とある外道の6人組   作:毛糸ー

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文字数が少なくてすいません……


2.準備をしても抜けはある

――『即応救急』救急車内――

 

「はてさて……山川君は上手くやれるかね……」

 

 民間の救急車『即応救急』()()()()()()救急車の中でアーランズは呟く。車内の影からにじみ出るように現れた影がそれに応じるように応える。

 

「十中八九駄目でしょうね。あの小娘は狡猾なたちです。あからさまに怪しいこんな民間サービスを装った()()には応じないでしょう。ことが悪ければここで争いになるかと」

「くくくく……それは山川君次第じゃないかな?」

 

 異様な影に驚くこともなく、アーランズは車外を見ながら話に応じる。彼らは『目覚め待つ宵闇』。異様な影の正体はアーランズの右腕、ヴェイズ。今回彼らは、蜜蟻の計画を遂行する手助けをしていた。本来彼らの位置には、『鋼龍』の中でも特に人外の輩がつく予定だった。しかし……

 

「しかしまぁ、蜜蟻とかいう小娘も頭が足りないとは思わないか?ドロームに対してあそこまで舐め腐った態度が取れるのは尊敬に値するぞ」

「アーランズ様、ドロームはどこからどう見てもチンピラにしか見えません。あの異様な気配を恋心を拗らせただけの小娘に察しろというのは無理があります」

 

 然り。ドロームは()()()()()()として蜜蟻と顔合わせした際、あからさまに舐め腐った態度をとられた。ゆえに、ドロームはキレた。蜜蟻の配下として振舞うのをボイコットしたのだ。

 

 お鉢が回ってきたのは『目覚め待つ宵闇』。彼らは元々、試作ファイブオーバーOS(モデル:メンタルアウト)の視点協力者を担う予定であった。しかし、妨害があった際に介入する役目であったアーランズとヴェイズが『鋼龍』のゴロツキ共と入れ替わるようにこの役目についたのだ。

 

 車内にターゲット、食蜂操祈が入ってきたのを見て、二人は気配を消す。食蜂と山川の二人が言い合っている。丁寧な口調を崩さない山川と、明らかな疑いを抱いた表情の食蜂。

 

「これは駄目そうですね」

「……そうだな。準備しておけ」

 

 言い争う最中に食蜂がリモコンを取り出す。それと同時にアーランズとヴェイズは食蜂に襲い掛かった!

 

「「イヤーッ!」」「ごっ!?」「きゃっ……!かっ……!?」

 

 アーランズの放った触手は操られようとしていた山川ごと食蜂を薙ぎ倒し、倒れかけた食蜂の首筋にヴェイズの手刀が突き刺さる!食蜂・山川気絶!

 

「……上手くいったか。しかしまあ、この女の能力が効かないとは、人間離れを実感するな!」

「早めにこの女にストロビラ*1を仕込んでしまいましょう。これであの女から受けた仕事は果たせます」

「待て」

 

 動き出そうとしたヴェイズをアーランズが止める。その表情はバツが悪い。

 

「なぁ、そのストロビラ……どうやって仕込むんだ?」

「…………」

 

 ヴェイズの動きが硬直する。彼らはストロビラの仕込み方を知らない。元々食蜂に刺さっていたストロビラ(食蜂が自分の記憶に不審を抱き、その原因を究明する過程で体から抜き取られた)は首に刺さっていたのは知っている。

 

 しかし、首のどこに挿せばよいのか、繊維の向きはどうするのかは全く分からない。唯一分かりそうな山川もアーランズがその脳を強かに叩き付けたせいで気絶している。

 

「……さて、どうしようか」

*1
髪の毛より細い20cm以上の繊維状の装置。人体に埋め込むことで心臓に作用し、ホルモンの分泌量を調整して脳に影響を与えずに精神を操作できる。

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