――『博愛』本拠地――
ザン・コクが木原唯一と元上里勢力の少女達と交戦を始めた頃、ザン・ギャクは『博愛』の構成員らしき人間を殺しつくし、異常事態を見咎めて向かってきていた『
ただ、ザン・ギャクが予想するより遥かに抵抗は微弱であった。それは……
「イヒヒヒヒヒヒ!ヒーッヒッヒッヒ!」
「「「アバーッ!?」」」「「「「アババーッ!?」」」」
眼前で暴れる瓦礫の怪物が、『
とにかく、このアホがどうしてこんな場所までやってきたのか、早急に確かめる必要がある。事と次第によれば、ここで交戦という事態にもなりかねぬ。
「……何01用だ」
「イヒヒヒヒヒーーーッ!!……あん!?粛々かよ!?ここで何してんだ!?」
「……質問に答01ろ」
「いや?何もねえよ?オレはただ、このクズ共を追っかけたらここに来てただけだ!お前こそここで何してんだ?」
ここでの答え方によっては、浦々は激昂し、周辺は文字通りの灼熱地獄と化すだろう。慎重に言葉を選ばねば。粛々がゆっくりと口を開こうとした、まさにその時!ぶすりと浦々の頭部に矢が突き刺さった!
「…………」
粛々が恐る恐る後ろを振り向くと、白衣の唯一の側にいる弓道少女が残身めいた体勢でいる。なんという真似をしてくれたのか。
「馬01女が」
「……殺す!!」
粛々の内心が零れ落ちると同時に、浦々の身体は赤熱し、周囲を灼熱地獄へと変える!凄まじい熱波が、火が問わず襲い掛かる!
「01チッ」
粛々はノイズと共にその場から消え、熱波を回避!だが、その他の面々はもろに熱されることとなった!
「「「アバーッ!?」」」
異常熱源と化した浦々を直視した小娘共は体の前面をこんがりと焼き焦がされ、悲鳴をあげる!それは、咄嗟に唯一の盾となった少女も同様!
「グワーッ……!」
咄嗟に目をかばったザン・コクも押し殺した悲鳴!皮膚は焼け、肉が焦げる!片腕をやたらめったらに振り回しているが、唯一に率いられた小娘共は這う這うのていでバラバラに逃げ始め、もはやかすりもしない。
「…………!」
ザン・ニンも、背中の肉が焼き焦がされる中、悲鳴を押し殺して耐えることしか出来ぬ。それでもゆっくりとすり足で『絶滅犯』に近寄っていく。殺すために。だが!
「イヤーッ!」「グワーッ!?」
横合いからタックル!吹き飛ぶザン・ニン!突撃してきた有機的重装騎士めいた輩が『絶滅犯』を抱え、足早に立ち去る。剥がれ落ちた有機鎧のかすをその場に残しながら。
「貴……様……!」
身体に浴びる熱が弱まっていくのを自覚しながら、ザン・ニンは歯噛みする。逃げられた。