――学園都市第七学区・『博愛』本拠地――
時間は少し巻き戻る。
「クソが!あのガキどこに居やがる!」
涼しくなった第七学区を歩く3人の男たち、すなわちザン三兄弟は『絶滅犯』を探しうろついていた。そして彼らは今、『博愛』*1の根城にいた。
「怒鳴るな。目立ったらどうする」
ザン・コクを諫めるザン・ニンであったが、彼も『絶滅犯』の足取りが分からぬことに焦りを感じていた。探索によって昨日の夜、窓の無いビルに向かったことは特定したが、それ以降の手掛かりはぷっつりと途絶えている。奇妙なほどに。
苛立つザン・コク、内心焦りを募らせるザン・ニンとは異なり、ザン・ギャクは普段と変わらぬ様子を保っている。今もゆったりと周囲を見渡し、冷静に手掛かりを得んとしている。そして、その目線がある一点で止まる。
その視線の先では、鍋が横倒しになってシチューがぶちまけられており、その一件のせいであろうか、高校生ほどの小娘の集団と、雑多な年齢層の群衆が揉めていた。その中心で暴れ回っている女は、褐色肌のレインコートを纏う少女、即ち『絶滅犯』であった。
「…………」BLAMN!
(((ンアーッ!?)))
「アイエッ!?」「何だっ!? 何が起こったっ!?」「アイエエエッ!?」
『絶滅犯』を認識した瞬間、ザン・ギャクは懐から小型ライフルを取り出し発砲!食料をぶちまけた無礼小娘共による『博愛』本拠地の緊張の糸をドリルで巻き込むが如き暴挙により、『博愛』本拠地はパニックに包まれる!
「お、おいギャクの兄貴!何してんだよ!?」
これにはさしものザン・コクも動揺!イカれた長兄を問い詰める!だがザン・ギャクの答えはシンプル。彼の視点の先へ顎をしゃくっただけであった。ザン・ギャクも兄の言いたいことを理解。残忍な笑みを浮かべながら小娘達と争う群衆に突っ込む!
「ギャハハハハハハーッ!」BLAM!BLAM!BLAM!
「アバーッ!?」「アバーッ!?」「アバーッ!?」
「……クソッ!イヤーッ!」
「アバーッ!?」
事態の急変にしばし呆然としていたザン・ニンも、ザン・コクに追従!群衆を手裏剣で攻撃する!それを見送ったザン・ギャクは反転。パニックに陥った群衆が、バッファローの無秩序
「ウオーッ!」
「…………」BLAMN!
「アバーッ!?」
接近してきた暴走群衆の一人を無感動に射殺したザン・ギャクは、群衆の元に足を踏み出す。『絶滅犯』の抹殺には、ザン・コクとザン・ギャクの二人で十分であろう。己がすべきは、不確定要素の排除だ。つまり、この鬱陶しい連中を一人残らず殺すのだ。