(『博愛』の人達、長点上機学園の人々)
――『博愛』本拠地跡――
(あのクソガキ!!)
横目でザン・ニンの失敗を見たザン・コクは内心で毒づく。『絶滅犯』をかっさらった有機的な甲冑を纏う輩の正体は、十中八九木原交雑で間違いない。今すぐ追いかけて今度こそ完膚なきまでに抹殺してやりたいのは山々だが、今は目の前の浦々をどうにかせねば。
浦々が落ち着かなければ、この地獄のような熱線は止まぬ。今追いかけても背中側からもこんがり焼かれて死ぬだけだ……!
(ギャクの兄貴、何とかしてくれよ……!)
「10し落ち着け」
「何を落ち着けってんだ、コラ」
「貴様が頭を撃たれるこ11などいつもの10とだろう、そ01なに」「テメェ、頭に矢が刺さって切れない奴がこの世にいると思ってんのか?潰して、殺すぞ」
辛うじて残っていた街路樹の上に立ち、浦々の説得を試みる粛々であったが、駄目だ。浦々は完全にキレている。先程頭に矢を打ち込んだ張本人の首か、憂さ晴らしのためのサンドバッグでもなければ収まらない。
そして更に悪い事に、浦々は時が経つにつれ、ブチ切れ具合が悪化している。明らかに熱放射が強まっている。このままではザン三兄弟全員が焼け死にかねない。ここにきてザン・ギャクは決断。ノイズを残して瞬間移動した!
01010011011011100110110101110000001100011100000011111101001011011100010
「……ドーモ」
……そして唯一一派の渦中にテレポートしたザン・ギャクは、呆然としている小娘共の中から、標的を見つけ出す。浦々の頭に弓矢を突き刺した弓道少女を。
「イヤーッ!」
弓道少女を確認したザン・ニンは縮地めいた歩方で接近!顔面を引っ掴み、そのままの勢いで転移!
01010011011011100110110101110000001100011100000011111101001011011100010
「……あ?」
「これ11、少しは落ち着い10か?」
……転移した粛々は、弓道少女の顔面を地面に擦りつけながら、浦々の前に現れる。その様子に呆気にとられたのか、熱放射を止める浦々。
「まぁ、確かにオレの頭をぶち抜いたのはこのクソガキで間違いねぇが……何か釈然としねえな」
頭をぼりぼりとかいている浦々の隙をつき、ザン三兄弟はこの場から逃走する。いつ再びキレて大惨事をもたらすか分からぬ爆弾染みたゴロツキから逃げるために。そして、『絶滅犯』を、狩って殺すために。
「よぉクソガキ。お目覚めかぁ?」
弓道少女が目覚めると、眼前には溶鉄を無理やり固めたかのような顔面が突き付けられていた。悲鳴をあげかけた弓道少女の頭が地面に押し付けられる!
「……!? …………!!」
「楽には、死なさねぇぞ。ヒヒ……ヒヒヒヒ……ヒハハハハハアアァァーーッ!!」
もがく弓道少女!だが、浦々の腕はそれをものともしない!おお、見よ!地面に押し付けられている弓道少女の頭が、ゆっくりと地面に埋まっていく様を!そしてまた、頭と地面が癒合していく様を!
顔が健在であるならば、涙と悲鳴を流し散らしていたであろう弓道少女はしかし、もがく以上の抵抗はできぬ!土が顔に植物の根めいて食い込み、弓道少女の自我をゆっくりと侵食していく!拷問染みた処刑はしかし、誰も止めるものはない……!
後先考えずに殺しちゃったけどこの後どうしよ……?
どう考えても上里の動きが違ってくるよなぁ……。