これからも「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!!
今更ですが、アニェーゼ部隊ファンには申し訳ない章になりました……。
間隔は空きましたが、その分長いお話になっています。
――オルソラ教会・賽サイド――
「そのふざけた幻想を、ぶち殺す!」
上条当麻が賽に殴りかかったその時、賽は無造作に足払いを放った!上条はそれを避ける!そして体勢が崩れたところに、賽の拳が上条の顔面に吸い込まれた!
「イヤーッ!」「がっ……!」
顔面破壊!無残!
そして転がる上条に、賽は追い打ち!肝臓に過たず蹴りを叩きこむ!
「イヤーッ!」「ぐぼぁっ!」
「……口だけか?小僧。今なら舐めた物言いは聞いてなかったことにしてやる。消えろ。」
賽はそれ以上の追い打ちをかけず、上条に最後通告を出す。しかし、上条はそんな言葉で尻尾を巻いて逃げ去る男ではなかった。上条は駆け出す。
「うおぉぉっ!」
走り出す上条を見て、賽は拳をぶつける。吹き飛ぶ上条の姿さえ幻視しながら。
「イヤーッ!」「ごっ……!」
上条は賽の拳を受け、吹き飛ぶ!だがまた走り出す!
「うおおっ!」「イヤーッ!」「がぁっ!……うおぉおっ!」「イヤーッ!」「ごぶっ!……がぁあぁぁっ!」「イヤーッ!」「げぼぉっ!……ごああぁあぁぁっ!」
上条は走る!殴り飛ばされても、また、走る!賽の攻撃は、わざわざ掛け声を出すだけあり、重く、鋭い!一撃喰らうたびに、上条の体から体力がごっそりと失われていく!しかし、彼は無策で殴られているわけではなかった……!
そしてついに、その時が訪れる!
「イヤーッ!……何!?」
上条が、賽の一撃を避けた!これは、賽がおざなりな一撃を放っていたのもあるが、上条が賽の動きをとらえた成果である!
「お前らの、その、ふざけた……幻想を、ぶち、殺すっ!」「グワーッ!?」
そして、渾身の一撃を、賽のがら空きの腹に叩き込んだ!
しかし、賽は、異能を主力とする魔術師や、能力だよりのヒョロガリ小僧とは違った。異世界にて、暴力の中で生き、暴力と共に生きた男である。素人の一撃なぞ、不意を突いたところで膝をつかせることもできぬ。
案の定、賽の体は少し揺れたが、すぐに体勢を立て直した。
「油断。慢心。事故の元。分かっていても、難しいもんだ。」
クツクツと笑いながら、賽の背中から殺意の焔が立ち上った。
――オルソラ教会・『解体屋』サイド――
カサカサカサ!カサカサカサカサ!
「悄然、まるでゴキブリだな!」
アウレオルスが嫌な顔をしたのも、無理はない。『解体屋』は、ローブの中から多数の機械腕を出し、虫、もっと言えばゴキブリめいて移動していたのだ!
「くけっ、くけっ、くけっ!この体も、意外と悪くないぞぉ!」
『解体屋』はゴキブリめいた高速移動を保ちながら、気味の悪い、虫の脚めいた機械腕をいくつも束ね、アウレオルスへと放つ!
「クッ……!」
アウレオルスはかろうじて避け、機械腕の群れが引き戻るのに合わせて義手の一撃を放つ!その先はレイピアめいて研ぎ澄まされていたが、機械腕共は難なく避ける!
「愕然……!ここまでの力があるとは……!」
アウレオルスは、『解体屋』と異名が付けられている異形のゴロツキを前に、舌を巻いた。自分の一撃を的確に避け、正確に機械腕の一撃を放ち、避ける、あるいは魔術で強化した義足で払うのに体力を消費させている。
そして、機械腕の攻撃を受ければ、そこらに転がる、解剖標本めいた有様となったシスターの如く、アウレオルスも”解体”されるだろう。以前闘ったドロームといい、この『解体屋』といい、『鋼龍』の面々は明らかにゴロツキ離れしている……!
(思ったよりも面倒だぁ……やるねぇ。)
だが、攻めあぐねているのは『解体屋』も同じだった。相手は手練れの魔術師。しかも、ただの手練れではない。彼らのボスが、「死ぬかと思った」と称するほどの術式を組み上げた化け物。不用意に攻撃を撃てば、殺られるのはこちらの方だ。
それゆえ、高速移動で翻弄しながら明らかな隙を見せた時にのみ攻撃を放っているが、ことごとくが避けられるか、何らかの術式が込められた義足ではじかれている。
錬金術師と『解体屋』の戦いは、膠着状態であった……!
――オルソラ教会・『人形師』サイド――
CRASH!CRASH!CRAAAAAASH!
