とある外道の6人組   作:毛糸ー

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取り合えず二人分の緒戦は書けたので投稿。

この章、過去最長になるかも。


3.飛び猿と地虫

――とある高校:ゴミ捨て場――

 

 そして、殺し屋共の乱入に合わせて乱戦が始まる。

 

 

「イヤーッ!」

 

 先制トビゲリで『絶滅犯』を上条当麻から突き放した猩々は、そのまま『絶滅犯』を縊り殺さんとする!しかし敵もさるもの。『絶滅犯』は迫る腕を回避、返す刀で反撃する!拳の一撃をスウェーで避けた猩々は『絶滅犯』の羽織るレインコートの端を引きちぎる!

 

「……!あんた達、一体何しに来たんだ!」

 

 『絶滅犯』は歯噛みすると、猩々を怒鳴りつける。それは当然だ。彼女の義理の兄、上里翔流の右腕を奪った木原唯一とかいう女とその部下に注力したいというのに、目の前の男とその一味らしき連中がそれをさせてくれない。その苛立ちを声にしてぶつける『絶滅犯』。

 

「うん?そんなの決まっているじゃないか。……ここにいる連中を皆殺しにするためさ!イヤーッ!」

 

 猩々の手刀が『絶滅犯』の褐色の肌を切り裂く!怒りの表情を浮かべる『絶滅犯』の苛烈な連撃を危なげなく捌く猩々はしかし、表情を曇らせる。

 

(妙だな……身体の感じが明らかに生身ではない。かといって、機械の身体という感じでもない。なんというか、素人が考えた、土くれと木の枠組みで作った自律人形という様相が一番近いか?)

 

 猩々の考えはおおむね正しい。『絶滅犯』去鳴(さろめ)は、その身体の大部分を化学反応で伸縮するサイボーグボディに変えている。このボディは粘土などの日用品を骨格として、化学薬品を少々投与すれば稼働する代物であり、人形という猩々の評は当たらずとも遠からずという所であった。

 

 『絶滅犯』の奇妙なボディに戸惑いながらも、猩々は『絶滅犯』の怒りが乗った乱打を受け流す。衝撃を骨を伝わせ地面に流す魔技を片手間で扱いながら、猩々は『絶滅犯』の特殊な身体への理解を深めていく。殺すために。

 

「うん。うん。分かってきたぞ」

「何が分かったのか知らないけど、これで終わりっしょ!!」

 

 猩々の胡乱な呟きに耳を貸さず、『絶滅犯』去鳴(さろめ)は腕を振り下ろす。目の前の屑を殺し、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だが。

 

「イヤーッ!」ギュポリッ!

「!?」

「イヤーッ!」

「ぐっ……!」

 

 今まで消極的に攻撃を撃ち流すだけであった猩々が、去鳴(さろめ)の腕を掴み、蛇口めいて腕を捻る。すると、壊れる玩具めいた音と共に去鳴(さろめ)の前腕が崩壊する!飛びのく去鳴(さろめ)に、追撃の掌底を打ち込む猩々。

 

(さて……これで本来なら心停止を起こして死ぬはずだが……。ぴんぴんしてるな。やはり、あの妙な体について()()()()()()必要がありそうだ……)

 

 猩々は残忍な笑みを深める。彼は今、周辺の諸々から完全に自由であった。

 

 

 自由気ままに殺しの刃を振りかざす猩々と異なり、鬱々は完全な不自由の中にいた。いつもは水の如く泳ぎ回れる土中という空間が、今は水銀の中を泳ぐかのように厄介だ。

 

(……振動か何かで土の気泡を消して、動きにくくしているのか。だが、それだけでは説明がつかないぐらいに抵抗が強い。恐らく魔術とかいう小細工を弄しているな……)

 

 上里を半分ほど土に引き摺り込んだ際、彼は猛烈な違和感を感じて急いで土に潜った。予感は的中し、彼のフィールドであった土中は、今や彼にとっての檻と化してしまっている。あのまま上里を引き摺りこむことに執着していれば、攻撃に対応できずそのまま死んでいただろう。

 

(上里の取り巻きとやらが多すぎてざっとしか下調べ出来ていないのが響いたな。全員で一息に『絶滅犯』を狙った方が良かったか?)

 

 猩々が『絶滅犯』を圧している現状を知らぬ鬱々は、土中で溜息をつく。その直後、土中にまでドンッ、と響く音が聞こえると、鬱々は更なる溜息をもらすのであった……。




上里勢力、多すぎ!その割に戦法が分かってる奴が少なすぎるんじゃ!!
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