とある外道の6人組   作:毛糸ー

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EX.計画の総括

――『6人組』定例会――

 

「おい!!俺達に断りもなく、『目覚め待つ宵闇』を学園都市にブチ込むな!!大体、お前ら学園都市を出入りしすぎなんだよ!!お前らが抜け穴を出入りするたびに俺の寿命が縮んでいることを理解しろ!!」

 

 『目覚め待つ宵闇』が『分類不能(ブランクペーパー)』を開発した直後の定例会にて、蠢動俊三は錯乱状態にあった。

 何しろ、自分が知らないうちにドロームが『目覚め待つ宵闇』の魔術師達を学園都市に密航させ、『鋼龍』のアジト、『ストレンジの九龍城』に住まわせていたのだ。はっきり言って蛮行と称しても足りないほどの命知らずの行いであり、今すぐにでも『鋼龍』が暗部の標的になってもおかしくない愚行であった。

 彼が人間の体を持っていたなら、きっと頭を流血するまで掻きむしっていただろう、と思わせるほどの錯乱ぶりであった。

 

「おい。落ち着け。話が進まんだろうが。」

 

「ぐっ……クソッ!!」

 

 そんな蠢動を諫めたのは普段誰よりも猛り狂っているザゾグだった。その彼が冷静になるほどの重要な話題が、今日の定例会にはあった。

 

「して。アーランズ殿。『分類不能(ブランクペーパー)』はどうなった?」

 

 そう言ってアーランズに尋ねたのは多々羅道雄。

 

「私の名前を無闇に呼ぶのはやめてもらいたいね。」

 

 アーランズは、無闇に己の名を呼ばれることを嫌う。それは、今この場にいる者たちはよく知っており、悪友のドローム以外は、普段彼をMr.Aと呼ぶ。それを忘れてしまうほどに、『分類不能(ブランクペーパー)』に対する関心は高かった。

 

「ああ、すまない。」

 

「……ま、良しとしよう。今回、ストーンヘンジで発動させた『分類不能(ブランクペーパー)』だが、これについては、『分類不能(ブランクペーパー)』をより手軽に、より精密に行使するための方法論について用いた。『分類不能(ブランクペーパー)』を発動させるたびに、ストーンヘンジのような魔術的意味のある施設に行くわけにはいかないしな。」

 

「ほう?つまり、今回の『分類不能(ブランクペーパー)』は下準備ということか?」

 

 甘粕が不気味な目つきでアーランズに尋ねる。『負業部隊(ふごうぶたい)』にしても、現在のままでは世界を相手取って大戦争を起こすには圧倒的に戦力が足りない。『分類不能(ブランクペーパー)』を活用した戦力の拡充は急務だった。

 

「そう受け取ってくれて構わない。効果はしっかりと発動し、ヴェイズ達は『分類不能(ブランクペーパー)』を身一つで発動させる方法を知ったわけだが……問題が一つ発覚した。『分類不能(ブランクペーパー)』はな、その代償を踏み倒したとしても、術式による効果によってもたらされる情報量は、人間の脳をパンクさせるのに余りあるということさ。」

 

「……とんだ欠陥魔術じゃねぇか。……いやちょっと待て、発動させるたびに脳をパンクさせるなら、どうして『目覚め待つ宵闇』はほぼ全員がそろってるんだ!?貴様の話と食い違うだろう!?」

 

「……ドローム。貴様、何かしたな?」

 

 蠢動の混乱とザゾグの追求に、ドロームは鷹揚に答える。そこに、かつて異世界を席巻した悪魔の薬物を隠そうとする意志は全くなかった。『リザレクター』の詳細が、あまりにもあっさりと『6人組』に対しつまびらかにされてしまった。

 それに対するドロームとアーランズ以外の『6人組』の反応は様々だった。

 

「学園都市でも出来ないことを異世界のゴロツキ共がやってのけたってのか……?」

 

 蠢動は呆気にとられ。

 

「……」

(なぜだ……なぜ私は今、『聞き覚えがある』と思ったのだ……?)

 

 ザゾグは目を閉じて沈思黙考し。

 

「この世に永遠など存在しない。ワシもいつかは死に、タタラも消える。不死の薬など分を過ぎたものだ。」

 

 多々羅はつまらなさそうに鼻を鳴らし。

 

「ククク……不死の兵団とは興味深いが、ああ、だがしかし!兵士が死んでこそ戦争は映える者だよ……!」

 

 甘粕の目玉はギラギラと輝いた。

 

「ま、というわけじゃ。『目覚め待つ宵闇』は多少のトラブルはあれど、『分類不能(ブランクペーパー)』を完成させてはるばる学園都市まで高飛びし、『奈落街』は再びロンドンの下水道網の最下層に消えた。『必要悪の教会(ネセサリウス)』の連中を一人も血祭りにあげんかったのは残念じゃが……」

 

 そして最後に、ドロームが此度の『分類不能(ブランクペーパー)』に関する作戦に対する総括を述べた。

 今回の作戦は、『6人組』にとって、まずまずな結果に終わったと言えよう。

 

 『分類不能(ブランクペーパー)』は紆余曲折あったが、無事に使用可能な状態となり、『目覚め待つ宵闇』も構成員の大部分が学園都市に疎開できた。

 後は『分類不能(ブランクペーパー)』を発動し、「今は失われた体系」、ひいては神を引き摺り堕とす方法を見出せばよい。

 

「さて、各々。定期報告に移ろうではないか。」

 

 ドロームはほくそ笑みながら、定期報告を促した……。




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