の遺言めいた戯言を聞くオティヌスの背中へアンブッシュをかけようとしたその時!

 

「おいおい、そんなつまらない事するなよ。あれほどの()()を殺すとは」

「テメェこのボケ……!」

 

 ホス卿の声が耳朶を叩いたかと思うと、ドロームは()()()。オティヌスの知らぬ魔神共が潜む位相へと。取り合えず目の前にいた輩を殴り殺そうとしたドロームであったが、何者かに()()()()()()()()()……。




当然蛤はブチ割って、鷺は縊り殺します。
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