――ストレンジの九龍城:集会室――
「……で。貴様らはその歯牙にもかけていない餓鬼の砲撃でやられて、誰も殺せずノコノコ帰ってきたという事か?」
「その通01りだ」
苛立ちで顔が真っ青に染まったキラーBに対し、端的に答えるザン・ギャク。キラーBはその泰然とした様子に更に怒りを掻き立て、この部屋に集まった傭兵達を怒鳴りつける。
「貴様らァ!!あれだけ金を出しておいて、上条当麻や木原唯一の首どころか、『絶滅犯』のクソガキ一匹始末しないでノコノコ帰ってきやがって!!どういうつもりだ!!」
「……欲張り、ヒック!すぎたんじゃねぇか?やっぱりあのガキが学園都市に入って来た時点で、イック!殺しに行くべきだったぜ、絶対!」
赤ら顔で反省点を大声で叫ぶ重々を睨みつけるキラーB。刺すような視線から目をそらし、酒を意に流し込む重々。鬱憤しかないキラーBはさらに吠える。
「……貴様らなら欲張りでもないはずの雑魚共だったろうが!」
「上条当麻の左腕は要リハビリとなり、木原唯一と木原交雑は重態……。
「貴様の油断のせいで、『絶滅犯』を殺し損ねたと聞いたがなァ!東条猩々!」
怒鳴りつけるキラーBに対し、猩々は意味深に笑みを浮かべる。
「……くくっく。仕方ないじゃぁないか。あんな、ゴーレムのように、土塊と簡素な骨組みだけで動くサイボーグなんて、思う存分解体したくなるのは当然だろう?安心したまえ、次はない」
「チッ……この狂人が。……フン、これ以上責任追及したところで不毛だ。『次』はいつだ?」
キラーBの本音としては、今すぐにでも『絶滅犯』を殺しに行ってほしい所ではある。ただ、それを言い出せばこの傭兵共は暴れ出しかねない。特に、御坂美琴の砲撃で全身大怪我を負い、今も包帯だらけのザン・ニンなどは。
一方、『絶滅犯』抹殺のために集まった傭兵達のリーダー的立ち位置に収まったザン・ギャクも、『次』について考えていた。本音を言うならば、上里とそのハーレムメンバーが不確定要素(上条、レベル5、木原唯一など)が盛り沢山の学園都市を離れる際に『絶滅犯』を仕留めたい所ではある。
しかし、そんな悠長をキラーBは許しはしないだろう。……上条や木原唯一が介入しないタイミングを見て、強襲をかける他無いか。キラーBとザン・ギャク、その他の傭兵共が黙りこくっている中、せわしない足跡が近づいてくる。
傭兵共の集う部屋の扉を開いたのは賽。比較的冷静な彼らしくもなく、冷や汗がびっしょり顔に浮かべ、焦燥そのものの顔色で現れた。そして、賽がもたらしたのは、その焦燥にふさわしい、恐るべき知らせであった。
「貴様ら、ここにいたのか!!木原唯一のクソアマ、ヤケクソになりやがった!学園都市が終わるぞ!!」
ここから学園都市はハードモードに突入する予定です。