――とある高校:ゴミ捨て場――
「がっ、ぐっ……」
黒い洪水が引いた後、その中心にいた木原唯一はゆっくりと立ち上がる。その身体には、先程まで怒涛と化して襲い掛かっていたゲル状の物質がツギハギめいて見える。このゲル状の物質の正体はサンプル=ショゴス。宿主の全身の脂肪を溶かして栄養の蓄積と分配を脂肪に代わって行う黒いタール状の寄生生命体。
その正体は学園都市が
結局失敗し、唯一の
あの時、彼女の身体からサンプル=ショゴスが噴き出さねば彼女は確実に死んでいた。ゴロツキに
「イヤーッ!」
「がはっ……!?」
起き上がろうとした彼女はしかし、蹴飛ばされる。彼女の視界にぬうと現れた影の正体は、ザン・コク。全身の皮膚が引き裂かれ、片目もはじけてしまったが、いまだ壮健。少なくとも、唯一よりは元気だ。交雑は顔面やその他全身を殴り潰され再生中。
「クヒヒヒッ!このクソアマ!死ね!」
「がっ……!がっ……!ぐっ……!」
ザン・コクは唯一をやたらめったらに踏みつけ、痛めつけていく。唯一はそれに対して耐えることしか出来ぬ。弱毒性サンジェルマンウイルス*1による魔術は生命力不足で発動できず、暴れようとするサンプル=ショゴスは噴き出すたびに踏み潰されている。
唯一はまさしく、絶体絶命の状態にあった……。
そして、絶体絶命の危機にあったのは上条当麻らも同様だった。黒い津波が引いた後、
そのノイズから現れた黒ハットに黒ジャケットの男は、いきなり美琴の腹を蹴りつける!くの字に曲がるその背におぶさっていた上条が、ビルの下に落ちていく!
設定ってしょっちゅう描写してないと忘れ去られそうで怖いな……。