――『
なかばハイジャックめいて乗っ取ったヘリの中で、浦々は遠くを睨みながら、己を一敗地にまみれさせた連中を探す。ドレス女にドランカーの餓鬼、幽霊女に海賊気取り……。凄まじい笑みを浮かべながら歯軋りする浦々の眼下に、奇妙な光景が広がっていた。
巨大なスクールバス、トカゲめいた紙細工、軍馬……百鬼夜行めいた軍団が、『
巨大幽霊少女、即ち、浦々を袋叩きにした連中の一人が、のうのうと走っていやがるのだ! 殺す。絶対に、殺す!
巨大な殺意の塊となった浦々は、ヘリパイロットに何も言わずに飛び降りた!
CRAAAAASH!
着地したのはスクールバスの天井! 即座に天板を剥がす! 鉄の板は、ギギギと軋むような音を立てたのち、紙を破るかのように抉り取られる! その残骸を身体に一体化させながら、運転席を覗き込む浦々。運転席では、ツンツン頭の小僧と土方めいた女がハンドルを巡って争っている。
どうでもいい連中だ。あの時、自分を排除しようとした時に間接的な手出しをした可能性はあるが、優先度は低い。邪魔をしてくるなら殺すが、何もしていないうちから手を出す相手ではない。
落胆しながら頭を上げた浦々の視界の端から、光芒が迫る!これをノールック裏拳で弾き返した浦々は、続けざまにノールック拡散熱線を返す! そして続けて手斧を投げつけた!
「ンアーッ!?」
「
ブルズアイ! 手斧は魔法少女めいた女の心臓にあやまたず突き刺さり、墜落していく。己にちょっかいをかけたクソガキが、死んでいくのは心地いいものだ。このまま殺しつくそうと考えた矢先!
CRAAAAAASH!
スクールバス横転! 浦々はその場でジャンプし、これを回避! そこに飛び掛かる影あり! ドレスを着たその女は、狼染みた凶暴さで浦々の喉笛を食いちぎらんとす!
「ドサンシタが! 空中にいるからって俺を仕留められるとでも思ったのかァ!? イヤーッ!」
だが浦々は易々とこれに対応! 熊の手めいた一撃が、ドレス狼女の顔面の皮を引きはがす! 続けざまに放たれたコークスクリューブローは、筋繊維がむき出しになった顔面をまさしくミンチ状の悲惨な有様へと変える!残った身体部分を倒れ伏す騎士鎧女に投擲!
「アバーッ!?」
超速の鈍器めいて狼女の残骸が衝突し、騎士鎧女の身体は鎧ごと陥没! 即死である! 浦々はそれを見届けると、そのまま自由落下に任せて着地した!
(……あん?)
ここで、浦々は妙な事に気付いた。いっこうに巨大幽霊女からの一撃がこないのである。ここで彼は2人の小娘を続けざまに殺害している。まともな集団なら、ここいらで妨害が来るのが自然であるし、あの幽霊巨女による一撃がその筆頭候補であることは言うまでもない。
そして気付く。彼が空中に浮かんでいる間に、百鬼夜行の列はとうに立ち去っていることに。
「あのクソガキ共。俺の襲撃なんざどうだっていいってか?それなら、こっちにも考えがあるぜぇ……!」
浦々は顔面にワイヤーの血管を浮かび上がらせ、周辺の土砂、地下深くの配線、空気を漂う微粒子……その他学園都市に存在する雑多な物、否、学園都市の全てをより集め、ティターンめいた一撃でふざけた小娘共をこの世から抹消せんとす!
……しかしその時、何者かの手が、学園市全てをぶち壊して怒りと殺意と暴虐の一撃を放たんとする浦々の肩に置かれた。
逆に考えるんだ。コンヴァージ=サンでさえ成し得なかった規模で瓦礫を取り込ませればいいんだ。そうすれば浦々とコンヴァージ=サンがダブることは無い!!