濃密すぎない?
――『ストレンジの九龍城』ドロームの居室――
「あ!?どういう事じゃぁ!?」
ザゾグ達が長天上機学園を壊滅状態に追い込み、ゴロツキ共が跡地をあらかた略奪しつくし帰路についた頃。ドロームはふざけた知らせにブチ切れていた。
「あのクソガキィ……!おどれの都合でワシらを振り回しよってェ……!」
待てをされた挙句餌を没収された犬じみて怒り狂うドローム。彼が手に持つ紙にはこう書かれていた。『大熱波現象とエレメント放出終了のお知らせについて』。
通常、この知らせは喜ばしいものだ。ただ、『大熱波』にかこつけ、常盤台中学・長天上機学園の略奪を実行しようとしていた『鋼龍』にとっては最悪のタイミングだった。これでは、略奪の咎を全部エレメントになすりつけることが出来ないではないか!!
「……もうロンドンに高飛びするかの。『奈落街』の縄張りも、旧々下水道を全て覆い尽くすぐらいにはなっとるらしいしの」
『大熱波』が終結し、学園都市が復興したあかつきには、統括理事会のクソ共はドロームのやった事成した事についてあれこれイチャモンを付けて来るだろう。特に、貝積のカス野郎はここぞとばかりに己を追い落とそうとしてくるはずだ。
もう全てが鬱陶しい。学園都市が復興し、長天上機学園壊滅の犯人探しが始まる前に高飛びしてしまおう。いや、その前にあのクソ五月蠅かった爺を殺してしまおう。ドロームは高飛び前の一仕事を思い浮かべ、残忍に笑みを浮かべる……。
――『ストレンジの九龍城』食堂――
ドロームがひそかに『鋼龍』ごとロンドンに高飛びする事を決め、それを周知した後。『絶滅犯』をぶち殺すために、傭兵達は食事を掻っ込みながら話し合っていた。
「しかしまぁ、『大熱波』とやらがこんなに早く終息するとは思わなかったな……」
「ヒッヒヒ、ヒック……。キラーBの奴、大慌てしてるんじゃないのかい?学園都市が復興したら『絶滅犯』をぶち殺す機会はもう一生来ないからねぇ」
「たく、長老も突然高飛びするなんて言い出さないでくれよな!あと2日であのクソガキをぶち殺さないといけなくなったじゃねぇか!」
「くくくく……まぁ、そういうな。『大熱波』は止んだ。つまり、『絶滅犯』を探す時に暑い思いをせずともいいというわけだ」
猩々の言葉に頷く一同。実際、『大熱波』の最中は12月どころか8月と比べても異常な高温に襲われ、『絶滅犯』をまともに探しに行くことは出来なかった。だが、今は違う。『大熱波』が収まり、気温は急激に下降している。
「ヒヒヒ、ヒック……。ま、要するに狩りの時間ってことだねぇ。ヒック……!」