とある外道の6人組   作:毛糸ー

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「とある外道の6人組」を読んでくださり、本当にありがとうございます!
感謝してもしきれません!

これからも「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!


EX.沈んだ船とその結果

――『6人組』定例会――

 

「まさか奴らがしくじるとはのう……クカカカカッ!まぁ、しゃぁない」

 

 『6人組』の定例会にて、ドロームは椅子に思い切りもたれながら、『女王艦隊』襲撃の結果についてぼやいていた。

 『剣の契約』と『謝肉祭』という、頭は弱いが集団行動と虐殺において有数の組織が、聖人すら乗っていないたかが艦隊風情を掌握するのに失敗したという知らせは、『鋼龍』全体に驚きをもって受け止められた。

 

「あそこで殺しておけば、こうも悩まされることは無かったのだ」

 

「あのクソガキ……どこにでも現れるな、まったく」

 

 『女王艦隊』に上条当麻が乗り込んでいたことを知り、ザゾグと蠢動が不機嫌になる。そんな悪い雰囲気を全く気にせず、甘粕が発言する。そしてそれが、悪い雰囲気を打ち払う契機となった。

 

「多々羅殿、『転換計画』はどうなっているのかね?」

 

 『転換計画』。それはタタラが推し進めるローマ正教傀儡化計画である。タタラとローマ正教の同盟関係を利用し、ローマ正教の構成員達に本人もそうと知らないうちに”傀儡の糸”をつけておくという恐ろしい計画である!

 具体的には、ローマ正教の魔術師に脳へ作用するナノマシンを吸わせ、”しかるべき時”にそのナノマシンを遠隔操作してタタラの意のままに動くようにするという計画である!

 

 『分類不能(ブランクペーパー)』によって、第五位の技術で人間を操る手法は確立されているため、これが十全な準備を整えられたうえで実行されれば、タタラがローマ正教を掌握し、魔術と科学の力を手に入れる……!

 警戒と期待を込めて多々羅道雄の方を見れば、彼はいつも通り泰然自若とした様子で語りだした。

 

「末端はほぼ掌握した。……が、そこから上が難しい。司教は今でも2・3人程度しか掌握できていない」

 

「ほー……そりゃ残念賞じゃのう。簡単に掌握出来たらケッサクだったんじゃがのう」

 

「戦場に出ない上官など、ただの敗北主義者だ」

 

 純粋に残念がっているドロームと、いつも通りの甘粕をよそに、他の三人は複雑な心境でコメントしていく。

 

「まぁ、仕方あるまい。魔術結社でも高位の者に手は届きにくい。そういうことだろう」

 

「俺の提供した技術が有効活用されているのは喜ばしいが、焦ってはことを仕損じる。冷静に行こうじゃないか」

 

「……今は雌伏の時だろう。パニックになった時が好機だろうな」

 

 ……そして『6人組』の定例会は過ぎていく……。

 

――『ストレンジの九龍城』――

 

「……また潰されているな。『絶滅犯』とやら、何がそんなに楽しいのやら」

 

 ”この世界”での『鋼龍』アジト、『ストレンジの九龍城』にてキラーBはぼやいていた。カルトデザイナーという肩書からも分かるように、彼のシノギはカルトコンサルティングであり、『鋼龍』の中でもかなりの稼ぎ頭なのだ。

 

 そしてそのノウハウを利用し、この世界でも荒稼ぎをして『鋼龍』の活動資金を調達していたのだが……。最近国内に作ったカルトが次々と『絶滅犯』なる存在に構成員ごと消されているのだ。

 加えて、現在学園都市に居る『鋼龍』にも、規制の網はかかってきている。主たるシノギである賭場の開帳、090金融、デリヘル斡旋などに警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)の妨害が入ることが多くなってきている。

 

(はぁ……長老はどうするつもりなのやら)

 

 キラーBは溜息をつきながら今後の情勢を憂慮していた……。

 

――”異世界”バー『死んだ蝗の酒場』――

 

 ここはドローム達の故郷である”異世界”のバー、『死んだ蝗の酒場』。鋼龍のエンブレムである鋼の鱗を持つウロボロスのマークを掲げたこの酒場の中では、今日もゴロツキ共が酒を飲み交わしていた。

 

「”異世界”での長老はぬるい!ポリ公共なんぞ、皆殺しにしちまえばいいんだ!」

「そうだぜ!ポリ公なんぞ、妻やらガキやらブチ殺して脅してやりゃぁいいんだ!」

「賄賂を渡さねぇってのもおかしな話だぜ!」

 

 学園都市帰りのチンピラ共は、警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)に対するドロームの対応の温さへのもどかしさを吐露していた。

 学園都市でのシノギが妨害されても、ドロームは半笑いで報復を止め、シノギの撤退のなど、この”異世界”での警察への激烈な対応(三属皆殺し、公開処刑など)からすれば温すぎる対応をとっていたのだ。

 

 そのチンピラ達に対し、一人のチンピラがおずおずと発言する。

 

「でもよ……クソポリ公共が俺たちにちょっかいかけてくる前よぉ……俺、見ちまったんだよ。長老が馬鹿笑いしてるの。そこでよ、『アイツ等もケッサクじゃのう!わざわざワシらに塩を送ってくれるっちゅう訳かい!最高じゃの!』つってたんだよ。何か企んでるってのはマジだと思うぜ」

 

 その暴露に周囲のチンピラは沈黙し、ドロームの底知れなさに慄くのであった……。

 

 

 この後、後世に930事件と呼ばれる事件が勃発する。それは、警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)のような治安維持機構にとっては、後々まで『930を忘れるな』と言われるほどの、前代未聞の殺戮と無秩序が繰り広げられた最悪の事件であった……。

 

 ……そして、人知れず学園都市暗部でも最悪レベルの科学者が”復活”した呪われるべき事件でもあった……。




今回の『転換計画』について、「ここは違うだろ」と思う所などありましたら、ぜひ感想欄やメッセージで教えていただければ幸いです。
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