「ギャハハハハハハァーーーッ!ヒャハハハハハハァーーーッ!」
「避けろぉっ!」
『人形師』を相手した天草式は、苦戦していた。いや、苦戦というより、今にも蹂躙されようとしていた。
『人形師』が繰り出した巨大な百足の”人形”の威容は、この広い婚姻聖堂を埋め尽くして余りあるほどであった。そんな巨体が高速で動き回るのだ。天草式は、避け続ける他なかった。
CRAAAAAASH!
「馬鹿みたいに動き回りやがって……!」
(奴がトラックの上にいたときに仕留められなかったのが余りにも痛かった……!あんな動き回られちゃ、攻撃が当たらない……!)
無論、トラックの運転席の上で指揮者めいて人形を操作していた『人形師』を狙い撃ちすることも考えた。しかし、『人形師』はそれを悟ると百足人形の上に飛び乗り、御者めいて人形を操作しだしたのだ!百足の頭は常時暴れ回り、攻撃は至難の技……!
そしてこの百足、ただ暴れまわるだけではない。
CHULHULHULHULHULHU!LHULHULHULHULHU!
「くそっ!またこれか!」
百足の体側から、謎の赤いエネルギー弾が天草式に襲い掛かる!無論、百足の大暴れは継続中!それゆえ、天草式は必死に大暴れとエネルギー弾を回避することに思考リソースを割かれ、僅かな動きから魔術を発動することもままならぬ!
対して『人形師』側と言えば、『人形師』の精密な操作のおかげか、はたまたただの運か、大暴れやエネルギー弾で傷ついた様子は百足・『人形師』双方に見受けられない。はっきり言って、理不尽だった。
そして『人形師』は、更なる追い打ちをかけようとしていた……!
「ケケケケケケケェーーーッ!随分粘るじゃねぇかァーーーッ!!そんなら、切り札を見せてやらねぇとなぁっ!!!」
『人形師』は、御者めいて握った手を動かすと、赤いエネルギー弾を構成する赤色粒子めいたものが、『人形師』と百足人形から噴き出した!当然、変化はそれにとどまらぬ!ガコンという音と共に百足の顎が開くと、口から赤い粒子で出来た鞭が何本も飛び出す!
「噓でしょ……!?」
「さらにまた攻撃が加わるの!?」
「もう凌げないぞ!」
「ヒャハハハーッ!!絶望したかぁ!!この機会にこの世から完全に消し去ってやらぁ!!塵一つ残さず、消し飛びやがれェーーーーーッ!!!!…………ん?んん?」
ド高いテンションでまくし立てた『人形師』であったが、妙なことに気付いた。チンピラ共の騒ぎ声が聞こえない。
その直後。
KABOOOOOOOOOM!!!!!
「何だァ!?!!??」
爆発。そして、ステイルと建宮達が悠々と現れ、その後ろには、摂氏3000℃を超える炎の巨人。この怪物の正体を知る者は、この巨人を『
だが、その術式を知る者でも、この化け物を見れば目を疑うだろう。
もはやこの巨人は、ただの『
「使用枚数は四三〇〇枚。」
赤髪の神父は、警戒を絶やさず告げる。
「
「コイツの一撃を喰らっても、奴ら燃えて爆笑しながら向かってきやがったのよな。『鋼龍』を人間と思うなと何度も言われたが、本当に化け物みたいな奴らなのよな。……だが、これで終わりだ。お前らの部下達は皆、ひどい火傷を負った上に、気絶しとるのよな。流石にそのデカブツでも、多勢に無勢なのよな。」
「ハッ……。」
ステイルの種明かしと、建宮の宣告に対し、『人形師』が返したのは、失笑。
「……こいつらこう言ってるけどよォ、どうすんだ。賽。『解体屋』。」
(……いらねぇと思ってた通信機がこんな役に立つとはなァ……。)
『人形師』が語りかけたのは、眼前にいるステイル達ではなく、トランシーバーの先にいる賽と『解体屋』であった。アニェーゼ部隊への奇襲が成功し、冷静さを幾分か取り戻した賽はバギーに備え付けられたトランシーバーをゴロツキ共に持たせ、有事の際に連絡が取れるようにしていたのだ。
チンピラ共に持たせたトランシーバーは全滅していた。しかし、こうして賽と『解体屋』に現状を知らせることができた。そして、賽達の回答が聞こえるよう、トランシーバーの音量を大きくする……。
今や、ステイルや建宮斎字以下天草式十字凄教、インデックス、オルソラは状況を固唾を呑んで見守る……
『解体屋』の外見のモデルは、library of ruinaの「謝肉祭」の連中と、グローリアちゃんです。
ぜひ、感想や高評価をください!よろしくお願いします!
2023/10/19 改稿