とある外道の6人組   作:毛糸ー

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10.拝金主義者と戦争屋

――バゲージシティ――

 

「…………」

 

 ドロームから電話を受けた多々羅道雄は、瞑目して思考にふけっていた。バゲージシティにも分化したアレイスター・クロウリー共が攻め寄せるクロウリーズ・ハザードは発生している。そして先程から奇妙な肉塊の雨も降り注いでいる。

 

 それが、自分達を介することなく行われた『神堕とし』の結果だとは。多々羅は蚊帳の外にされたことにかすかな苛立ちを覚えたが、思い直した。我々がここまで成長したのも、全てドロームのおかげだ。未知の技術を手に入れ、学園都市を弱体化し、科学陣営のトップにタタラが躍り出たのは、『6人組』の協力あってこそといえよう。

 

「今回の一件は甘受すべきか……」

 

 そうなると気になるのはドロームとザゾグの去就だ。奴らは元々他の世界の出身だ。いつかは故郷に帰るだろう。出来る限り、タタラに損害が出ない形で去ってもらうべきだ。

 

 幸い、クロウリーズ・ハザードは問題なく対処出来ている。幹部を招集し、この問題について話し合うことにしよう。

 

――負業部隊(ふごうぶたい)本拠地巨大潜水艦『壇ノ浦』――

 

『……諸君。我々はこれから、本懐を達するために進路を変更する』

 

 甘粕がドロームからの連絡を受け取ってすぐに、『負業部隊(ふごうぶたい)』の全隊員が甘粕の指令に耳を傾けることになった。

 

「本懐……? まさか!」

 

 『負業部隊(ふごうぶたい)』の尉官が甘粕の放送を聞き、目を見開く。()()を遂げるのはもう少し後のことではなかったのか!? 甘粕の放送は続く。

 

「本日、我々の同盟者であったドロームとその一派は、我々の認可を得ることなく神堕としに踏み切った!」

 

 衝撃的な発表により兵たちに動揺が広がる前に、放送は更なる爆弾を投下する。

 

「これは、『6人組』が我々を裏切ったことに等しい! ……だが、そんな事は重要ではない! 奴らの神堕としの結果、世界中で肉塊の雨が降り、クロウリーズ・ハザードなど目でない混乱が広がっている! 我らが怨敵鬼畜米英も例外ではない! すなわち、今こそ奴等に一撃を与える絶好の好機である! 進め! アメリカへ! 憎き欧米列強の首魁の喉元であるワシントンD.C.を戦争の業火に沈めようではないか! 奴らに我々の軍靴の音を思い出させてやれ! 殺し、殺されるという素晴らしき世界の理を具現化しようではないか!」

 

「「「「ウオオォォォォーーーーーッ!!!」」」」

 

 甘粕の演説に呼応し、『負業部隊(ふごうぶたい)』の兵士たちが鬨の声を挙げる! 『壇ノ浦』の進路はアメリカに向き、来たるべき最終戦争へと突き進み始めた!

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