そういうわけで更新が滞っております。すみません。
Cはカスタム(custom)の略です。
――長点上機学園周辺――
『ストレンジの九龍城』に『グロブスター』駆除薬を渡した後、木原乱数とザゾグは長点上機学園近傍にあるビルの屋上にいた。エレメントを誘い込み、長点上機学園を潰すためである。また、潰した後の
「本当にエレメントなんて操れんのかよ……」
「出来る。奴らの脳神経系はほとんど本物の昆虫そのままだ。動力が魔術なだけだ。ゆえに、奴らの神経に作用する成分を通常通り散布すればいい」
ザゾグは藪の中をうろつくエレメントを見ながら乱数に語り掛ける。幾たびかのエレメントとの接触により、ザゾグはその正体を見切っていた。エレメントは模型じみた炭素骨格に魔術による仮初の命を与えられた人工生命。故にその神経系も炭素であり、乱数の化学物質が有効だ。
「本当かよ……」
「貴様は、いくつかの感情操作物質を相手に投与し、行動を操ることが出来るだろう?それと同じことをすればいいだけだ」
「……まぁ、アンタが言うならやってみますけど」
乱数はそういうと、おずおずと感情操作物質を貼り付けた細菌を散布し始める。事前にザゾグから指示があった通りに感情操作物質を配合し、細菌に貼り付けてある。また、それに合わせて、ゴロツキ共はガスマスクを装着し始めた。
すると、物陰で蠢いていた『エレメント』が、ゆっくりと日向に向かい始める。乱数の操る化学物質の一つ、『ブルーフィアー07C』、『レッドヒューリー03C』*1の作用により、エレメントは高温に向かって向かい始める。
そして、『ピンクハッピー02C』*2の効果により、エレメントは『肉の味』を求め、進撃する。通常、人肉を喰らわないはずのエレメントが、人間の密集地に向かって殺到する。意味もなく人間を引き裂き喰らうために。
通常、長点上機学園は『エレメント』のような生物兵器が殺到しても十分対処できるほどの防備を誇る。しかし、現在は大熱波の最中であり、その最新技術による防備はほとんど使い物にならなくなっている。ゆえに、止められない。長点上機学園の生徒や教師が無意味に喰われる惨状を。
「……本当に操れちまった」
「言っただろうが。出来る、と」
その光景を一種の興奮と驚きの表情で見ている乱数と、当然のように泰然としているザゾグ。遠目からでも分かるモザイク状に乱れ飛ぶ血飛沫と、教師・生徒の阿鼻叫喚は、彼らにとってはどうでもいい事だ。そして、屋上のゴロツキ共にとっても。
普通に常盤台よりも酷い被害だなこれ……。