とある外道の6人組   作:毛糸ー

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14.帰って来たハンザキ

――『営巣部隊(ユースフルスパイダー)』本拠地跡地――

 

「………………」

 

 果たして、浮田重々が懸念した通り、秋津浦々は敗北し、地に伏していた。気分よく『営巣部隊(ユースフルスパイダー)』を襲撃し続け、その根城まで迫った彼はしかし、外に出ていた上里勢力・そして上条当麻と離脱者の一時的かつ没交渉的な協力により撃破されたのだった。

 

 今、あおむけに空を仰ぐ秋津浦々は、その身体の半分以上が巨大な構築物に抉り取られていた。彼が地に伏している間に、『営巣部隊(ユースフルスパイダー)』の本拠地には烏丸府蘭作の宇宙ステーションが墜落したせいである。

 

 断面からは金属コードや光ファイバー、糸くずやその他もろもろが菌糸めいて宇宙ステーションを浸食し続けていたが、浦々は動かない。今、浦々は激怒している。サンシタに後れを取った己に。

 

(……クソが!)

 

 歯軋りを繰り返す中、浦々は長老が以前言っていた事を思い出した。小石で躓いた時は、原点を思い出せ。原点を忘れた者は、往々にして些細な綻びを見逃すものだ。

 

 浦々の原点はシンプルだ。即ち、暴力。ムカつく奴を、殴って殺したい。破壊し、殺戮し、強奪する事こそ我が喜びである!そう思い返したところで、彼は一つ思い至った。”この世界”において、本気で人をぶち殺さんとしたことがあったか?

 

(俺としたことが、こんな簡単な事も忘れちまってたとはな……)

 

 浦々は自嘲げな笑みを浮かべながら立ち上がる。その目は、以前とは比べ物にならないほどの殺意で黒々しく輝いている!もはや、彼には油断も慢心もない。あるのは、暴力への渇望。それだけだ。

 

 煤は秋津浦々以外にも異名がある。それは、ハンザキ。身体を真っ二つにされようと、敵を半分に引き裂き殺すという煤の残虐さを表した異名である。煤の両腕にはこの邪悪な異名をつけられた頃の得物、ダマスカス鋼刃のトマホークが握られている!

 

 ……まさしく、悪辣非道な傭兵にしてスラッシャーたるハンザキが、帰ってきたのだ。

 

 

 ()()()()()()()煤は、取り合えず自分を殴った奴らをぶち殺さんと周囲を見渡した。すると、頭上をヘリが飛んでいくではないか!

 

「あれ、分捕るかぁ!イヤーッ!」

 

 腕からワイヤーの集積を伸ばし、頭上を飛ぶヘリに絡みつける!そして身体を跳ね上げ、ヘリ内部へダイレクトエントリーした!

 

「「アバーッ!?」」

 

 無慈悲なタックルじみた挙動でヘリ内部の乗員を引き潰した煤は、金属扉と乗員だったものを身体に一体化させながら、ゆっくりとヘリパイロットのヘルメットを握る。

 

「なぁ、兄ちゃん。俺の言う通りに飛んでってくれるよなぁ?」

 

 明らかに殺意の籠った問い掛けとだんだん強くなる握力の前に、パイロットは首を赤べこめいてふってヘリコプターを前に進ませる。煤はヘリの中で無造作に座ると、外を睨みつける。殺す相手を、見つけるために!




ちなみに、煤がハンザキ状態でアイテム一行と対決したら、アイテム側が皆殺しにされます。
その位に殺しと暴力への意気込みが違います。
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