0.廃棄処分
――『6人組』定例会――
「
議題に出た蜜蟻愛愉とは、元々食蜂操祈のスペアとして育成されていた能力者である。しかし、諸々の事情あって自殺を図り、そこを蠢動俊三が回収。
「その通り。だが、今は正直、不要な駒だ」
「我々が作ってしまったからな。ファイブオーバー:モデル・メンタルアウトを」
蠢動が断言し、多々羅が補足するように、現在蠢動が
だがしかし、蠢動が裏から手をまわしたせいで蜜蟻は無視できぬほどに力を身に着けている。そして、このままならば食蜂操祈とぶつかるだろう。普通ならば、そのまま放っておけばよい。だが、それが出来ない理由があった。
「蠢動殿、そういえばあなたは木原脳幹に目を付けられていたんじゃなかったかな?」
「……その通りだ。そして、我々『スウォーム』だけで奴をどうにかする手立てもない」
然り。蠢動は以前、強引に
蠢動も脳幹を迎撃するための兵器は用意していたが、先日の『目覚め待つ宵闇』との交戦を見ると、あれがどれだけ役に立つか疑わしい。
「どうするのだ?処分するつもりなら、自我破壊して兵士としてくれいまいか?我々はいつでも、新たな兵士を欲している……」
「自我を破壊すると能力を使えなくなる。ドローム、貴様なら奴を殺せるんじゃないのか?」
甘粕の要請を断った蠢動は、ドロームに尋ねる。聖人に匹敵するローマの十三騎士団を虐殺したドロームならば、アレイスターの虎の子ともいえる脳幹を苦も無く消せるだろう。だが。
「ま、そりゃあんな犬っころ、ワシにかかりゃ簡単にブチ殺せる。ただ、奴をブチ殺すとアレイスターが己の全兵力をワシらに差し向けて来るじゃろな。ワシらの兵力も無限じゃないからの。漏れが出るとおんしらやザゾグの首が取られる可能性も出て来る」
「アレイスター君が
「俺もこんな体の都合、逃げ隠れは出来んしな。水槽を破壊されれば死ぬしかない」
木原脳幹が死んだ結果、アレイスターがなりふり構わなくなれば、『6人組』の欠員も考えられる。ドロームとしては、それは避けたい。『6人組』なのに欠員がいるなぞ、笑い話にもならないからだ。
「かといって、蜜蟻とやらをブチ殺すのも惜しい……。あのツンツン頭の小僧に懸想しとるクソアマと共倒れしてほしいもんじゃが……」
「あのガキの一番厄介な所は、手を出すと横から茶々を入れてくる連中が多すぎるところだしな。一人でも削れれば、それに越したことはない」
ただ、ドロームとアーランズが言うように、蜜蟻が食蜂を消してくれるなら万々歳と言った所だ。あのツンツン頭の上条当麻とかいう小僧は、要所要所で『6人組』の計画を邪魔している。一匹だけなら良いものを、上条当麻につられて多くのクソ共が湧く。そのクソを一匹でも駆除できる機会を逃すわけにはいかない。
「……やはり、貴様ら『鋼龍』か『目覚め待つ宵闇』があの、蜜蟻とかいう小娘の手助けをしてやる他ないのではないか?」
「そうやのう。そこで派手な騒ぎを起こしとる間に、蠢動、おんしをシャチの身体から出す」
「ハァッ!?」
思いもよらぬ話になった蠢動は吃驚する。シャチのボディには、それなりに思い入れがある。それに、騒ぎを起こす、とはどういう意味だ?
「ま、おんしの気持ちも分からんでもない。おんし、シャチ好きだからの」
「いや、確かにシャチは好きだが「ま、ええから。説明してくれや、幻生の爺さんよォ」
「ひょひょひょひょ……分かったよ」