何しろ新約19~22・22リバースまで占める予定なので。
0.出立
――『6人組』定例会――
学園都市の復興は、遅々として進んでいない。主に、学園都市統括理事会会員『峰岸』の配下たる『鋼龍』の連中が暴れたせいだ。復興を担うはずだった
その地獄を生み出した者は現在、後を濁したまま新天地へ旅立とうとしていた。
「あのカス共、グダグダと五月蠅いからの、ワシらはイギリスを分捕る事にする!」
『6人組』定例会にて、ドロームは堂々と宣言する。余の者らは怪訝な表情。蠢動が苦虫を噛み潰したような顔でドロームに問う。
「……敢えて聞こう。何故だ? なぜ今わざわざ、イギリスに攻め入るという無謀にもほどがある愚行を犯す必要がある?」
「簡単な話だ」
蠢動の問いかけに思いかけず口を開いたのはザゾグ。彼は『大熱波』の間、『6人組』の目標たる神の引き摺り堕としの方策を特能総研、そして『鋼龍』と共に練り続けていたのだ。
「イギリスには、己の勢力圏から地脈の力を吸い上げる機構がある。我々特能総研はそれをハックし、神を堕とす方策を開発した。当然、イギリスのクソ共はそれをみすみす見逃すとは思えん。ゆえに、イギリス、いや大英帝国をブチ壊し、ゆっくりと儀式を行えるようにする必要があるのだ」
「……ついに、我々は神を堕とすのだな」
ザゾグの言葉に、黙り込む蠢動。神を堕とす方策が、自分の知らぬところで決まっていたとは。それとは別に多々羅は感慨深げに息を吐き、甘粕は残忍な笑みを浮かべて発言する。
「……ポンド圏とやらは、我々に担当させろ。米国との戦争の肩慣らしに丁度いいからな」
「おう、分かった!アーランズ!蠢動!おんしらはワシらとイギリスに来い!イギリスを滅ぼすにも、色々手が必要じゃろうからなぁ!」
「……『スウォーム』の連中には、俺から伝えておく」
「ああ。……おのおの方、せいぜい派手なゲームにしようじゃないか」
アーランズの言葉と共に、『6人組』の定例会は終了した。これが、イギリスにより保たれてきた魔術サイドの秩序崩壊の序曲になることを、この場にいる者達以外の誰も知ることは無かった。そしてまた、大英帝国の落日もまた、すぐ側まで迫ってきていた……。